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第六十二話 秘儀と秘術
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「えー」
「えー」
オークの刑務官らの手で再びアリーナに引っ立てられた(?)妖精たちは、さっきの勢いはどこへやら、もうすっかりやる気を削がれて口々に面倒そうな呻き声を漏らしたのだった。
「お、おいおいおい……。えーじゃないだろ、お前たち」
「だってー」
「ねえ?」
不満げに唇を尖らす花の妖精、フリムル・ファムと、もうすっかり酒が抜けたらしい水の妖精、マルレーネ・フォレレは、いつの間にか意気投合した間柄のように顔を見合わせている。
「あのですねー、お前様」
「な、なんだよ、フリムル? いつになく真面目な顔して……」
どこか呆れた顔つきでフリムルはこう続けた。
「さーんざんお預けを喰らってー、すーっかりやる気も失せた頃になってー、ほら! やれ! って言われてもー、もーやる気なんてでないですよぅー」
「そーらそーら! こいつのゆーとーりらー!」
「酒抜けてもそんな喋り方なんだな、お前……」
どうやらマルレーネは舌足らずらしく、フリムルと比べたらはるかに大人っぽい姿なのにも関わらず、子どもじみた甘ったるい声色で抗議した。今まではよくよく観察する機会がなかったが、水の妖精、ウンディーネと名乗る割には、身に着けているのはイメージとは真逆の暖色の真紅のワンピースだし、わしゃわしゃしたうねるような髪も藁色である。
どうにも釈然としない俺はこう尋ねることにした。
「なあ、マルレーネって言ったよな? お前、ウンディーネなんだろ? 水の妖精の?」
「そーらよー? ……ははーん、こんなカッコしてるから、疑ってるんらねー?」
「う……。お、おいおいおい! ちょっと待て! やめろやめろ!」
こっちの考えを見透かしたマルレーネは、にたり、といやらしい笑みを浮かべたかと思うと、いきなり前置きもなく着ている真っ赤なワンピースを脱ごうと身体をくねらせはじめたではないか。さすがに俺は慌てて止めようとするが、《咎人の座》の柵と張られた結界が邪魔して届かない。エリナもぎょっとした表情を浮かべてはいたが、足が止まってしまっている。
「あーしらって、こんなの着たくなかったんらよー。ごわごわするしー、乾いてるしー――」
「ちょ――! 今すぐ脱ぐのをやめろ、この馬鹿!」
「こんらのー……ぽーい! ふー、すっきりしたー!」
「!? ………………??」
ばふっ! と音を立ててワンピースが宙に舞い、大慌てで両目を覆い隠した俺だったが――なぜかアリーナは冷静で、大騒ぎにはならない。
おそるおそる指の隙間から見てみると。
「な、なんだよ、ちゃんと下に着てるんじゃないか……。つーか……それでも露出度が……」
「うひひひひひー。がっかりしたーって顔らね、勇者ー」
「……し、してねーし! て、適当なこと言うんじゃねえ!」
たぶん、こっちが本来のマルレーネの姿なのだろう。たとえるなら、真夏のビーチにいたら違和感のカケラもない、目の覚めるような鮮やかな水色のビキニを着た色白の女の子。腰のまわりにはレースのフリルに似た装飾が付いているが、それも含めて、衣装というより生まれつきそういう姿形のようだ。その証拠に、それらは生きているかのように流れ、動いていた。
ただ、こんな場所には似つかわしくないワケで。
それを分かった上で、マルレーネはエリナより少し大きめな胸を揺らし、俺にウインクした。
「このカッコらとー、野郎どもが浮足立つー? からやめろーって。……くふー、見てるしー」
「みみみ見て――おっふ!――ねえっつーの!」
俺は若干どもりつつも素早く否定し、途中に挟まれた鋭い蹴りを受けた尻を撫でさすりながら、エリナに向けて非難めいた視線を返した。が、エリナは知らぬフリでそっぽを向いている。
「??」
「な、なんでもねーっつーの! どうせ言ったところで、誰も気づいてないんだろうし……」
きっと速すぎて、この場にいる誰も気づいていないに違いない。わざわざ蒸し返すのも面倒なので、俺はぶちぶち溢しながらも話を元に戻すことにする――尻は痛むが。
「と・も・か・く・! お前らふたりのどちらの主張が正しいか、あの《七魔王》たちと傍聴席にいる連中にしっかり見てもらわないといけないんだってば! いいから、とっととやれ!」
「えー」
「えー」
「えーじゃない!」
不満たらたらの様子で愚痴を溢している妖精ふたりに檄を飛ばすが、届くのは声だけで実にもどかしい。どうにかしてヤツらのやる気を引き出さなければならないのだが。
「やる気出ないですよー、お前様ぁー……」
「頼むからやってくれってば!」
「じゃーですねー――」
と、フリムルが露骨に、ひらめいた! という顔をする。
