99 / 1,736
海賊退治
PHASE-99【フハハハハ――――。こいつぁ最高だぁ!】
しおりを挟む
「主砲回頭」
なんて言いつつ、R1トリガーを押せば、船首側三連装砲塔二基。船尾側三連装砲塔一基からなる、九門の長砲身がシーゴーレムへと向く。
奇しくも相手は三体と例えるべきか、三隻と例えるべきか。
――――船と判断し、隻だな。体だと命が有るものと考えてしまう。
とにかく三である。
こちらも三基の砲塔だ。
一隻に対して一基だ。
「照準、シーゴーレム」
L2トリガーを押せば、素晴らしきかなオートエイムが発動。
ディスプレイでは、赤色の円からなる照準が絞り込まれていき、赤色が緑色へと変わる。
ロックオン完了の合図だ。
大きく吸気を行い、
「――――主砲、斉射!!」
ドンドンドン――――!
九度、音が轟けば、体に響く強烈な振動。
砲煙の灰色の中に、赤が混じったような光景が、長砲身先端部から発生すれば――――、
『弾着――――今!』
露天艦橋に移動しているゲッコーさんからの通信が入る。
それを聞いて、俺も肉眼で見るために、状況を確認できる所へと移動する。
――――岩で出来たシーゴーレム三隻は、一度の斉射で他愛なく砕けた。
上半身部分は消え去り、船の原形も留めておらず、海へと沈んでいく。
斉射後、港には大きな波がぶつかる。砲撃の衝撃によって生まれた波だ。
『全弾命中。敵轟沈』
見れば分かるけども、ゲッコーさんからの連絡が入る。
「素晴らしい……。何という力だ。これぞアメリカの力」
ここまで凄いとは……。いや、この中世レベルでミズーリはオーバーテクノロジーだけども。
本当に凄い。ミズーリさえあれば――――、
「魔王軍など恐るるに足らず!」
そう! それだよコクリコ! 俺が言いたかったけどな!
これからはミズーリによる砲艦外交が可能だ。
シーゴーレムの投擲攻撃を魔王軍の有する射程として指標とすれば、魔王軍のアウトレンジからやりたい放題だな。
それにミズーリには、追加設定がある。
余裕じゃないか。ヘヘヘ――――。
「気にいらん顔だな」
グサリと刺さってくる声音。
口だけでなく、エメラルドグリーンの炯眼でも俺を刺してくる。
最近はこんな侮蔑するような視線は送ってこなかったから、俺は気圧されてしまっている。
「な、なんだよ。これで海賊たちを黙らせることが出来るだろ」
「その通りだ。お前が口にしたように、まだ戦いは終わっていない。余裕を抱くな。足をすくわれるぞ。だが、それ以上に――」
えぇ……。まだお説教が続くのか……。
「なんだその表情は! 自信からくる感情が表れているのではないぞ! お前のは、弱い者が力を得て勘違いをし、愉悦に浸る。愚者の笑みだ」
言ってくれるなベル。
まるで俺が、ゲームでグリッチやチートを使って勘違いしてるプレイヤーみたいじゃないか。
ここはゲームの世界じゃない。
使っていい物なら使うべきだ。
この力があれば、これからの戦いだって楽になる。核の使用は俺も避けるけど、これなら問題ないだろう。
制海権を得ることが出来れば、港町の人達だって安心して漁に出られるんだ。
魔王軍を黙らせて、海洋に人間が進出することだって大事だろ。
なのに、なんでそんな気に入らないって顔なんだよ! だんだんと腹が立ってきた!
「不快感まる出しだな。得心がいかないか? 確かにこの艦は絶大な力を有している。だが、力の恩恵は毒にも変わる。お前は力を行使する。最初は正義のため。だが毒が回り、考えかたに濁りが生じれば、自分の考えに合わない者に対しても力を行使するようになるだろう。魔王に代わり、お前が人々に恐怖を与える。その先に待っているのは、孤独な一人の世界だ」
なんだよ……。俺が悪者になるみたいに言いやがって。
力のコントロールが出来る――と思い込めば、それが驕りになるのか……。
炯眼だったベルの瞳が、見たことない悲しいものに変わってしまって、俺は反論も出来なくなった。
ベル自身の絶大な力が関係しているのかな?
ベルの力を利用しようとする者達もいたって、設定集にも載ってたもんな。
力に驕りそうな人間には、嫌悪感を抱くのかもしれない。
以前にゲッコーさんが、俺が何の感慨も湧かずに命を奪う存在なら、自分たちの敵として現れる。って、言ってたっけ。
ミズーリの力に溺れたら、ゲッコーさんに先生。そして、目の前のベルは俺から離れていくんだろうな……。
ヘヘヘ――――。と、確かに俺は、愉悦の笑みを浮かべていた…………。
なんて言いつつ、R1トリガーを押せば、船首側三連装砲塔二基。船尾側三連装砲塔一基からなる、九門の長砲身がシーゴーレムへと向く。
奇しくも相手は三体と例えるべきか、三隻と例えるべきか。
――――船と判断し、隻だな。体だと命が有るものと考えてしまう。
とにかく三である。
こちらも三基の砲塔だ。
一隻に対して一基だ。
「照準、シーゴーレム」
L2トリガーを押せば、素晴らしきかなオートエイムが発動。
ディスプレイでは、赤色の円からなる照準が絞り込まれていき、赤色が緑色へと変わる。
ロックオン完了の合図だ。
大きく吸気を行い、
「――――主砲、斉射!!」
ドンドンドン――――!
九度、音が轟けば、体に響く強烈な振動。
砲煙の灰色の中に、赤が混じったような光景が、長砲身先端部から発生すれば――――、
『弾着――――今!』
露天艦橋に移動しているゲッコーさんからの通信が入る。
それを聞いて、俺も肉眼で見るために、状況を確認できる所へと移動する。
――――岩で出来たシーゴーレム三隻は、一度の斉射で他愛なく砕けた。
上半身部分は消え去り、船の原形も留めておらず、海へと沈んでいく。
斉射後、港には大きな波がぶつかる。砲撃の衝撃によって生まれた波だ。
『全弾命中。敵轟沈』
見れば分かるけども、ゲッコーさんからの連絡が入る。
「素晴らしい……。何という力だ。これぞアメリカの力」
ここまで凄いとは……。いや、この中世レベルでミズーリはオーバーテクノロジーだけども。
本当に凄い。ミズーリさえあれば――――、
「魔王軍など恐るるに足らず!」
そう! それだよコクリコ! 俺が言いたかったけどな!
これからはミズーリによる砲艦外交が可能だ。
シーゴーレムの投擲攻撃を魔王軍の有する射程として指標とすれば、魔王軍のアウトレンジからやりたい放題だな。
それにミズーリには、追加設定がある。
余裕じゃないか。ヘヘヘ――――。
「気にいらん顔だな」
グサリと刺さってくる声音。
口だけでなく、エメラルドグリーンの炯眼でも俺を刺してくる。
最近はこんな侮蔑するような視線は送ってこなかったから、俺は気圧されてしまっている。
「な、なんだよ。これで海賊たちを黙らせることが出来るだろ」
「その通りだ。お前が口にしたように、まだ戦いは終わっていない。余裕を抱くな。足をすくわれるぞ。だが、それ以上に――」
えぇ……。まだお説教が続くのか……。
「なんだその表情は! 自信からくる感情が表れているのではないぞ! お前のは、弱い者が力を得て勘違いをし、愉悦に浸る。愚者の笑みだ」
言ってくれるなベル。
まるで俺が、ゲームでグリッチやチートを使って勘違いしてるプレイヤーみたいじゃないか。
ここはゲームの世界じゃない。
使っていい物なら使うべきだ。
この力があれば、これからの戦いだって楽になる。核の使用は俺も避けるけど、これなら問題ないだろう。
制海権を得ることが出来れば、港町の人達だって安心して漁に出られるんだ。
魔王軍を黙らせて、海洋に人間が進出することだって大事だろ。
なのに、なんでそんな気に入らないって顔なんだよ! だんだんと腹が立ってきた!
「不快感まる出しだな。得心がいかないか? 確かにこの艦は絶大な力を有している。だが、力の恩恵は毒にも変わる。お前は力を行使する。最初は正義のため。だが毒が回り、考えかたに濁りが生じれば、自分の考えに合わない者に対しても力を行使するようになるだろう。魔王に代わり、お前が人々に恐怖を与える。その先に待っているのは、孤独な一人の世界だ」
なんだよ……。俺が悪者になるみたいに言いやがって。
力のコントロールが出来る――と思い込めば、それが驕りになるのか……。
炯眼だったベルの瞳が、見たことない悲しいものに変わってしまって、俺は反論も出来なくなった。
ベル自身の絶大な力が関係しているのかな?
ベルの力を利用しようとする者達もいたって、設定集にも載ってたもんな。
力に驕りそうな人間には、嫌悪感を抱くのかもしれない。
以前にゲッコーさんが、俺が何の感慨も湧かずに命を奪う存在なら、自分たちの敵として現れる。って、言ってたっけ。
ミズーリの力に溺れたら、ゲッコーさんに先生。そして、目の前のベルは俺から離れていくんだろうな……。
ヘヘヘ――――。と、確かに俺は、愉悦の笑みを浮かべていた…………。
0
お気に入りに追加
450
あなたにおすすめの小説
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた
青空あかな
ファンタジー
弱小王国の末っ子王子ネオンは、12歳の誕生日、王族が授かるスキルを授からなかった。
そのまま罰として、世界を代表する三つの超大国に囲まれた「捨てられ飛び地」の領主を命じられ、追放されてしまう。
すると、そのショックで前世――日本で神器を発掘する考古学者だったこと――を思い出した。
ネオンは追放を良い機会と考え、慕ってくれるメイドと飛び地に向かう。
飛び地は荒れ果て、人もおらず、その日暮らしもままならない。
ネオンはメイドとのんびり暮らすために開拓を決心した瞬間、『神器生成』というスキルを発現した。
父親と兄たちはネオンの誕生日を正確に覚えておらず、この日が真の誕生日だったのだ。
『神器生成』を使ってみると、枯れ葉からエリクサーを生成したり、単なる石から古龍も貫く剣を生成したり、ゴミから神話級の魔道具を作るチートスキルだった。
超大国からの難民団を領民に迎え、目立たないように開拓するが世界最強の領地にしてしまう。
それだけで目立ってしまうのに、さらにもう一つ。
実は、難民団は超大国のスパイ集団だった(互いに、スパイ同士だとは気づいていない)。
ライバル国を探る拠点の製作が目的だったが、ネオンを見て方向転換。
自国に引き入れようと裏で画策し、彼が何かするたび本国に報告する。
結果、ネオンは自分の知らないところで、超大国が注目する重要人物となってしまうのであった。
一方、国王と兄たち。
ネオンの活躍のせいで、自分たちの利権が侵害されて逆恨み。
王国に伝わる秘術で魔神を召喚して飛び地を襲撃させ、確実な破滅への道をたどるのであった。
※2025/4/3:HOTランキング1位

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる