25 / 64
第二十五話 彼女の秘密
しおりを挟む
――こん、こん。
「そろそろよろしいでしょうか。ご退出をお願いします」
傍聴人たちも皆アリーナから退場したということで、ようやく俺たち弁護側・糾弾側の控室にも退出の許可が出たようだ。いろいろ試したいことや。整理してまとめたいことがあったものの、続きはエリナたちの魔法律事務所まで一旦戻ってからにしよう。
と――。
『妖精族に市民権を――!』
『妖精は下等動物か――?』
『真の平等を要望する!!』
審問会の会場から俺たちが出てくるや、あっという間に同じようなプラカードを持った集団に囲まれてしまった。誰もがすでに俺の失言を知っているようで、剥き出しの敵意を向けて身体をぶつけるようにして詰め寄ってくる。手は出さないようにしているところがプロっぽい。
「く……っ! 痛てて……っ!」
「や、やめてください! 押さないで!」
どの顔もバンダナやスカーフのようなカラフルな布切れで覆われてはいるものの、体格や身体的特徴を見れば大体の種族は予想がついてしまう。
「うぐ……っ! どさくさに紛れて……!」
当人たち『妖精族』の姿はほとんどと言っていいほど見られなかった。彼らの大半はヒトとは明らかに異なる外見をしているものだし、仮にしていたとしてもかなりの対格差がある。今、俺のみぞおちに肘鉄を喰らわせてきたヤツの肌の色はどうみても緑だった。くそっ。
「下がってください! 下がって! 今すぐ! 被告人に危害を加えないでください!」
エリナの必死の叫びはあっという間に連中の怒号にかき消されてしまう。共通の敵を前に高揚してきたのか、数十人はいるであろう抗議者たちはますますイキオイを増して蜜に惹かれ群がるミツバチのように俺に身体ごとぶつかってくる。必死で手枷を掲げて身を護ろうとするが、そのあまりの重さと、抗議者たちの払いのけるような動作でガードが下がってしまう。
(く……っ! ヤバいヤバい! このままじゃ殺され――!)
視界のどこかで鈍い金属の閃きが躍った次の瞬間だった。
轟っ!
「……下がれ、下種ども。それとも、今すぐ刑務官の世話になりたいのか?」
身も震え凍りつくような咆哮が響き渡り、文字どおり宙を舞うような動きで俺と抗議者たちの間に割って入ったのは――たしかこの人、ひとりだけまだ知らない『魔王』のはず――。
その『魔王』は肩で留められていた金具を外し、足元にトーガを落としてわずかに身構える。
「警告に従わないようであれば、我が王の意思に逆らう者とみなして排除する……どうする?」
青みがかった黒のトーガの下から、戦士らしい装束があらわになると、たちまち抗議者たちの足が止まった。胸の正面でX字にクロスしている銀の板金の下には、爬虫類の鱗を思わせる黒く光の加減で虹色にも見える鎧が見えた。体型は引き締まっていてまるで無駄がない。
「て……《天空の魔王》……っ」
「わ、私たちは……その者を!」
「よせ! あの方を知らんのか」
ざわ――と抗議者たちの輪に動揺が走り、圧力が失せた。ようやく息をつけるようになった俺は、エリナの助けを借りて、ようやく立ち上がることができた。そうこうするうちに抗議者たちは徐々に散り散りになってその場から去っていく。
よかった、なんとか助かった……。
「あ、あの……っ!」
まだ動悸がしている。それでも俺は、ひと言お礼を言わなければ、と声をかけた。しかし、まだ名前を知らない《天空の魔王》は振り向きもせず、最後のひとりが立ち去るまで動かない。
それから、こう告げた。
「礼なら不要。私は我が王のご意思のままに動いたまで。そして――」
隣にいるエリナの身体に緊張の震えが走るのが伝わってきた。
「私が助けたのは貴様ではない。そこにおわす姫殿下の御身を案じてのこと。誤解するな」
「姫……殿下……? エリナのことなのか?」
思わずエリナに確かめようと横を向いたものの、エリナは身を固くしてただじっと床の一点を見つめていた。イェゴール所長の様子を伺うとやはり事情は知らないらしい。驚いている。
その場から去ろうとする《天空の魔王》の後ろ姿に俺は問う。
「あなたは……一体エリナとどういう関係なんですか!? それに、姫殿下って……?」
「貴様とは無縁のこと。深入りするな。これは警告だ」
「警告? 知ろうとしたら怪我をする、って脅しですか、それは?」
「いいや――」
最後に《天空の魔王》はこう言い残した。
「そうではない。知れば死ぬことになる、という嘘偽りない真実だ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
結局俺たち三人は、さっき起こった出来事について、ひと言も言葉を交わすことなく魔法律事務所へと戻ってきた。戻るなり、所員のみなさんに出迎えられる。しかし、傍聴席にいた所員たちから状況はすでに伝わっているのだろう、皆あまり浮かない顔をしている。
「……っ」
そして、エリナは道中ずっと俯いたままで、固い表情で下唇を噛み締めていた。やはりそれは、さっきの《天空の魔王》の一件が関係しているのだろう。今はそっとしておいてやろう。
魔法律事務所に入るなり、心配そうに駆け寄ってきたのは、マッコイさんとラピスさんだ。
「あのだな、これ……。なんか余計なことを教えちまったみたいでよ……」
「本当に済まなかったわ……。まったく、この魚類があんなこと言うから!」
「それを言ったらお前もだろ! ラピス、これ!」
「ま――まあまあ……」
放っておくワケにもいかないのでふたりをやんわりと手で押し留めた。
「俺もお二人の話から、かなりセンシティブでデリケートな話題だと分かっていたのに、追い詰められて半ば賭けで口に出したんですから。仕方ないですよ。喧嘩はやめてくださいって」
しゅん、としょぼくれながらも、傍聴席に来ていたふたりは続けざまにこう言った。
「しっかし! お前! 意外とやるじゃねえか、これ! 向こうでも魔法律士やってたのか?」
「まったくですわ! すっかり驚かされてしまいましたわよ!?」
「大袈裟ですよ……別に大したことは言えてないし……」
実際『くーげるでぃべーと』で鍛えた論破力はまったくと言っていいほど活かせていない。そもそもこれはゲームではないし、文字どおり命を賭けた頭脳戦だ。
「そうか、これ? 今までの勇者なんて、どいつもこいつもこれ、ふてくされるか泣きわめくかで、まともに抗弁しようとするヤツなんていなかったからなー、それ」
「たしかにそうですわね……」
普段は糾弾人を担当するラピスさんは、何かを思い出すように天井を見上げながら続けた。
「魔法を使って逃げようとしたりとか、そこらじゅうの壺を割ったりとか……とにかくロクな勇者がいなかったのは事実ですわね。無罪を勝ち取るには弁論で勝つしかありませんのに」
「あははは……。でも、ラピスさん? その弁論で勝つしかない、というのは?」
「言葉どおりの意味ですわよ」
隣のマッコイさんも同意して、うんうん、とうなずいている。
「目の前に各種族の長、《魔王》が控えているんですのよ? 彼らはそれぞれが武を極めし者であり、ありとあらゆる術式の熟練者なのですわ。そこから力づくで逃げようとしても無理」
「ただな、これ? 彼らも馬鹿じゃないからな。理屈で納得させられたら手は出してこないんだ、これ」
「だからこそ、審問会で無罪を勝ち取るしかない、ってことですか……」
たしかに、異世界サイッコー! と浮かれ、俺TUEEE! してた勇者なら最後まで抵抗しようと考えそうだ、拳で。ありとあらゆる武技を繰り出し、天地動乱を起こす魔法の詠唱を躊躇なく実行するのだろう。
だが、目の前で対峙した今だからこそ実感できることだけれど、そんなものあの《七魔王》に通じるとは到底思えない。
あの《咎人の座》に張られていた結界魔法だって、きっと《七魔王》の誰かの手によるものだろう。そして、その実力の片鱗は、《天空の魔王》が目の前で見せてくれた。彼の放つ殺気は尋常なレベルではなかった。そばにいるだけで鳥肌が立ったくらいだ。俺に向けられてすらいないというのに。
もしかすると、今まで審問会で裁かれた勇者たちが死刑を免れられなかった理由ってそこなのかもしれない。
今日糾弾人、エルヴァール=グッドフェローがやってみせたような執拗で偏執的な尋問にひたすら耐えぬき、己の無実を根気よく主張して無罪を勝ち取る、そんなやり方ができる勇者がいなかったのかもしれなかった。
そりゃそうだ。
魔族には理屈も道理も通じないと、ずっと、ずっと思いこんでいたんだから。
「そろそろよろしいでしょうか。ご退出をお願いします」
傍聴人たちも皆アリーナから退場したということで、ようやく俺たち弁護側・糾弾側の控室にも退出の許可が出たようだ。いろいろ試したいことや。整理してまとめたいことがあったものの、続きはエリナたちの魔法律事務所まで一旦戻ってからにしよう。
と――。
『妖精族に市民権を――!』
『妖精は下等動物か――?』
『真の平等を要望する!!』
審問会の会場から俺たちが出てくるや、あっという間に同じようなプラカードを持った集団に囲まれてしまった。誰もがすでに俺の失言を知っているようで、剥き出しの敵意を向けて身体をぶつけるようにして詰め寄ってくる。手は出さないようにしているところがプロっぽい。
「く……っ! 痛てて……っ!」
「や、やめてください! 押さないで!」
どの顔もバンダナやスカーフのようなカラフルな布切れで覆われてはいるものの、体格や身体的特徴を見れば大体の種族は予想がついてしまう。
「うぐ……っ! どさくさに紛れて……!」
当人たち『妖精族』の姿はほとんどと言っていいほど見られなかった。彼らの大半はヒトとは明らかに異なる外見をしているものだし、仮にしていたとしてもかなりの対格差がある。今、俺のみぞおちに肘鉄を喰らわせてきたヤツの肌の色はどうみても緑だった。くそっ。
「下がってください! 下がって! 今すぐ! 被告人に危害を加えないでください!」
エリナの必死の叫びはあっという間に連中の怒号にかき消されてしまう。共通の敵を前に高揚してきたのか、数十人はいるであろう抗議者たちはますますイキオイを増して蜜に惹かれ群がるミツバチのように俺に身体ごとぶつかってくる。必死で手枷を掲げて身を護ろうとするが、そのあまりの重さと、抗議者たちの払いのけるような動作でガードが下がってしまう。
(く……っ! ヤバいヤバい! このままじゃ殺され――!)
視界のどこかで鈍い金属の閃きが躍った次の瞬間だった。
轟っ!
「……下がれ、下種ども。それとも、今すぐ刑務官の世話になりたいのか?」
身も震え凍りつくような咆哮が響き渡り、文字どおり宙を舞うような動きで俺と抗議者たちの間に割って入ったのは――たしかこの人、ひとりだけまだ知らない『魔王』のはず――。
その『魔王』は肩で留められていた金具を外し、足元にトーガを落としてわずかに身構える。
「警告に従わないようであれば、我が王の意思に逆らう者とみなして排除する……どうする?」
青みがかった黒のトーガの下から、戦士らしい装束があらわになると、たちまち抗議者たちの足が止まった。胸の正面でX字にクロスしている銀の板金の下には、爬虫類の鱗を思わせる黒く光の加減で虹色にも見える鎧が見えた。体型は引き締まっていてまるで無駄がない。
「て……《天空の魔王》……っ」
「わ、私たちは……その者を!」
「よせ! あの方を知らんのか」
ざわ――と抗議者たちの輪に動揺が走り、圧力が失せた。ようやく息をつけるようになった俺は、エリナの助けを借りて、ようやく立ち上がることができた。そうこうするうちに抗議者たちは徐々に散り散りになってその場から去っていく。
よかった、なんとか助かった……。
「あ、あの……っ!」
まだ動悸がしている。それでも俺は、ひと言お礼を言わなければ、と声をかけた。しかし、まだ名前を知らない《天空の魔王》は振り向きもせず、最後のひとりが立ち去るまで動かない。
それから、こう告げた。
「礼なら不要。私は我が王のご意思のままに動いたまで。そして――」
隣にいるエリナの身体に緊張の震えが走るのが伝わってきた。
「私が助けたのは貴様ではない。そこにおわす姫殿下の御身を案じてのこと。誤解するな」
「姫……殿下……? エリナのことなのか?」
思わずエリナに確かめようと横を向いたものの、エリナは身を固くしてただじっと床の一点を見つめていた。イェゴール所長の様子を伺うとやはり事情は知らないらしい。驚いている。
その場から去ろうとする《天空の魔王》の後ろ姿に俺は問う。
「あなたは……一体エリナとどういう関係なんですか!? それに、姫殿下って……?」
「貴様とは無縁のこと。深入りするな。これは警告だ」
「警告? 知ろうとしたら怪我をする、って脅しですか、それは?」
「いいや――」
最後に《天空の魔王》はこう言い残した。
「そうではない。知れば死ぬことになる、という嘘偽りない真実だ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
結局俺たち三人は、さっき起こった出来事について、ひと言も言葉を交わすことなく魔法律事務所へと戻ってきた。戻るなり、所員のみなさんに出迎えられる。しかし、傍聴席にいた所員たちから状況はすでに伝わっているのだろう、皆あまり浮かない顔をしている。
「……っ」
そして、エリナは道中ずっと俯いたままで、固い表情で下唇を噛み締めていた。やはりそれは、さっきの《天空の魔王》の一件が関係しているのだろう。今はそっとしておいてやろう。
魔法律事務所に入るなり、心配そうに駆け寄ってきたのは、マッコイさんとラピスさんだ。
「あのだな、これ……。なんか余計なことを教えちまったみたいでよ……」
「本当に済まなかったわ……。まったく、この魚類があんなこと言うから!」
「それを言ったらお前もだろ! ラピス、これ!」
「ま――まあまあ……」
放っておくワケにもいかないのでふたりをやんわりと手で押し留めた。
「俺もお二人の話から、かなりセンシティブでデリケートな話題だと分かっていたのに、追い詰められて半ば賭けで口に出したんですから。仕方ないですよ。喧嘩はやめてくださいって」
しゅん、としょぼくれながらも、傍聴席に来ていたふたりは続けざまにこう言った。
「しっかし! お前! 意外とやるじゃねえか、これ! 向こうでも魔法律士やってたのか?」
「まったくですわ! すっかり驚かされてしまいましたわよ!?」
「大袈裟ですよ……別に大したことは言えてないし……」
実際『くーげるでぃべーと』で鍛えた論破力はまったくと言っていいほど活かせていない。そもそもこれはゲームではないし、文字どおり命を賭けた頭脳戦だ。
「そうか、これ? 今までの勇者なんて、どいつもこいつもこれ、ふてくされるか泣きわめくかで、まともに抗弁しようとするヤツなんていなかったからなー、それ」
「たしかにそうですわね……」
普段は糾弾人を担当するラピスさんは、何かを思い出すように天井を見上げながら続けた。
「魔法を使って逃げようとしたりとか、そこらじゅうの壺を割ったりとか……とにかくロクな勇者がいなかったのは事実ですわね。無罪を勝ち取るには弁論で勝つしかありませんのに」
「あははは……。でも、ラピスさん? その弁論で勝つしかない、というのは?」
「言葉どおりの意味ですわよ」
隣のマッコイさんも同意して、うんうん、とうなずいている。
「目の前に各種族の長、《魔王》が控えているんですのよ? 彼らはそれぞれが武を極めし者であり、ありとあらゆる術式の熟練者なのですわ。そこから力づくで逃げようとしても無理」
「ただな、これ? 彼らも馬鹿じゃないからな。理屈で納得させられたら手は出してこないんだ、これ」
「だからこそ、審問会で無罪を勝ち取るしかない、ってことですか……」
たしかに、異世界サイッコー! と浮かれ、俺TUEEE! してた勇者なら最後まで抵抗しようと考えそうだ、拳で。ありとあらゆる武技を繰り出し、天地動乱を起こす魔法の詠唱を躊躇なく実行するのだろう。
だが、目の前で対峙した今だからこそ実感できることだけれど、そんなものあの《七魔王》に通じるとは到底思えない。
あの《咎人の座》に張られていた結界魔法だって、きっと《七魔王》の誰かの手によるものだろう。そして、その実力の片鱗は、《天空の魔王》が目の前で見せてくれた。彼の放つ殺気は尋常なレベルではなかった。そばにいるだけで鳥肌が立ったくらいだ。俺に向けられてすらいないというのに。
もしかすると、今まで審問会で裁かれた勇者たちが死刑を免れられなかった理由ってそこなのかもしれない。
今日糾弾人、エルヴァール=グッドフェローがやってみせたような執拗で偏執的な尋問にひたすら耐えぬき、己の無実を根気よく主張して無罪を勝ち取る、そんなやり方ができる勇者がいなかったのかもしれなかった。
そりゃそうだ。
魔族には理屈も道理も通じないと、ずっと、ずっと思いこんでいたんだから。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
如月さんは なびかない。~クラスで一番の美少女に、何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界のいやし〜変わらないもの〜
響野リュカ
大衆娯楽
都会の生活に疲れ果てた宇津保聰は、リフレッシュするため故郷へと戻る。しかし、彼を待っていたのは、どこか見慣れない故郷の姿だった。
違和感は、日常の些細な場面に潜んでいる。父のスマホ、新築の駅舎、見知らぬ実家…。そして、聰の記憶を大きく揺るがす、家族との再会。まるで、よく似た別の世界に迷い込んだかのようだ。
そんな中、幼馴染の三枝あか里と再会した聰は、彼女も同じように「自分の世界ではない」という感覚を抱いていることを知る。二人は力を合わせ、この世界の謎を解き明かすため、そして元の世界へ帰るため、「異世界のいやしツアー」と銘打ち、奇妙な旅に出ることに。
「変わらないもの」を求めて異世界を巡る、二人の旅。それは、失われた記憶と向き合い、自分自身を取り戻すための物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる