地獄ロワイヤルスクワッド-生きるために命を食らう-

-零章-死後、世界

エピソード2 「ゲームルール」

人ならざる者とすぐにわかったのも当然の事だ。皮膚がただれていて、空中に浮遊していたら誰でも人ではないとわかる。どうやら他の人々も上にいる「何か」に気づいたようだ。ざわめく壁の中の小さな広場、そして人ではない何かがついに喋り始めた。

「ようこそ、地獄ロワイヤルへ。」

掠れた声で一言そう言うと会場にいた1人の若いチャラついた男が声を上げた。
「おい！地獄ロワイヤルってなんだよ！訳わかんねぇこと言ってねぇでここからだせごらぁっ！」
男が叫ぶも聞く耳を持たず人ならざる何かは話を続ける。
「皆様は生者でいた時に罪を多く犯しましたね？ここは地獄。罪の分ここで償わなければなりません。しかし、罰を下す側も疲れますし、時間の無駄になるわけです。そこでうまれたのがこの地獄ロワイヤルなのです。落ちてきた人間同士で手を組むか裏切るかも自由。この地獄ロワイヤルでもし、我々の与えた条件を全て満たすことができればこちらから解放致します。また、開放されたあとは生者としてもう一度やり直すことができます。無論、罪を犯す前に戻ります。また、戻ったあとも再び罪を犯した場合は、最深層の地獄へ死後飛ばされます。あらかた理解して頂けましたでしょうか？」

正直、ルールが理解出来てもこの状況に関しては未だに理解ができない。理解出来ても慣れることができない。
会場はさらにざわめきが増し、冷静さをどんどん失っていく。
しかし、人ならざる何かはまた話の続きを始める。
「続いて細かいルールを説明致します。地獄ロワイヤルは4人1組のチームから始まります。もちろん裏切り行為も許可されています。この私の説明終了後、チームを決めさせてもらってから地獄ロワイヤルのステージへと転送させていただきます。ステージの広さは皆様の世界で言うとだいたい東京都より1,2回り小さいくらいとなっております。森林地帯に廃都市、廃工場など、様々なエリアが存在します。ステージ内で目標日数生き残ることが最優先事項となります。続いて皆様の腕に着いているそのリングについてご説明致します。そちらは万能表示機と言います。名前の通り様々なデータを表示するものであります。表示できるものは時間、クエスト、マップ、体の健康状態、そして残日です。残日に関してご説明致します。残日とは強制死亡にされるまでの日数でございます。残日の増やし方は他人を殺して残日を奪う、もしくはクエストをクリアして残日獲得するのが主な方法となります。残日がゼロになった場合、万能表示機に備わっている注射針から、餓鬼の血液を注入致します。餓鬼の血液は人間の血液を瞬時に餓鬼の血液に変換する汚染能力を持っているため、注入されて約30秒も経てば血液が汚染され餓鬼として地獄で永遠に生きることになります。以上が細かなルールです。ご質問等はございますか？」

そんなことを聞かれても誰も質問なんてできるわけがない。そう思っていたが一人の女性が手を挙げ質問をした。
「あ、あの....こ、ここから出られる条件というのが決められた日数を生き残ることなんですか？」

人ならざる何かもそれに答える
「質問にお答えしましょう。決められた日数生き残ることもそうですが、他にもいくつか条件がございまして、そちらを全てクリアしていただくと無事、地獄ロワイヤルから解放になります。その他の条件はゲーム開始後のクエストに表示されますのでご確認をお願いします。他になにかご質問はございますか？」

・・・・・・・

「質問はなさそうですね。では、いよいよチーム分けに移させていただこうと思います。」




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