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第二十話 魔王
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「えっと、その前に」
「?」
「スープ、ご馳走様。美味しかった」
「そ、そう? それはよかったわね」
エリナは俺の手からいささか乱暴に木の皿とスプーンを奪い取ると、トレイの上において、ほら、と会話の続きをうながした。急ぐハナシでもないんだけど、と思いつつ続ける。
「たしか……マッコイさんが言ってたことなんだけど、今のこの世界は『共和制』で統治されてるんだよね? それって、具体的にはどういうカンジなのかなって思ってさ」
「そもそも『共和制』って言葉の意味はおわかり?」
「それは……ざっくりとはわかる。俺の世界にも似たような制度があったから」
「であれば、細かいところを補足すればよさそうね――」
エリナの弁を借りれば――。
この世界における『共和制』とは、大きくひと括りにされた『魔族』という輪の中に、さらにもう一段階細かい『種族』で組み分けを行い、その中からそれぞれの種族の『代表者』を立てて自分たちの意見を国政に反映させる仕組みであるらしい。
「なるほどね。じゃあ、次の質問、いいか――?」
俺の世界とそう大きく変わっていないことに安堵するとともに、疑問がふたつ浮かんだ。
「その『共和制』の仕組みの中で、『魔王』ってのは一体どういう立場にあたるんだ?」
「それは……『かつての魔王様』のこと? それとも、『今の魔王たち』のこと?」
「え……どういう意味だ、それ?」
「さっきの説明、途中だったでしょう?」
たしかに。
あーそれね、と、エリナの『共和制』についての説明を中断させたのが間違いだったらしい。
エリナは、こほん、と咳払いをして、さっきの続きを話しはじめた。
「それぞれの種族の『代表者』を立てるの――さっきそう話したでしょう? 新しいこの世界においては、彼らのことを『魔王』、『魔王たち』、と呼ぶのよ。それぞれの種族の中で代表者として認められているということは、それがなにかは別にして、種の中で誰よりも優れた点があるということでしょう? つまり、そうであるならその者は『魔王』にふさわしいってこと」
「なるほど……」
納得はできる。
ただ、『電脳遊戯部』に所属していた俺からすれば、いささか奇妙な感じがするのも事実だった。世に転がっているロールプレイング・ゲームにおける『魔王』とは、打倒すべき最も邪悪な存在。それが定番でありスタンダードだ。
しかしここで言う『魔王』とは、族長であり、首長であり、自分たちの意見を国政に反映させるための代弁者であるということなのだった。
「なら、さっき言っていた『かつての魔王様』っていうのも、その考え方に近いのか?」
「それは違うわ」
出し抜けにエリナの表情が昏く曇った。
「『かつての魔王様』は、人間族との永き戦いに終止符を打つべく、一切の慈悲を持たず、身を焦がすような怒り以外の感情をすべて捨て、煮えたぎる憎しみをもって魔族を率いて戦った血にまみれた狂乱の戦士。あの方がいなければきっと、今の平和はなかったでしょうね――」
「……」
気のせいか『かつての魔王様』について語るエリナの口調には、今までにないある種の『感情』がこめられているように感じた。それは何故だろう? 魔族にとって最大の功労者でもあるというのに。どこか、そのハナシそのものを避けているように感じてならなかった。
俺はその名を聞こうとして――やめた。
知ったところで、今の俺にはなんの縁もない。
「じゃ、じゃあ、別の質問したいんだけど」