「ちゃーんとできたらー、お前様がー、いい子いい子ーってなでなでしてくれますぅー?」
「……は?」
「いつもみたいにー。ねーねー?」
「……は、はぁ? 仕方ない――うぐっ!――ヤツだなぁ。やる! やればいいんだろ!?」
俺たちのやりとりとくぐもった呻きを耳にして、アリーナ中が、へ? と呆けた顔つきになる。じき、その表情が気持ちの悪いものを目にしたような嫌悪の情をあらわにした――エリナを除いて。
「ししし仕方ないだろ、エリナ!? こうでもしないと、やってくれそうにないんだから!」
「キモっ……」
「大体、なんでエリナが不機嫌になる――よいしょーっ!――んだよ!? 痛えっつーの!」
「勝手にすれば? べーつーにー不機嫌なんかになってませんけどぉ!?」
「お前、俺の弁護人だろって……くっそ……」
「まー、いいでしょー」
一方、途端に上機嫌になったフリムルは、ふん、と鼻息を吐いてから、腕まくりをして俺たちの前にさらに進み出た。あいかわらず俺とエリナを見てにやついているのがムカつく。
「いっちょ、やってやりますかねー? こーんな水溜まりヤローと一緒にされてたら、このフリムル・ファム様の名折れですー! どーん! と《異界渡り》の大穴開けてやりますよー!」
「お……大穴は開けなくても……」
なんだか嫌な予感しかしないフリムルのセリフを聞いて腰が引け気味の俺を尻目に、それを黙って聞いていたマルレーネも、むっ、と顔を顰めると、その隣に進み出たではないか。
「じゃー、あーしもやりますよー! なでなでーってのがご褒美らしーし!」
「お前にやるとは言ってないだろ!?」
「いやいやー! とーぜん! やってもらいますからねー! こんな羽虫に馬鹿にされたままじゃ帰れねーですからっ! ドでかいヤツ、こしらえてやるですーっ!」
「馬鹿馬鹿馬鹿っ! やる気の方向性が間違ってるだろぉおおおおお!」
が、もう遅かった。
ぶおん――っ!!
「お……!」
とてつもなくピーキーな感情を持つふたりの妖精は、ほんの数秒前に復活したやる気を瞬発力に変えて、今まで見たことのない真剣な表情でそれぞれ両手を前に突き出した。その直後、その先にある空間が、ぐにゃり、と歪みはじめる。俺が見たサイズとは比べものにならないその大きな歪みが、徐々に七色の光を放ちながら、次第に実体化しはじめる。
これは……ヤバい……!
「うお……っ!? 誰か、こいつらを止め――!!」
次の瞬間、アリーナ全体は眩い閃光で真っ白に染め上げられた――。
「えー」
オークの刑務官らの手で再びアリーナに引っ立てられた(?)妖精たちは、さっきの勢いはどこへやら、もうすっかりやる気を削がれて口々に面倒そうな呻き声を漏らしたのだった。
「お、おいおいおい……。えーじゃないだろ、お前たち」
「だってー」
「ねえ?」
不満げに唇を尖らす花の妖精、フリムル・ファムと、もうすっかり酒が抜けたらしい水の妖精、マルレーネ・フォレレは、いつの間にか意気投合した間柄のように顔を見合わせている。
「あのですねー、お前様」
「な、なんだよ、フリムル? いつになく真面目な顔して……」
どこか呆れた顔つきでフリムルはこう続けた。
「さーんざんお預けを喰らってー、すーっかりやる気も失せた頃になってー、ほら! やれ! って言われてもー、もーやる気なんてでないですよぅー」
「そーらそーら! こいつのゆーとーりらー!」
「酒抜けてもそんな喋り方なんだな、お前……」
どうやらマルレーネは舌足らずらしく、フリムルと比べたらはるかに大人っぽい姿なのにも関わらず、子どもじみた甘ったるい声色で抗議した。今まではよくよく観察する機会がなかったが、水の妖精、ウンディーネと名乗る割には、身に着けているのはイメージとは真逆の暖色の真紅のワンピースだし、わしゃわしゃしたうねるような髪も藁色である。
どうにも釈然としない俺はこう尋ねることにした。
「なあ、マルレーネって言ったよな? お前、ウンディーネなんだろ? 水の妖精の?」
「そーらよー? ……ははーん、こんなカッコしてるから、疑ってるんらねー?」
「う……。お、おいおいおい! ちょっと待て! やめろやめろ!」
こっちの考えを見透かしたマルレーネは、にたり、といやらしい笑みを浮かべたかと思うと、いきなり前置きもなく着ている真っ赤なワンピースを脱ごうと身体をくねらせはじめたではないか。さすがに俺は慌てて止めようとするが、《咎人の座》の柵と張られた結界が邪魔して届かない。エリナもぎょっとした表情を浮かべてはいたが、足が止まってしまっている。
「あーしらって、こんなの着たくなかったんらよー。ごわごわするしー、乾いてるしー――」
「ちょ――! 今すぐ脱ぐのをやめろ、この馬鹿!」
「こんらのー……ぽーい! ふー、すっきりしたー!」
「!? ………………??」
