23 / 30
第二章 冒険者 編
21 竜人族の少女
しおりを挟む
「ごめんなさいです!すみませんです!」
マナの巨木に倒されたドラゴンは無数の巨木の中へ消えたのだが、数分後にその巨木の中から少女が現れた。
赤いドレスを身に着けたマナより少し大きい女の子。
彼女はマナを見つけると駆け寄り、地面に額がこすれるほどの土下座をし謝っている。
「暇すぎて…つい悪戯をしましたです!」
レナ・バースの頬がひきつる。人族のようだが耳裏に小さな角がある。
「もしかして…君は竜人族か?」
謝る少女はレナ・バースの言葉を聞いて嬉しそうな表情をみせた。
「私のことわかるんですか?」
レナ・バースは詳しくわかるわけではない。ギルドで話しを聞いたくらいだ。
竜の姿に変化できる希少な種族がいると…
「皆…いなくなったんです。パパもママも!きっと魔族の所に怒りにいったんです!ひどいです!私だけ置いていくなんて!」
マナは鞭で少女の頭を鞭打する。
「石ころ壊すな!私は試験中なんだよ!」
竜人族という希少種を前にしても試験と騒ぐマナ。このままだと4連続失敗だと頭を抱えている。
「こ、これで勘弁です!」
竜人族の少女は怒るマナに怯えながらも、赤く輝く石をマナに渡した。
少女がマナに渡した石は、エターナル光石…
聖域の地下でしか手に入らない。世界で一番硬く貴重な鉱石だ。
「おじいちゃんが昔、聖域で見つけた石です。これで許して下さい…お願いしますです」
レナ・バースは驚いている。まさかエターナル光石をこの目で見れるとは…
あれで武器を造ったら…
「こんな石ころなんかいらないよ!私のあの石の方が凄く貴重なんだから!」
マナちゃんは何を言っているんだ?
さっきまで運んでいたのは、ただの鉄鉱石だ。そして今もっているのは、世界一の鉱石…エターナル光石だぞ。
「こんな石…どこにでもあるじゃないのよ!」
どうしよう…私の常識がどんどん崩れていく。
尻もちをついたのは、レナ・バースと竜人の少女だった。二人が口を開けて見つめる先にあるのはマナが光りの中から取り出したエターナル光石。
しかも後ろが見えないほど大量にだ。
「この石ころって私の根に良く絡まるのよ!本当に邪魔なんだから。私はこの石ころ嫌いなのよ!」
マナは機嫌が悪くなった。
どうして私はいつも失敗するのと自分を攻めた。シルバーウルフも長舌フロッグもゴブリンも皆大嫌いだ!
そして…
「貴女!さっきからついてくるけど…なんなのよ!」
少し距離を取りながらマナの後をつける竜人族の少女。マナはこれにも苛々していた。
…………………………
「え?…そ、そうですか残念です」
ギルドに帰ってきたマナとレナ・バース。マナは試験を失敗したと報告した。
途中までは良かったのに…
報告を受けたさいの、マリィの表情を見逃さなかったレナ・バース。彼女は確信する。やはりお前が仕組んだんだなと…
「マナ様!また明日から頑張りましょう。私もしっかりサポートしますから…だから頑張ってください。」
やっぱりマリィは良い人だ。テーブルの前で少しいつもより早めの瞬きをするマリィの笑顔を見てマナは、明日からまた頑張ろうときめた。
「ところで…後ろの方は?」
マナとレナ・バースの背中に隠れるように身をかがめ、チラチラと目線を向ける少女。
「あ、あぁ彼女は竜人族の娘なんだが家族と逸れたらしくてな…私達の後をついてくるんだ。」
…………竜人族?
あの希少種の竜人族?
レナ・バースはマリィの表情の変化を見逃さなかった。
竜人族は珍しい種族だから…ギルドで一旦保護します。マリィはそう言いながら竜人族の少女を奥へと連れていった。
本当に保護するのだろうか?
…………………………
ねぇ…お嬢…
本当は私が甘えたいんだよ…
マナは落ち込んでいる。それはレナ・バースの家へ戻ってもかわなかった。食事を済ませ、お風呂はひとりで入浴した。
元気だったら、お嬢の身体を泡だらけにしてあげたんだけど…
今日はそんな気分にはなれないよ!
そして先にお嬢が寝ていたベッドにマナは入った。お嬢の背中に手を当て、今日の試験を悔しがるマナ。
レナ・バースは振り返りマナを自分の胸に押し込む。
マナに、どうして服を着てないの?と言われたが、レナ・バースは瞳を閉じて只々強く自分の胸でマナの小さな顔を覆った。
くるしい…
「お腹…空いてないよ私…」
食べてください。レナ・バースは自分の胸をマナに食べてくださいと何度もお願いした。
お腹空いてないと言っているのに!
それに私は今日は元気がないの!
甘えたいのかな?
もう!お嬢は本当…子どもなんだから!
マナは食べるフリだけをした。レナ・バースの胸を掴み果物屋さんの店頭に並ぶ小さな薄紅色の果実のような形の先端を舌で舐める。
お腹空いてないから食べてるフリ!
どれだけ食べたフリをしたのだろうか?
しだいにレナ・バースの胸は甘酸っぱい味に変わった。
汗のせいだろう…
変な息遣いに街の猫みたいな声をだすレナ・バース。
…「はい!おしまい!私は寝るの!」
食べたフリをやめたマナをレナ・バースは朝まで離さなかった……
もう!甘えたいのは私なんだからね!