「はぁ……あなた、本当に質問するのが好きなのね……。魔法律士よりタチが悪いわ」
「ま、まあまあ」
あいまいな笑みでごまかしながらも、エリナの口調がいつものトーンに戻ったことに何故か安心する俺だった。知らないことだらけが気持ち悪いのは、俺の性分なので仕方ない。
「さっきの『魔王たち』の中には、『人間族』は含まれているのか?」
「はぁ? おかしなこと聞くのね」
エリナは腰に手を当てて身を乗り出し、俺の鼻先にひとさし指をつきつける。
「あのね? 『人間族』は『魔族』に負けたのよ? それに、そもそも最初から『魔族』の中には含まれていないわ。そんな『人間族』の意見になんて耳を傾けるとでも思っているの?」
「い、いや、念のため――と思って」
ですよね。
「いるわよ。ええ、もちろん。当たり前じゃない」
「うぉういっ! さっきのダメ出しなんだったんだよ!?」
エリナはどこか、きょとん、とした顔つきで俺の反応を見つめている。なんなんだ、この子。
「何回も言っていることだけれど、今の『この世界』において、すべての種族は平等よ。もちろん『人間族』でさえも。けれど『魔族』ではないのだもの『魔王たち』にはなれないわ。その分、発言力も影響力もかなり弱い。でも、だからといって無視していいワケではないわよね」
「? ?」
ハナシの行方が見えないのは俺だけだろうか。
エリナは続けて言った。
「つまりね? 賛成派ばかりではなく、反対派が存在することそのものが重要なの。反対して、否定して、矛盾点を探し出して指摘するという存在が。それは自浄作用と言い換えてもいいわね。正義と正論だけの世界は自然と腐敗してしまう、それが『魔王様』には分かっていたのよ」
「な……なるほどね。ずいぶん詳しいんだな」
正直、エリナの語る『この世界』の在り方は、まだ高校生の俺には高度で難解すぎた。素直に受け取るだけで精いっぱいだった。消化して、自分の意見を述べるなんてとてもできない。
だが、俺の沈黙はエリナの目には別のものと映ったようだ。
「さ――さんざん聞かされてきたことだから」
むっつり口元を引き締め、テーブル代わりの丸椅子の上に視線を落とし髪をかき上げる。青白い銀糸のようなきらめく長い髪が、少し怒ったようにも見えるエリナの顔をさらさらと横切った。と、俺の視線に気づいたのか、落ち着かなげに姿勢を正すと、エリナは再び口を開いた。
「もう、いい?」
「……は?」
「は? じゃなくて。もう質問タイムはおしまい? って聞いてるの」
「あ……うん、今のところは」
まだまだ分からないことはたくさんある。
けれど、どう尋ねたらいいのか分からないというのが正直なところだった。
すると驚いたことに、エリナはこう言ったのだ。
「そ。じゃあ、今度はあたしの番ね」
「………………はい?」
「ほ、ほら、忘れたの?」
エリナは俺と目を合わせないように天井を見上げながらいくぶん早口でこう続ける。
「所長だって言ってたでしょ? あたしは、あんたのことを知らなさすぎる、って。だからよ」
「なーほーねー……ってならんだろ」
「う、うるさいっ! こ、答えなさいったら答えなさい! まず、あんたの好きな食べ物は?」
「うーん……あんまり好き嫌いはないなー」
「よしっ! じゃあ次よ! あんたの得意なことって何? あ、趣味とかでも許します!」
「特技ねえ……趣味ってのがオッケーなら、ゲームかなー。テレビ……は分かんないか。スクリーン……モニター……ダメだ、どれもここにはないだろうし。トランプ、って分かるか?」
エリナは軽く肩をすくめて首を横に振った。
たぶん、概念的に近いものならこの世界にもあるんだろうけれどな。
いやいや。
それより。
「……つーか、エリナさん?」
「なによ? と――っ」
………………呼ばないのかよ!
言い間違えて『しまった!』という顔をしたからしばらく待ってみたものの、やっぱり俺の名前は呼んでくれそうにない。あきらめた俺は、どうにも解消されない疑問を口に出した。
「あのだな? 食べ物の好みとか特技とか趣味とか聞いてくるけど、それ、役に立つ情報か? お見合いじゃないんだから……」
「お見――ば――っ!!」
エリナは真っ赤になって、わなわなと口を震わせたまま、硬直してしまった。
どうやら、お見合いだなんて! ばっかじゃないの!? と言いたいらしい。
「し――仕方ないでしょう!? あんたに何を聞いたらいいかなんて分からないんだもの!」
はぁ……こいつ、マジでコミュ障か。
「?」
「スープ、ご馳走様。美味しかった」
「そ、そう? それはよかったわね」
エリナは俺の手からいささか乱暴に木の皿とスプーンを奪い取ると、トレイの上において、ほら、と会話の続きをうながした。急ぐハナシでもないんだけど、と思いつつ続ける。
「たしか……マッコイさんが言ってたことなんだけど、今のこの世界は『共和制』で統治されてるんだよね? それって、具体的にはどういうカンジなのかなって思ってさ」
「そもそも『共和制』って言葉の意味はおわかり?」
「それは……ざっくりとはわかる。俺の世界にも似たような制度があったから」
「であれば、細かいところを補足すればよさそうね――」
エリナの弁を借りれば――。
この世界における『共和制』とは、大きくひと括りにされた『魔族』という輪の中に、さらにもう一段階細かい『種族』で組み分けを行い、その中からそれぞれの種族の『代表者』を立てて自分たちの意見を国政に反映させる仕組みであるらしい。
「なるほどね。じゃあ、次の質問、いいか――?」
俺の世界とそう大きく変わっていないことに安堵するとともに、疑問がふたつ浮かんだ。
「その『共和制』の仕組みの中で、『魔王』ってのは一体どういう立場にあたるんだ?」
「それは……『かつての魔王様』のこと? それとも、『今の魔王たち』のこと?」
「え……どういう意味だ、それ?」
「さっきの説明、途中だったでしょう?」
たしかに。
あーそれね、と、エリナの『共和制』についての説明を中断させたのが間違いだったらしい。
エリナは、こほん、と咳払いをして、さっきの続きを話しはじめた。
「それぞれの種族の『代表者』を立てるの――さっきそう話したでしょう? 新しいこの世界においては、彼らのことを『魔王』、『魔王たち』、と呼ぶのよ。それぞれの種族の中で代表者として認められているということは、それがなにかは別にして、種の中で誰よりも優れた点があるということでしょう? つまり、そうであるならその者は『魔王』にふさわしいってこと」
「なるほど……」
納得はできる。
ただ、『電脳遊戯部』に所属していた俺からすれば、いささか奇妙な感じがするのも事実だった。世に転がっているロールプレイング・ゲームにおける『魔王』とは、打倒すべき最も邪悪な存在。それが定番でありスタンダードだ。
しかしここで言う『魔王』とは、族長であり、首長であり、自分たちの意見を国政に反映させるための代弁者であるということなのだった。
「なら、さっき言っていた『かつての魔王様』っていうのも、その考え方に近いのか?」
「それは違うわ」
出し抜けにエリナの表情が昏く曇った。
「『かつての魔王様』は、人間族との永き戦いに終止符を打つべく、一切の慈悲を持たず、身を焦がすような怒り以外の感情をすべて捨て、煮えたぎる憎しみをもって魔族を率いて戦った血にまみれた狂乱の戦士。あの方がいなければきっと、今の平和はなかったでしょうね――」
「……」
気のせいか『かつての魔王様』について語るエリナの口調には、今までにないある種の『感情』がこめられているように感じた。それは何故だろう? 魔族にとって最大の功労者でもあるというのに。どこか、そのハナシそのものを避けているように感じてならなかった。
俺はその名を聞こうとして――やめた。
知ったところで、今の俺にはなんの縁もない。
「じゃ、じゃあ、別の質問したいんだけど」
「はぁ……あなた、本当に質問するのが好きなのね……。魔法律士よりタチが悪いわ」
「ま、まあまあ」
あいまいな笑みでごまかしながらも、エリナの口調がいつものトーンに戻ったことに何故か安心する俺だった。知らないことだらけが気持ち悪いのは、俺の性分なので仕方ない。
「さっきの『魔王たち』の中には、『人間族』は含まれているのか?」
「はぁ? おかしなこと聞くのね」
エリナは腰に手を当てて身を乗り出し、俺の鼻先にひとさし指をつきつける。
「あのね? 『人間族』は『魔族』に負けたのよ? それに、そもそも最初から『魔族』の中には含まれていないわ。そんな『人間族』の意見になんて耳を傾けるとでも思っているの?」
「い、いや、念のため――と思って」
ですよね。
「いるわよ。ええ、もちろん。当たり前じゃない」
「うぉういっ! さっきのダメ出しなんだったんだよ!?」
エリナはどこか、きょとん、とした顔つきで俺の反応を見つめている。なんなんだ、この子。
「何回も言っていることだけれど、今の『この世界』において、すべての種族は平等よ。もちろん『人間族』でさえも。けれど『魔族』ではないのだもの『魔王たち』にはなれないわ。その分、発言力も影響力もかなり弱い。でも、だからといって無視していいワケではないわよね」
「? ?」
ハナシの行方が見えないのは俺だけだろうか。
エリナは続けて言った。
「つまりね? 賛成派ばかりではなく、反対派が存在することそのものが重要なの。反対して、否定して、矛盾点を探し出して指摘するという存在が。それは自浄作用と言い換えてもいいわね。正義と正論だけの世界は自然と腐敗してしまう、それが『魔王様』には分かっていたのよ」
「な……なるほどね。ずいぶん詳しいんだな」
正直、エリナの語る『この世界』の在り方は、まだ高校生の俺には高度で難解すぎた。素直に受け取るだけで精いっぱいだった。消化して、自分の意見を述べるなんてとてもできない。
だが、俺の沈黙はエリナの目には別のものと映ったようだ。
「さ――さんざん聞かされてきたことだから」
むっつり口元を引き締め、テーブル代わりの丸椅子の上に視線を落とし髪をかき上げる。青白い銀糸のようなきらめく長い髪が、少し怒ったようにも見えるエリナの顔をさらさらと横切った。と、俺の視線に気づいたのか、落ち着かなげに姿勢を正すと、エリナは再び口を開いた。
「もう、いい?」
「……は?」
「は? じゃなくて。もう質問タイムはおしまい? って聞いてるの」
「あ……うん、今のところは」
まだまだ分からないことはたくさんある。
けれど、どう尋ねたらいいのか分からないというのが正直なところだった。
すると驚いたことに、エリナはこう言ったのだ。
「そ。じゃあ、今度はあたしの番ね」
「………………はい?」
「ほ、ほら、忘れたの?」
エリナは俺と目を合わせないように天井を見上げながらいくぶん早口でこう続ける。
「所長だって言ってたでしょ? あたしは、あんたのことを知らなさすぎる、って。だからよ」
「なーほーねー……ってならんだろ」
「う、うるさいっ! こ、答えなさいったら答えなさい! まず、あんたの好きな食べ物は?」
「うーん……あんまり好き嫌いはないなー」
「よしっ! じゃあ次よ! あんたの得意なことって何? あ、趣味とかでも許します!」
「特技ねえ……趣味ってのがオッケーなら、ゲームかなー。テレビ……は分かんないか。スクリーン……モニター……ダメだ、どれもここにはないだろうし。トランプ、って分かるか?」
エリナは軽く肩をすくめて首を横に振った。
たぶん、概念的に近いものならこの世界にもあるんだろうけれどな。
いやいや。
それより。
「……つーか、エリナさん?」
「なによ? と――っ」
………………呼ばないのかよ!
言い間違えて『しまった!』という顔をしたからしばらく待ってみたものの、やっぱり俺の名前は呼んでくれそうにない。あきらめた俺は、どうにも解消されない疑問を口に出した。
「あのだな? 食べ物の好みとか特技とか趣味とか聞いてくるけど、それ、役に立つ情報か? お見合いじゃないんだから……」
「お見――ば――っ!!」
エリナは真っ赤になって、わなわなと口を震わせたまま、硬直してしまった。
どうやら、お見合いだなんて! ばっかじゃないの!? と言いたいらしい。
「し――仕方ないでしょう!? あんたに何を聞いたらいいかなんて分からないんだもの!」
はぁ……こいつ、マジでコミュ障か。
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