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第五十話 招かれざる客人
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「おはようございます」
もうすっかり《咎人》である俺の出勤風景にも慣れてきた所員のみんなは、俺に挨拶を返す。
言うなれば、死刑相当の罪に問われている大罪人と、その弁護を担当する事務所の人たちの関係だ。だが、俺は俺で死刑どころか一切の罪を認めるつもりはないし、《正義の天秤》魔法律事務所のみんなもそれを勝ち取るまで戦い抜く覚悟がある。いわば『運命共同体』だ。
その代表であり船長とも言える、ひときわ大柄で、ひときわセクシーで、ひときわゴツく漢らしいオーガが俺を見つけるなりヒールを鳴らして近づいてきた。今日のスーツのコンセプトは、『ザ・できるオフィスの女ボス』って感じに違いない。
「あーら! エリナは一緒じゃないの? 勇者Aクン?」
「あ……。い、いえ、なんか調べ物があるから、って。別行動です」
「そーなの? ふーん……」
な、なんですか? と俺は空しい抵抗を試みたが、あまり効果はない様子だ。さんざん俺を舐めるように、頭のてっぺんからつま先まで観察し終えた――品定めした、ではないと思いたい――イェゴール所長は、片方の眉を跳ね上げ、できるだけ平然とこう発言する。
「あんたたち……喧嘩でもした?」
「………………なんでそうなるんですか」
「女の勘、よ」
ここで、あんた女じゃないでしょ、と言ったらミンチ確定である。
慌てて顔を出そうとするフリムルを胸ポケットの奥深く押し込めて、俺はこたえた。
「残念ですけど、それ、外れですね。何もないです――なかったですよ」
「あら、そう? なら良いんだけど」
良くないわね、って顔してるじゃん。
俺は逃げるようにそこから自分に割り当てられたオフィスへ逃げようとしたのだが、
「……あ! そうそう! 勇者Aクン宛にお客様がいらしてるわよ?」
「ツッコんだら負け、って思ったんですけど。……誰です?」
「さあ? 自分で聞いてみたら?」
素っ気なく言い放ったイェゴール所長は、上よ、と俺のオフィスを指さした。
正直言って、現在目下審問会の主役の座を独占中の俺宛に来る客なんて、不吉以外の何物でもない。恐る恐る階段を昇り、まばらにドアが閉じられた廊下を進んで、オフィスへ入ると。
「え……!? な、なんであなたがここにいるんです!?」
俺はうっかり飛び出した悲鳴を口の中へと押し戻し、慌ててドアを閉めて鍵をかけた。
そこにいたのは――。
「罪悪感から……と申し上げたら、あなたは疑うのでしょうな?」
あの、王国魔導士長、ベリストンさんだったのである。すっと腰を上げ、深々と丁寧すぎる会釈を――いや、謝罪のつもりなのかもしれない――する老人の姿に、いまさらながらに俺はこの部屋を監視する魔法の類があるかもしれない、と名前を口に出そうとしたのを堪えた。
「い、いやいやいや! あなた、なりたてほやほや勇者の俺以上に、重い罪に問われかねない身なんですよ!? それ、分かってますか!?」
「もちろん、分かってはおります、エイ・アス――」
「スススストップ! それ以上は言葉に出さないで下さい!」
俺の名前をフルネームで知っている『人間』なんて、この人と王様――いや、あのくそったれの王様はきっとほんのひと欠片も覚えてないだろう――くらいしかいない。どこで聞かれているかも分からないのだ。いくら騙した側と騙された側だとは言っても、俺の良心が咎める。
「あの……どうやってここに来たんです?」
「徒歩、ですな」
「い、いやいやいや。そうではなくて」
「分かっておりますとも。今のはボケでございます」
それはお笑いの方?
それともご高齢だから?
「審問会が開かれている、と風の噂で耳にしまして。ずっと……気に病んでおりましたから」
「な、なるほど」
「糾弾人と弁護人は審問会のお触れにも書かれております故、すぐここだと分かりましたぞ」
「な……なるほど……」
なるほどじゃないだろ、と、自分でも思う。
でも、あまりに驚きすぎて、それどころではなかったというのが本音だった。
にしても。
「あの……どうやって、戦争犯罪人の追及の目から逃れられたんですか?」
「いえ、特には」
「特には!?」
「いくら『王国お抱えの魔導士』とは言っても、所詮は有象無象の集まりですからな」
「そんなもんなんですかねぇ……。い、いやいやいや! 絶対に違う気がする!」
「実際、そんなものなのでございますよ。実は、あの後ですな――」
以下、ベリストンさんの語った話を要約しておこう。
俺がこの世界、《ラッテラ》の一大国《ヴェルターニャ王国》へと妖精・フリムル・ファムによって招かれ、唐突に発生した強制イベントで《始まりの祠》へと放り込まれたあの日。
俺の三つ先輩にあたる第五十番目に召喚された勇者、イーサン・ヤマダ・ボンドから国王、ユスス・タロッティア五世宛に、念話で緊急連絡が届いたのだそうな。
その内容とは、
『ワレ、魔王ノ討伐ニ成功セリ。直チニワレノ召喚ヲ求ム』
だったのだとか。
それを聞き届けたあの傲慢王は、ベリストンさんたち魔導士一同からの『これは罠に違いない』という全員一致の進言をあっさりと蹴り除け、ただちに勇者を帰還させるための魔法陣を組め、と命じたそうだ。
やがて返ってきたやけに精密な位置座標を示す暗号をもとに、ベリストンさんたちは魔法陣を渋々ながら構築したのだが、万が一の可能性を案じてもうひとつ、緊急退避用の魔法陣をこっそり組んでいたんだそうな。しかも、あの愚王に内緒で、である。さすがだ。
そうして発動した勇者凱旋用の魔法陣は、案の定というかやっぱりというか、魔王自ら指揮する魔王軍映え抜きの精鋭部隊をごっそり《王の間》に出現させる大惨事となった。もちろん、そのさらに先頭立っていたのは、他でもない第五十代勇者、イーサン・ヤマダ・ボンド、その人だったという。
そりゃそうだ。
どう考えたって、そんなどこかで見たような名前の勇者なんて、偽名か、最後の最後で裏切る奴か、ダブル・スパイでしかないに違いない。どこかの蝶ネクタイ小学生より分かりやすい。
そうして、長きにわたった『人間族と魔族の戦い』は、『エネミー・イズ・アット・ホンノーテンプル』的な鮮やかな裏切りによって終止符が打たれたのであった。今ここ。
「お、俺の苦労は……」
もう頭を抱えるよりなかった。
それをすぐ知らせてさえくれれば、あの暗闇に怯える日々もなかっただろうし、手に数多の血豆をこしらえることもなく、今もなお決して消えない罪悪感を抱くこともなかっただろう。
だが、疑問がある。
「あの、ベ――あなたたちは、あらかじめ準備してあった別の魔法陣を使って、無事脱出できたんですよね? でも、だったら、あの糞――失礼――あの王様は捕まったはずじゃあ……?」
「それがですな――」
ベリストン元・王国魔導士長は、この上もない悔しさを顔に浮かべつつこう続けた。
「あの王は、直近の我らすら誰ひとりとして、一切信じておらなんだのですよ。あの玉座の下に、誰もが知らぬ『秘密の抜け道』が隠されておりましたようで、さらにその先には――」
魔王の配下たちがようやく見つけ出した、人ひとりが辛うじて通れるほどの抜け道の先には古びた宝物庫があり、その中央にどうやら今しがた使用されたらしい宝玉の魔力の残滓が感知されたのだ、という。
「そう、あれはきっと――」
恐らく《転移の宝玉》でありましょう――そう語るベリストンさんは本気で悔しそうだった。
もうすっかり《咎人》である俺の出勤風景にも慣れてきた所員のみんなは、俺に挨拶を返す。
言うなれば、死刑相当の罪に問われている大罪人と、その弁護を担当する事務所の人たちの関係だ。だが、俺は俺で死刑どころか一切の罪を認めるつもりはないし、《正義の天秤》魔法律事務所のみんなもそれを勝ち取るまで戦い抜く覚悟がある。いわば『運命共同体』だ。
その代表であり船長とも言える、ひときわ大柄で、ひときわセクシーで、ひときわゴツく漢らしいオーガが俺を見つけるなりヒールを鳴らして近づいてきた。今日のスーツのコンセプトは、『ザ・できるオフィスの女ボス』って感じに違いない。
「あーら! エリナは一緒じゃないの? 勇者Aクン?」
「あ……。い、いえ、なんか調べ物があるから、って。別行動です」
「そーなの? ふーん……」
な、なんですか? と俺は空しい抵抗を試みたが、あまり効果はない様子だ。さんざん俺を舐めるように、頭のてっぺんからつま先まで観察し終えた――品定めした、ではないと思いたい――イェゴール所長は、片方の眉を跳ね上げ、できるだけ平然とこう発言する。
「あんたたち……喧嘩でもした?」
「………………なんでそうなるんですか」
「女の勘、よ」
ここで、あんた女じゃないでしょ、と言ったらミンチ確定である。
慌てて顔を出そうとするフリムルを胸ポケットの奥深く押し込めて、俺はこたえた。
「残念ですけど、それ、外れですね。何もないです――なかったですよ」
「あら、そう? なら良いんだけど」
良くないわね、って顔してるじゃん。
俺は逃げるようにそこから自分に割り当てられたオフィスへ逃げようとしたのだが、
「……あ! そうそう! 勇者Aクン宛にお客様がいらしてるわよ?」
「ツッコんだら負け、って思ったんですけど。……誰です?」
「さあ? 自分で聞いてみたら?」
素っ気なく言い放ったイェゴール所長は、上よ、と俺のオフィスを指さした。
正直言って、現在目下審問会の主役の座を独占中の俺宛に来る客なんて、不吉以外の何物でもない。恐る恐る階段を昇り、まばらにドアが閉じられた廊下を進んで、オフィスへ入ると。
「え……!? な、なんであなたがここにいるんです!?」
俺はうっかり飛び出した悲鳴を口の中へと押し戻し、慌ててドアを閉めて鍵をかけた。
そこにいたのは――。
「罪悪感から……と申し上げたら、あなたは疑うのでしょうな?」
あの、王国魔導士長、ベリストンさんだったのである。すっと腰を上げ、深々と丁寧すぎる会釈を――いや、謝罪のつもりなのかもしれない――する老人の姿に、いまさらながらに俺はこの部屋を監視する魔法の類があるかもしれない、と名前を口に出そうとしたのを堪えた。
「い、いやいやいや! あなた、なりたてほやほや勇者の俺以上に、重い罪に問われかねない身なんですよ!? それ、分かってますか!?」
「もちろん、分かってはおります、エイ・アス――」
「スススストップ! それ以上は言葉に出さないで下さい!」
俺の名前をフルネームで知っている『人間』なんて、この人と王様――いや、あのくそったれの王様はきっとほんのひと欠片も覚えてないだろう――くらいしかいない。どこで聞かれているかも分からないのだ。いくら騙した側と騙された側だとは言っても、俺の良心が咎める。
「あの……どうやってここに来たんです?」
「徒歩、ですな」
「い、いやいやいや。そうではなくて」
「分かっておりますとも。今のはボケでございます」
それはお笑いの方?
それともご高齢だから?
「審問会が開かれている、と風の噂で耳にしまして。ずっと……気に病んでおりましたから」
「な、なるほど」
「糾弾人と弁護人は審問会のお触れにも書かれております故、すぐここだと分かりましたぞ」
「な……なるほど……」
なるほどじゃないだろ、と、自分でも思う。
でも、あまりに驚きすぎて、それどころではなかったというのが本音だった。
にしても。
「あの……どうやって、戦争犯罪人の追及の目から逃れられたんですか?」
「いえ、特には」
「特には!?」
「いくら『王国お抱えの魔導士』とは言っても、所詮は有象無象の集まりですからな」
「そんなもんなんですかねぇ……。い、いやいやいや! 絶対に違う気がする!」
「実際、そんなものなのでございますよ。実は、あの後ですな――」
以下、ベリストンさんの語った話を要約しておこう。
俺がこの世界、《ラッテラ》の一大国《ヴェルターニャ王国》へと妖精・フリムル・ファムによって招かれ、唐突に発生した強制イベントで《始まりの祠》へと放り込まれたあの日。
俺の三つ先輩にあたる第五十番目に召喚された勇者、イーサン・ヤマダ・ボンドから国王、ユスス・タロッティア五世宛に、念話で緊急連絡が届いたのだそうな。
その内容とは、
『ワレ、魔王ノ討伐ニ成功セリ。直チニワレノ召喚ヲ求ム』
だったのだとか。
それを聞き届けたあの傲慢王は、ベリストンさんたち魔導士一同からの『これは罠に違いない』という全員一致の進言をあっさりと蹴り除け、ただちに勇者を帰還させるための魔法陣を組め、と命じたそうだ。
やがて返ってきたやけに精密な位置座標を示す暗号をもとに、ベリストンさんたちは魔法陣を渋々ながら構築したのだが、万が一の可能性を案じてもうひとつ、緊急退避用の魔法陣をこっそり組んでいたんだそうな。しかも、あの愚王に内緒で、である。さすがだ。
そうして発動した勇者凱旋用の魔法陣は、案の定というかやっぱりというか、魔王自ら指揮する魔王軍映え抜きの精鋭部隊をごっそり《王の間》に出現させる大惨事となった。もちろん、そのさらに先頭立っていたのは、他でもない第五十代勇者、イーサン・ヤマダ・ボンド、その人だったという。
そりゃそうだ。
どう考えたって、そんなどこかで見たような名前の勇者なんて、偽名か、最後の最後で裏切る奴か、ダブル・スパイでしかないに違いない。どこかの蝶ネクタイ小学生より分かりやすい。
そうして、長きにわたった『人間族と魔族の戦い』は、『エネミー・イズ・アット・ホンノーテンプル』的な鮮やかな裏切りによって終止符が打たれたのであった。今ここ。
「お、俺の苦労は……」
もう頭を抱えるよりなかった。
それをすぐ知らせてさえくれれば、あの暗闇に怯える日々もなかっただろうし、手に数多の血豆をこしらえることもなく、今もなお決して消えない罪悪感を抱くこともなかっただろう。
だが、疑問がある。
「あの、ベ――あなたたちは、あらかじめ準備してあった別の魔法陣を使って、無事脱出できたんですよね? でも、だったら、あの糞――失礼――あの王様は捕まったはずじゃあ……?」
「それがですな――」
ベリストン元・王国魔導士長は、この上もない悔しさを顔に浮かべつつこう続けた。
「あの王は、直近の我らすら誰ひとりとして、一切信じておらなんだのですよ。あの玉座の下に、誰もが知らぬ『秘密の抜け道』が隠されておりましたようで、さらにその先には――」
魔王の配下たちがようやく見つけ出した、人ひとりが辛うじて通れるほどの抜け道の先には古びた宝物庫があり、その中央にどうやら今しがた使用されたらしい宝玉の魔力の残滓が感知されたのだ、という。
「そう、あれはきっと――」
恐らく《転移の宝玉》でありましょう――そう語るベリストンさんは本気で悔しそうだった。
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