マナの巨木に倒されたドラゴンは無数の巨木の中へ消えたのだが、数分後にその巨木の中から少女が現れた。
赤いドレスを身に着けたマナより少し大きい女の子。
彼女はマナを見つけると駆け寄り、地面に額がこすれるほどの土下座をし謝っている。
「暇すぎて…つい悪戯をしましたです!」
レナ・バースの頬がひきつる。人族のようだが耳裏に小さな角がある。
「もしかして…君は竜人族か?」
謝る少女はレナ・バースの言葉を聞いて嬉しそうな表情をみせた。
「私のことわかるんですか?」
レナ・バースは詳しくわかるわけではない。ギルドで話しを聞いたくらいだ。
竜の姿に変化できる希少な種族がいると…
「皆…いなくなったんです。パパもママも!きっと魔族の所に怒りにいったんです!ひどいです!私だけ置いていくなんて!」
マナは鞭で少女の頭を鞭打する。
「石ころ壊すな!私は試験中なんだよ!」
竜人族という希少種を前にしても試験と騒ぐマナ。このままだと4連続失敗だと頭を抱えている。
「こ、これで勘弁です!」
竜人族の少女は怒るマナに怯えながらも、赤く輝く石をマナに渡した。
少女がマナに渡した石は、エターナル光石…
聖域の地下でしか手に入らない。世界で一番硬く貴重な鉱石だ。
「おじいちゃんが昔、聖域で見つけた石です。これで許して下さい…お願いしますです」
レナ・バースは驚いている。まさかエターナル光石をこの目で見れるとは…
あれで武器を造ったら…
「こんな石ころなんかいらないよ!私のあの石の方が凄く貴重なんだから!」
マナちゃんは何を言っているんだ?
さっきまで運んでいたのは、ただの鉄鉱石だ。そして今もっているのは、世界一の鉱石…エターナル光石だぞ。
「こんな石…どこにでもあるじゃないのよ!」
どうしよう…私の常識がどんどん崩れていく。
尻もちをついたのは、レナ・バースと竜人の少女だった。二人が口を開けて見つめる先にあるのはマナが光りの中から取り出したエターナル光石。
しかも後ろが見えないほど大量にだ。
「この石ころって私の根に良く絡まるのよ!本当に邪魔なんだから。私はこの石ころ嫌いなのよ!」
マナは機嫌が悪くなった。
どうして私はいつも失敗するのと自分を攻めた。シルバーウルフも長舌フロッグもゴブリンも皆大嫌いだ!
そして…
「貴女!さっきからついてくるけど…なんなのよ!」
少し距離を取りながらマナの後をつける竜人族の少女。マナはこれにも苛々していた。
…………………………
「え?…そ、そうですか残念です」
ギルドに帰ってきたマナとレナ・バース。マナは試験を失敗したと報告した。
途中までは良かったのに…
報告を受けたさいの、マリィの表情を見逃さなかったレナ・バース。彼女は確信する。やはりお前が仕組んだんだなと…
「マナ様!また明日から頑張りましょう。私もしっかりサポートしますから…だから頑張ってください。」
やっぱりマリィは良い人だ。テーブルの前で少しいつもより早めの瞬きをするマリィの笑顔を見てマナは、明日からまた頑張ろうときめた。
「ところで…後ろの方は?」
マナとレナ・バースの背中に隠れるように身をかがめ、チラチラと目線を向ける少女。
「あ、あぁ彼女は竜人族の娘なんだが家族と逸れたらしくてな…私達の後をついてくるんだ。」
…………竜人族?
あの希少種の竜人族?
レナ・バースはマリィの表情の変化を見逃さなかった。
竜人族は珍しい種族だから…ギルドで一旦保護します。マリィはそう言いながら竜人族の少女を奥へと連れていった。
本当に保護するのだろうか?
…………………………
ねぇ…お嬢…
本当は私が甘えたいんだよ…
マナは落ち込んでいる。それはレナ・バースの家へ戻ってもかわなかった。食事を済ませ、お風呂はひとりで入浴した。
元気だったら、お嬢の身体を泡だらけにしてあげたんだけど…
今日はそんな気分にはなれないよ!
そして先にお嬢が寝ていたベッドにマナは入った。お嬢の背中に手を当て、今日の試験を悔しがるマナ。
レナ・バースは振り返りマナを自分の胸に押し込む。
マナに、どうして服を着てないの?と言われたが、レナ・バースは瞳を閉じて只々強く自分の胸でマナの小さな顔を覆った。
くるしい…
「お腹…空いてないよ私…」
食べてください。レナ・バースは自分の胸をマナに食べてくださいと何度もお願いした。
お腹空いてないと言っているのに!
それに私は今日は元気がないの!
甘えたいのかな?
もう!お嬢は本当…子どもなんだから!
マナは食べるフリだけをした。レナ・バースの胸を掴み果物屋さんの店頭に並ぶ小さな薄紅色の果実のような形の先端を舌で舐める。
お腹空いてないから食べてるフリ!
どれだけ食べたフリをしたのだろうか?
しだいにレナ・バースの胸は甘酸っぱい味に変わった。
汗のせいだろう…
変な息遣いに街の猫みたいな声をだすレナ・バース。
…「はい!おしまい!私は寝るの!」
食べたフリをやめたマナをレナ・バースは朝まで離さなかった……
もう!甘えたいのは私なんだからね!
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説


異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜
月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。
蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。
呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。
泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。
ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。
おっさん若返り異世界ファンタジーです。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる