上 下
53 / 99

55話 「ちょっと初恋の奴を探してくる!」

しおりを挟む
ロイとイベリスは遺跡の中で金色に輝く巨大なスケルトンナイトと対峙していた。

何か強そうだぞ…

コア(金骨将軍。ランクA。注意。)

キンコツ将軍?名前的に行けそうな感じがする。
「ウオオ~!」
叫ぶ金骨将軍。
地面からスケルトンナイトが大量に現れる。

やっぱり無理かも…

バッ!後ろから抱きつくイベリス。

何するんだよ!イベリス。
イベリスは抱きつきロイにキスをする。
敵に囲まれても私の愛は揺るがないのです。
無理やり引き離すがイベリスは直ぐに抱きつき直す。
ロイ様は離しません。愛は離れません!
「これじゃ戦えない…」
ロイへの愛情を、これでもかと表現するイベリス。2人にスケルトンナイト達が近づいてくる。

「離れてイベリス。倒したら好きにして良いから!」

サッ!と離れたイベリス。槍を構える。

「私の愛情を妨げるな!骨!」

鋭い顔つきになる。邪魔をするスケルトンナイトに苛立ちを見せている。

「何年!骨でいるかしらないけど何千年も待ち焦がれた私の想いの邪魔はしないでください!」

「変わらぬ心は永遠に変わらない!」

「スターチス!」

凄まじい勢いで突きをくり出すイベリス。
次々にスケルトンナイトが砕け散る。

千寿槍を振り払うイベリス。
スケルトンナイトは全滅した。

「あ~ん!ロイ様!お怪我は無いですか?」

直ぐに抱きつきロイの身体を触りまくるイベリス。

「あ、ああ大丈夫だよ。何もしていないから…」

イベリスと一緒になってから一度も戦闘をしていない。

後はあの金ピカ骨だけですね!

剣を振り回す金骨将軍。金色のボディーが光輝く。

槍を構え直すイベリス。
「貴方!目立ちたがり屋なのかしら?でも残念です。」

千寿槍を振り回すイベリス。風切音がする。
「ロイ様は慎ましく尽くす人が好みなのよ!」
千寿槍を振り回しながら走り出すイベリス。

たくさんの蝶が飛び交うような優美な槍さばきを見せるイベリス。

「幸せは飛んでくるのよ!ロイ様を愛します!!」

「胡蝶蘭・愛!!」

無数の斬撃が金骨将軍を切り刻む千寿槍の穂が蝶の様に舞い散る。

為す術もない金骨将軍。イベリスが強すぎるのだ。

粉々になり消えてしまった金骨将軍…

ハハハ!やっぱり主人公だよコア!
イベリスがこの物語の主人公だって!
コア(そのうち出番ありますよ。たぶん。)

余りに激しく抱きつくイベリス。倒されてしまうロイ。

馬乗りになりロイを見下ろすイベリス。
「ロイ様にまたがれるなんて幸せです。」

ロイは恥ずかしくなり顔をそむける。

そうだ!アイラが俺を背負わせる様にイベリスに命令すれば良いんだ。
「どいてくれイベリス!」
ロイの紋章が輝くがイベリスの紋章は反応しない。
何故だ?何故反応しないんだ!

コア(勇者の付き人ですよ。イベリスは。勇者を隠しているロイには反応しません。)

面倒くさい!面倒くさいシステムだな!

ロイは無理やりイベリスを振り落とそうとするが
ガッチリホールドされている。

「ああ!好きな人の上になるの気持ち良いです。」

ロイは暴れるのを諦める。だって…

悪い気はしないから…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

祝勝会を開いたカーラは弟子3人と酒場に来ていた。

「よくやった!好きなだけ食べて飲むんだ!」

弟子3人は喜んで料理を食べて酒を飲む!
※成人扱いは15歳~

ノンの心理戦を褒めるカーラ。
あの前半の屁を相手になすり付けるタイミングは最高だったと褒めまくる。ノンは嬉しそうにする。

ククルの笑いを堪える姿もチームに勢いを増した。
とカーラは褒める。

カメコはお酒を飲みまくる。
「上手いなあ!極上の酒だぜ!」
因みにカメコが飲んでいる酒は酒場で1番安い酒だ。
勝負に勝って飲む酒は格段に美味く感じるものだ。

3人は名前をつけてほしいとカーラに頼む。
チーム名だ。カーラは考える。
あのシバキにあのヘッドシェイクは良かったな…
う~ん。

こんなのはどうだ?

「南星の激シバ」

3人は感動する。
ぶはぁ~最高の気分だぜ!一気に酒を飲み干した
カメコ。ノンもククルも大喜びだ!

「南星の激シバ!頑張るぞー!」

ノンがジョッキを掲げると
カメコとククルもジョッキを掲げる!

仲睦まじい光景にカーラは笑みが溢れる。
仲間はやはり良いものだ辛きを共にし楽しさを共に
する。何時までも仲良しで居てもらいたい。

祝勝会は遅くまで続いた。

翌朝…

部屋にカーラが一人居る。
「ふわ~昨日は飲みすぎたな。頭が痛いぜ!」

アイラもロイも帰って来ていない。
大丈夫だとは思うカーラだが少し寂しさを感じていた。

温泉に向かうカーラ。脱衣場にはククルしか居ない…
どうやら他の2人は昨日飲みすぎてダウンした様だ。

「今日は自主練にしようククル。」

ゆっくり温泉に入る2人。
女性の恋ばなが始まる。
「サウナ姫の初恋は?」
カーラは今しているとククルに言う。今?と驚いた表情をするククルは誰と聞いてくる。
誰と聞かれて、少し恥ずかしい気持ちにカーラはなるが名前を答える。
「ロイだ!聖女様の付き人のロイだ!」
少し顔が赤いカーラ。
ククルは、ロイとは面識が無い。サウナ姫が好きな人なんだからと一人勝手に色々想像している。
何だか楽しそうだ。

ククルにロイの事を熱弁しているうちに無性に逢いたい気持ちになってしまう。
バシャ!浴槽を出るカーラ。

「2人に伝えてくれ!練習はアタシが戻るまで自主練にすると!」

「サウナ姫どちらに?」

「ちょっと初恋の奴を探しくる!」

そう言われ湯船から立ち上がるカーラを見上げるククル。連なる2つのビッグマウンテンに太陽が遮ら…
じゃなくて顔が遮られる。たぶん初恋相手が心配になったのだろ。

温泉を出るカーラ。
ロイを探しに出かける!

次回へ続く。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

処理中です...