54 / 64
第五十四話 水蝶相搏(あいう)つ
しおりを挟む
「さて――」
ただひとり、エリナだけはその静けさに呑まれることなく、淡々と審問会を進行していく。
「彼女――証人・フリムル・ファムによって、我々は恐るべき真実と、新たな疑問を得ました」
その蒼い海を湛えた瞳が、きりり、と糾弾人席に向けられた。
「ひとつは、妖精にとって『酒』がどのような効果をもたらし、それと同時に、どれほど怖ろしい『毒』となりうるか、ということです。そして肝心なのは、証人・フリムル・ファムは、自ら望んで『酒』の虜――いいえ、『酒』の下僕と成り下がったワケではない、という点です」
エリナは糾弾人席に陣取る、エルヴァール=グッドフェローを視界に収めたまま、ゆっくりと近づいていく。エルヴァールは、ぎくり、と表情を強張らせ、それをただ見つめていた。
「さらにもうひとつ。この審問会において生まれた新たな疑問は、なぜ勇者Aを召喚したと称する妖精が『ふたりも存在しているのか』、というものであります。……ですよね、糾弾人?」
「……っ!?」
「つまり、いずれかが本物であり、いずれかが偽者だということになります」
はじめてみるエリナの表情だ。そこには明確な怒りの感情が沸々と煮えたぎるように渦巻いていた。その激しい感情の奔流は、彼女の半分がドラゴンであることの証であるように思えた。
その鬼気迫る表情にエルヴァールが怯み、目を伏せたのを合図に、エリナは元の場所へと歩み去っていく。そうしながらも、エリナは言葉をさらに重ねていった。
「我々弁護人は、その真偽を明らかにしなければなりません。……そして、それと同時に、『悪魔の呪い』であり『毒』でもある『酒』から、いずれの証人をも救い出さなければならない、ということであります。先程のフリムル・ファムによる証言――いいえ、告白をお聞きになられた皆様がたならばこそ、その理由を今ここで、敢えて繰り返す必要はない、と存じます」
エリナに賛同した傍聴席の人々の厳しい目が一斉に糾弾人席に向けられると、エルヴァールはたちまち落ち着きを失って硬直し、前を向いたまま目だけ動かしあたりの様子を窺っている。
やはりだ。
やはり、当のエルヴァール自身も、この審問会の証人として連れてきた水の妖精・ウンディーネ、マルレーネ・フォレレの証言が正しいかどうか、確証が持てなくなってしまったのだ。
「――っ」
というより、そもそもエルヴァールも騙された被害者で、一杯喰わされた口なのか。
だがそれは、どちらであろうと関係のない話だ。いくら『勇者裁判』において、糾弾する側が圧倒的に有利で、常にイージーゲームだったのだとしても、この世に絶対なんてものは何ひとつない。誰の差し金か知ったことじゃないが、鵜呑みにして調べもしなかった奴が悪いのだ。
「あ、あの――議長、少し……よろしいですか?」
「どうしたね、糾弾人、エルヴァール=グッドフェロー?」
「……恐れながら、議長。今日のこの『ルゥナの日』は、弁護人の日であるはずですが?」
「もちろんじゃとも! 弁護人、エリナ・マギア! しかしじゃな――?」
迷うことなくそうこたえながらも、ドワーフの長、グズウィン議長は困ったように眉を寄せて顎をしゃくってみせた。その先には、見る間に真っ青な顔色になったエルヴァールがいる。
「ほれ。どうにも具合が悪そうに見えるのは儂だけじゃあるまい? どうだね?」
「……自業自得かと」
「なにか言ったかね?」
「いいえ、議長陛下。なにも」
溜息のごとく短く吐き捨てたエリナのセリフは、壇上の傍聴席までは届かなかったようだ。知らんぷりで首を振るエリナを訝しそうに見つめてから、グズウィン議長は再び問いかけた。
「どうしたね、糾弾人? なにか問題でもあるのかね?」
「そ、その――問題と言いますかなんと言いますか……」
もにょもにょと実に歯切れが悪い。さすがの《黄金色の裁き》魔法律事務所を背負って立つ『若きエース』といえど、どう言い繕えばこの場をやり過ごせるのか思い浮かばないらしい。
「あの……じ、実は、ですね………………うひいっ!?」
と、突然エルヴァールが奇妙な悲鳴を上げて飛び上がった。
その視線の先には――。
「――おいよぅ。ひっく!」
がたん――ばたん!
「なんら、お前は……うぷ……あらしが五十七番目に召喚した勇者らっれ言っらはずらろー?」
「な……っ!?」
その問題の証人――ウンディーネのマルレーネ・フォレレその人が、あちらへこちらへとよろけぶつかりながら、アリーナに颯爽(?)と姿を現わしたではないか。もちろん、オークの刑務官たちも職務を放棄していたワケではない。なんとか引き留め、押さえ込もうと奮闘していたのだが、その力自慢ふたりを引きずるようにしてなおも進む。オークがまるで赤子扱いだ。
ついでに言えば、しれっと順番がふたつもズレてるんですがそれは。
が、次の瞬間、
「お前ですかー! 嘘つきのウンディーネって奴はー!」
さらに状況を混沌化させようという使命でも与えられたのか、その背後からフリムルまで現れたではないか。これには今まで冷静さを失わなかったエリナまで驚き、大慌てしていた。
「ち――ちょっとちょっと! あなたは出てこない約束で――!」
「なんらー? おめーだれらー?」
そして、ついにふたりの妖精がお互いを認識した、らしい。
フリムルは、ふん、と鼻息荒く胸を張り、高らかに名乗りを上げた。
「あーしは! この『ゆーしゃ』をこの世界に連れてきた妖精、フリムルですーっ!」
「はえー! んー? どっかで聞いたハナシらな……?」
フリムルの名乗りを耳にして、マルレーネはゆらゆらと前後に揺れを繰り返しながら、むむ、と顔を顰めて考えた――が、前回以上に酔っぱらっているようで、じき忘れてしまったらしい。
「あらしはなー? この勇者クンを連れてきたマルレーネ・フォレレらー! よろしくらー!」
「このーっ! よろしくらー、じゃないですー! お前の言ってることはデタラメですーっ!」
「デタラメ……? はえ……?」
再びシンキング・タイム突入。
しかし、やはり長くは続かなかった。
やがて、ぷっ、と噴き出したかと思うと、そのまま腹を抱え、その場で転げ回り笑い出した。
「あー! デタラメらなー、その顔ーっ! 目が鼻の下の、その上に付いてるんらないかー!」
「つっ、付いてませんよー! もー! そっちこそー、どこに目ぇーつけてるんですかーっ!」
――ごん、ごん。
「あー……静粛に」
呆れ顔のグズウィン議長がハンマーを振り下ろす。
だが、止まらない。
「あひゃひゃひゃ! デタラメな顔したちょうちょみたいなちょうちょがしゃべってるらー!」
「きー! あーしはちょうちょじゃありませんよー! このっ、のんだくれの水溜まり野郎!」
「あぁん!? 水溜まりとはなんら水溜まりとはー! あらしが水溜まりならお前は蠅らー!」
「ちょうちょならまだしもハエだなんて、むきー! お前っ、どっちがホンモノか勝負だー!」
――ごいん! ごいん!
――ごいん! ごいん!
「あー! 静粛に! 静粛にっ!! 刑務官! ただちに両名とも取り押さえるのじゃ!!」
あまりに不毛すぎる争いについにキレてしまったグズウィン議長が、叩き割らんばかりにハンマーを乱れ打ちし、すべての刑務官をこのアリーナへと残らず招集し終えたところで、ようやくこの呆れた大騒ぎは収まったのである。いやはや。
ただひとり、エリナだけはその静けさに呑まれることなく、淡々と審問会を進行していく。
「彼女――証人・フリムル・ファムによって、我々は恐るべき真実と、新たな疑問を得ました」
その蒼い海を湛えた瞳が、きりり、と糾弾人席に向けられた。
「ひとつは、妖精にとって『酒』がどのような効果をもたらし、それと同時に、どれほど怖ろしい『毒』となりうるか、ということです。そして肝心なのは、証人・フリムル・ファムは、自ら望んで『酒』の虜――いいえ、『酒』の下僕と成り下がったワケではない、という点です」
エリナは糾弾人席に陣取る、エルヴァール=グッドフェローを視界に収めたまま、ゆっくりと近づいていく。エルヴァールは、ぎくり、と表情を強張らせ、それをただ見つめていた。
「さらにもうひとつ。この審問会において生まれた新たな疑問は、なぜ勇者Aを召喚したと称する妖精が『ふたりも存在しているのか』、というものであります。……ですよね、糾弾人?」
「……っ!?」
「つまり、いずれかが本物であり、いずれかが偽者だということになります」
はじめてみるエリナの表情だ。そこには明確な怒りの感情が沸々と煮えたぎるように渦巻いていた。その激しい感情の奔流は、彼女の半分がドラゴンであることの証であるように思えた。
その鬼気迫る表情にエルヴァールが怯み、目を伏せたのを合図に、エリナは元の場所へと歩み去っていく。そうしながらも、エリナは言葉をさらに重ねていった。
「我々弁護人は、その真偽を明らかにしなければなりません。……そして、それと同時に、『悪魔の呪い』であり『毒』でもある『酒』から、いずれの証人をも救い出さなければならない、ということであります。先程のフリムル・ファムによる証言――いいえ、告白をお聞きになられた皆様がたならばこそ、その理由を今ここで、敢えて繰り返す必要はない、と存じます」
エリナに賛同した傍聴席の人々の厳しい目が一斉に糾弾人席に向けられると、エルヴァールはたちまち落ち着きを失って硬直し、前を向いたまま目だけ動かしあたりの様子を窺っている。
やはりだ。
やはり、当のエルヴァール自身も、この審問会の証人として連れてきた水の妖精・ウンディーネ、マルレーネ・フォレレの証言が正しいかどうか、確証が持てなくなってしまったのだ。
「――っ」
というより、そもそもエルヴァールも騙された被害者で、一杯喰わされた口なのか。
だがそれは、どちらであろうと関係のない話だ。いくら『勇者裁判』において、糾弾する側が圧倒的に有利で、常にイージーゲームだったのだとしても、この世に絶対なんてものは何ひとつない。誰の差し金か知ったことじゃないが、鵜呑みにして調べもしなかった奴が悪いのだ。
「あ、あの――議長、少し……よろしいですか?」
「どうしたね、糾弾人、エルヴァール=グッドフェロー?」
「……恐れながら、議長。今日のこの『ルゥナの日』は、弁護人の日であるはずですが?」
「もちろんじゃとも! 弁護人、エリナ・マギア! しかしじゃな――?」
迷うことなくそうこたえながらも、ドワーフの長、グズウィン議長は困ったように眉を寄せて顎をしゃくってみせた。その先には、見る間に真っ青な顔色になったエルヴァールがいる。
「ほれ。どうにも具合が悪そうに見えるのは儂だけじゃあるまい? どうだね?」
「……自業自得かと」
「なにか言ったかね?」
「いいえ、議長陛下。なにも」
溜息のごとく短く吐き捨てたエリナのセリフは、壇上の傍聴席までは届かなかったようだ。知らんぷりで首を振るエリナを訝しそうに見つめてから、グズウィン議長は再び問いかけた。
「どうしたね、糾弾人? なにか問題でもあるのかね?」
「そ、その――問題と言いますかなんと言いますか……」
もにょもにょと実に歯切れが悪い。さすがの《黄金色の裁き》魔法律事務所を背負って立つ『若きエース』といえど、どう言い繕えばこの場をやり過ごせるのか思い浮かばないらしい。
「あの……じ、実は、ですね………………うひいっ!?」
と、突然エルヴァールが奇妙な悲鳴を上げて飛び上がった。
その視線の先には――。
「――おいよぅ。ひっく!」
がたん――ばたん!
「なんら、お前は……うぷ……あらしが五十七番目に召喚した勇者らっれ言っらはずらろー?」
「な……っ!?」
その問題の証人――ウンディーネのマルレーネ・フォレレその人が、あちらへこちらへとよろけぶつかりながら、アリーナに颯爽(?)と姿を現わしたではないか。もちろん、オークの刑務官たちも職務を放棄していたワケではない。なんとか引き留め、押さえ込もうと奮闘していたのだが、その力自慢ふたりを引きずるようにしてなおも進む。オークがまるで赤子扱いだ。
ついでに言えば、しれっと順番がふたつもズレてるんですがそれは。
が、次の瞬間、
「お前ですかー! 嘘つきのウンディーネって奴はー!」
さらに状況を混沌化させようという使命でも与えられたのか、その背後からフリムルまで現れたではないか。これには今まで冷静さを失わなかったエリナまで驚き、大慌てしていた。
「ち――ちょっとちょっと! あなたは出てこない約束で――!」
「なんらー? おめーだれらー?」
そして、ついにふたりの妖精がお互いを認識した、らしい。
フリムルは、ふん、と鼻息荒く胸を張り、高らかに名乗りを上げた。
「あーしは! この『ゆーしゃ』をこの世界に連れてきた妖精、フリムルですーっ!」
「はえー! んー? どっかで聞いたハナシらな……?」
フリムルの名乗りを耳にして、マルレーネはゆらゆらと前後に揺れを繰り返しながら、むむ、と顔を顰めて考えた――が、前回以上に酔っぱらっているようで、じき忘れてしまったらしい。
「あらしはなー? この勇者クンを連れてきたマルレーネ・フォレレらー! よろしくらー!」
「このーっ! よろしくらー、じゃないですー! お前の言ってることはデタラメですーっ!」
「デタラメ……? はえ……?」
再びシンキング・タイム突入。
しかし、やはり長くは続かなかった。
やがて、ぷっ、と噴き出したかと思うと、そのまま腹を抱え、その場で転げ回り笑い出した。
「あー! デタラメらなー、その顔ーっ! 目が鼻の下の、その上に付いてるんらないかー!」
「つっ、付いてませんよー! もー! そっちこそー、どこに目ぇーつけてるんですかーっ!」
――ごん、ごん。
「あー……静粛に」
呆れ顔のグズウィン議長がハンマーを振り下ろす。
だが、止まらない。
「あひゃひゃひゃ! デタラメな顔したちょうちょみたいなちょうちょがしゃべってるらー!」
「きー! あーしはちょうちょじゃありませんよー! このっ、のんだくれの水溜まり野郎!」
「あぁん!? 水溜まりとはなんら水溜まりとはー! あらしが水溜まりならお前は蠅らー!」
「ちょうちょならまだしもハエだなんて、むきー! お前っ、どっちがホンモノか勝負だー!」
――ごいん! ごいん!
――ごいん! ごいん!
「あー! 静粛に! 静粛にっ!! 刑務官! ただちに両名とも取り押さえるのじゃ!!」
あまりに不毛すぎる争いについにキレてしまったグズウィン議長が、叩き割らんばかりにハンマーを乱れ打ちし、すべての刑務官をこのアリーナへと残らず招集し終えたところで、ようやくこの呆れた大騒ぎは収まったのである。いやはや。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
如月さんは なびかない。~クラスで一番の美少女に、何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる