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海賊退治
PHASE-104【斃れていく光景】
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――――俺が顔を熱くしている最中にも、二人は動き出す。
尋問で得た、目的の木造施設に近づけば、ゲッコーさんは閉じられた扉の南京錠をピッキングにて解錠。
入り込めば、そこには服を着た若い女性に、子供の姿が見られた。
やはり商品として考えているようで、女性や子供たちに目立った外傷などは無いようだ。
それどころか、一定の自由が許されているようで、手には本を持っている人もいる。
『無事か』
ゲッコーさんが確認をとるも、突如として入ってきた二人に対して、声は出さないが怯えていた。
自由は許されていても、恐怖は植え付けられている様子。
ここでベルがゲッコーさんの前に立ち、柔和な笑みを囚われた人々に向ける。
俺にも向けてほしい笑みです。
『助けに来た』
短く、柔和な笑み同様に、優しい声で発すれば、人々の表情が強張ったものから和らいだものに変わる。
「――にしても、多くないですか」
コクリコの言は正しい。
連中の根城の中でも、囚われていた人達が閉じ込められていた木造建築は大きなものだった。
一階だけでなく、二階もあり、かなりの人数が収容されている。
「三桁はいきますよ」
大人数なのに、声を出さないのが不気味でもある。
恐怖に支配されているからってのもあるだろうが、ここまでしじまだと、死者の住まう館に二人が迷い込んだのかとすら思えてしまう。
『分かったぞ』
あまりの人数の多さに、ゲッコーさんが一人から話を聞くと、ここは海賊たちにとって要の中継地点であるそうで、大陸中から攫ってきた人々をここに集めて、そこから各地に売りに出したり、魔王軍に差し出しているそうだ。
最終であったレゾンからの積み荷をすませたら、ここにいる人々と共に、各地へと運ばれる予定だったそうだ。
大きな稼ぎ。だからシーゴーレムのようなのモンスターも、海賊船の護衛に展開されていたわけだ。
俺たちは運がいい。レゾンが最終なら、現状ここで囚われている人々が全てだ。
「俺たちはこのままミズーリを入り江まで近づけます。封鎖作戦です」
ミズーリならどんな攻撃も通用しないし、ゲッコーさん達の場所も分かっている。
そこ以外になら砲撃だって出来る。
「こっちに目を向けさせている間に救い出してください」
『いい案だが、どうやら島の裏側に続く、船が通れる洞窟があるそうだ』
「と、なると」
『ああ』
迎撃の準備をしているのは戦いを挑むというより、時間稼ぎを考えての事かもしれない。
もちろん稼いだ時間は、逃げるためのもの。
――――となれば、
「そこは大丈夫なんですか?」
逃げる準備が整ったら、商品である人々をここから運び出すように動き出すだろう。
『その危惧は――――、正解だ』
即座にサプレッサーの付いたMASADAを虚空から取り出せば、
『奴隷たちを運び出せ!』
ゲッコーさん越しに、建物外から、野太い声を拾う。
『見たくないなら見るなよ』
チャージングハンドルを引く。
南京錠が解錠されていることに気付いた海賊が、バタンとドアを蹴り破って、躍りかかるように入ってくる。
それに合わせるように、シュパパパパパと、小気味の良い連射音。
指で切っての五点バースト撃ち。
進入してきた海賊を、侵入したゲッコーさんが射殺する。
こんな世界なんだ……。モンスターだけでなく、人が人を殺める世界でもあるんだ。
いや、それは俺の元々の世界でも一緒か。
見なくていいと言われたが、この世界を受け入れるために、俺は目を背けることはしなかった。
「更に接近してきます」
ゲッコーさんの視覚と同期しているディスプレイ。
建物外からの足音は俺にも聞こえる。
『ああ』
俺が覚悟を決めて見ているのが伝わったのか、ゲッコーさんの照準が更に鋭いものになる。
ヘッド、ヘッド、ヘッド――――。
バタバタと倒れていく海賊たち。
「島への侵入が知れ渡ったようです。海賊たちは混乱しています」
コクリコが双眼鏡にて、入り江の海賊たちの動きに混乱が生じていると、ディスプレイを凝視する俺に変わって確認してくれる。
ディスプレイには、頭を撃ち、リロードを繰り返すだけの光景。
『抵抗したことを悔いるのだな』
ゲッコーさんがハードキルを選択した事に加えて、人を商品としている事にも不快感を強く持ったベルも、加減をしてやるつもりは毛頭ないようだ。
炎を纏えば、建物の外に飛び出て、海賊に大立ち回りを始める。
尋問で得た、目的の木造施設に近づけば、ゲッコーさんは閉じられた扉の南京錠をピッキングにて解錠。
入り込めば、そこには服を着た若い女性に、子供の姿が見られた。
やはり商品として考えているようで、女性や子供たちに目立った外傷などは無いようだ。
それどころか、一定の自由が許されているようで、手には本を持っている人もいる。
『無事か』
ゲッコーさんが確認をとるも、突如として入ってきた二人に対して、声は出さないが怯えていた。
自由は許されていても、恐怖は植え付けられている様子。
ここでベルがゲッコーさんの前に立ち、柔和な笑みを囚われた人々に向ける。
俺にも向けてほしい笑みです。
『助けに来た』
短く、柔和な笑み同様に、優しい声で発すれば、人々の表情が強張ったものから和らいだものに変わる。
「――にしても、多くないですか」
コクリコの言は正しい。
連中の根城の中でも、囚われていた人達が閉じ込められていた木造建築は大きなものだった。
一階だけでなく、二階もあり、かなりの人数が収容されている。
「三桁はいきますよ」
大人数なのに、声を出さないのが不気味でもある。
恐怖に支配されているからってのもあるだろうが、ここまでしじまだと、死者の住まう館に二人が迷い込んだのかとすら思えてしまう。
『分かったぞ』
あまりの人数の多さに、ゲッコーさんが一人から話を聞くと、ここは海賊たちにとって要の中継地点であるそうで、大陸中から攫ってきた人々をここに集めて、そこから各地に売りに出したり、魔王軍に差し出しているそうだ。
最終であったレゾンからの積み荷をすませたら、ここにいる人々と共に、各地へと運ばれる予定だったそうだ。
大きな稼ぎ。だからシーゴーレムのようなのモンスターも、海賊船の護衛に展開されていたわけだ。
俺たちは運がいい。レゾンが最終なら、現状ここで囚われている人々が全てだ。
「俺たちはこのままミズーリを入り江まで近づけます。封鎖作戦です」
ミズーリならどんな攻撃も通用しないし、ゲッコーさん達の場所も分かっている。
そこ以外になら砲撃だって出来る。
「こっちに目を向けさせている間に救い出してください」
『いい案だが、どうやら島の裏側に続く、船が通れる洞窟があるそうだ』
「と、なると」
『ああ』
迎撃の準備をしているのは戦いを挑むというより、時間稼ぎを考えての事かもしれない。
もちろん稼いだ時間は、逃げるためのもの。
――――となれば、
「そこは大丈夫なんですか?」
逃げる準備が整ったら、商品である人々をここから運び出すように動き出すだろう。
『その危惧は――――、正解だ』
即座にサプレッサーの付いたMASADAを虚空から取り出せば、
『奴隷たちを運び出せ!』
ゲッコーさん越しに、建物外から、野太い声を拾う。
『見たくないなら見るなよ』
チャージングハンドルを引く。
南京錠が解錠されていることに気付いた海賊が、バタンとドアを蹴り破って、躍りかかるように入ってくる。
それに合わせるように、シュパパパパパと、小気味の良い連射音。
指で切っての五点バースト撃ち。
進入してきた海賊を、侵入したゲッコーさんが射殺する。
こんな世界なんだ……。モンスターだけでなく、人が人を殺める世界でもあるんだ。
いや、それは俺の元々の世界でも一緒か。
見なくていいと言われたが、この世界を受け入れるために、俺は目を背けることはしなかった。
「更に接近してきます」
ゲッコーさんの視覚と同期しているディスプレイ。
建物外からの足音は俺にも聞こえる。
『ああ』
俺が覚悟を決めて見ているのが伝わったのか、ゲッコーさんの照準が更に鋭いものになる。
ヘッド、ヘッド、ヘッド――――。
バタバタと倒れていく海賊たち。
「島への侵入が知れ渡ったようです。海賊たちは混乱しています」
コクリコが双眼鏡にて、入り江の海賊たちの動きに混乱が生じていると、ディスプレイを凝視する俺に変わって確認してくれる。
ディスプレイには、頭を撃ち、リロードを繰り返すだけの光景。
『抵抗したことを悔いるのだな』
ゲッコーさんがハードキルを選択した事に加えて、人を商品としている事にも不快感を強く持ったベルも、加減をしてやるつもりは毛頭ないようだ。
炎を纏えば、建物の外に飛び出て、海賊に大立ち回りを始める。
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