ばふっ! と音を立ててワンピースが宙に舞い、大慌てで両目を覆い隠した俺だったが――なぜかアリーナは冷静で、大騒ぎにはならない。
おそるおそる指の隙間から見てみると。
「な、なんだよ、ちゃんと下に着てるんじゃないか……。つーか……それでも露出度が……」
「うひひひひひー。がっかりしたーって顔らね、勇者ー」
「……し、してねーし! て、適当なこと言うんじゃねえ!」
たぶん、こっちが本来のマルレーネの姿なのだろう。たとえるなら、真夏のビーチにいたら違和感のカケラもない、目の覚めるような鮮やかな水色のビキニを着た色白の女の子。腰のまわりにはレースのフリルに似た装飾が付いているが、それも含めて、衣装というより生まれつきそういう姿形のようだ。その証拠に、それらは生きているかのように流れ、動いていた。
ただ、こんな場所には似つかわしくないワケで。
それを分かった上で、マルレーネはエリナより少し大きめな胸を揺らし、俺にウインクした。
「このカッコらとー、野郎どもが浮足立つー? からやめろーって。……くふー、見てるしー」
「みみみ見て――おっふ!――ねえっつーの!」
俺は若干どもりつつも素早く否定し、途中に挟まれた鋭い蹴りを受けた尻を撫でさすりながら、エリナに向けて非難めいた視線を返した。が、エリナは知らぬフリでそっぽを向いている。
「??」
「な、なんでもねーっつーの! どうせ言ったところで、誰も気づいてないんだろうし……」
きっと速すぎて、この場にいる誰も気づいていないに違いない。わざわざ蒸し返すのも面倒なので、俺はぶちぶち溢しながらも話を元に戻すことにする――尻は痛むが。
「と・も・か・く・! お前らふたりのどちらの主張が正しいか、あの《七魔王》たちと傍聴席にいる連中にしっかり見てもらわないといけないんだってば! いいから、とっととやれ!」
「えー」
「えー」
「えーじゃない!」
不満たらたらの様子で愚痴を溢している妖精ふたりに檄を飛ばすが、届くのは声だけで実にもどかしい。どうにかしてヤツらのやる気を引き出さなければならないのだが。
「やる気出ないですよー、お前様ぁー……」
「頼むからやってくれってば!」
「じゃーですねー――」
と、フリムルが露骨に、ひらめいた! という顔をする。
「ちゃーんとできたらー、お前様がー、いい子いい子ーってなでなでしてくれますぅー?」
「……は?」
「いつもみたいにー。ねーねー?」
「……は、はぁ? 仕方ない――うぐっ!――ヤツだなぁ。やる! やればいいんだろ!?」
俺たちのやりとりとくぐもった呻きを耳にして、アリーナ中が、へ? と呆けた顔つきになる。じき、その表情が気持ちの悪いものを目にしたような嫌悪の情をあらわにした――エリナを除いて。
「ししし仕方ないだろ、エリナ!? こうでもしないと、やってくれそうにないんだから!」
「キモっ……」
「大体、なんでエリナが不機嫌になる――よいしょーっ!――んだよ!? 痛えっつーの!」
「勝手にすれば? べーつーにー不機嫌なんかになってませんけどぉ!?」
「お前、俺の弁護人だろって……くっそ……」
「まー、いいでしょー」
一方、途端に上機嫌になったフリムルは、ふん、と鼻息を吐いてから、腕まくりをして俺たちの前にさらに進み出た。あいかわらず俺とエリナを見てにやついているのがムカつく。
「いっちょ、やってやりますかねー? こーんな水溜まりヤローと一緒にされてたら、このフリムル・ファム様の名折れですー! どーん! と《異界渡り》の大穴開けてやりますよー!」
「お……大穴は開けなくても……」
なんだか嫌な予感しかしないフリムルのセリフを聞いて腰が引け気味の俺を尻目に、それを黙って聞いていたマルレーネも、むっ、と顔を顰めると、その隣に進み出たではないか。
「じゃー、あーしもやりますよー! なでなでーってのがご褒美らしーし!」
「お前にやるとは言ってないだろ!?」
「いやいやー! とーぜん! やってもらいますからねー! こんな羽虫に馬鹿にされたままじゃ帰れねーですからっ! ドでかいヤツ、こしらえてやるですーっ!」
「馬鹿馬鹿馬鹿っ! やる気の方向性が間違ってるだろぉおおおおお!」
が、もう遅かった。
ぶおん――っ!!
「お……!」
とてつもなくピーキーな感情を持つふたりの妖精は、ほんの数秒前に復活したやる気を瞬発力に変えて、今まで見たことのない真剣な表情でそれぞれ両手を前に突き出した。その直後、その先にある空間が、ぐにゃり、と歪みはじめる。俺が見たサイズとは比べものにならないその大きな歪みが、徐々に七色の光を放ちながら、次第に実体化しはじめる。
これは……ヤバい……!
「うお……っ!? 誰か、こいつらを止め――!!」
次の瞬間、アリーナ全体は眩い閃光で真っ白に染め上げられた――。
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