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第三話 召喚の間
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「なあ、フリムル?」
今しがた書き上がったばかりの手描きの地図に、手にしたシャープペンをとんとんと叩きつけながら、俺はフリムルに一番肝心なことを尋ねてみることにする。
「お前が俺たちの世界に来ていたのってさ、偶然でも気まぐれでもないんだろ? 一体どういう目的で来てたんだ? 正直に言ってくれ」
「あっちの世界では、お酒が簡単に手に入りますからねー」
「そんな理由!?」
「――な訳ないじゃないですかー! あははは! ……ま、それもなくはないんですけどねー」
「なんか最後の方、ごにょごにょ聴こえたんだけど」
「意外と細かい男ですねー、お前様は」
フリムルはけらけらと笑い立てた。言葉づかいといい、突飛な行動といい、思ったことをストレートに口に出すところといい、やっぱり俺たち人間とは別種の感性を持った生き物だ。ひとしきり笑い終えて気が済んだらしいフリムルは、俺を指さすとこう告げた。
「まー、方法や経緯なんてのはどーでもいいんですよー。あーしが命じられたのは、魔族との最終決戦に備えて、新たな勇者となる異世界の住人を連れてくる、ってことなんですからねー」
「やっぱそうくるのか……」
「ん? 嬉しくないんですかー、お前様は?」
顔をしかめてこめかみを揉みしだいていると、下からフリムルが覗き込むようにして見上げてきた。その無邪気そうな笑顔にチカラなく首を振り返すと、フリムルは小首をかしげた。
「今までの連中は『異世界』と聞いたとたん、どいつもこいつも大喜びしてましたけどねー?」
「ああ。お前に言ったってわからないだろうけどな――」
今や『異世界召喚』とか『異世界転生』なんてのは、誰もが憧れるド定番なんだろうけど。
「そりゃ俺だって『ワビハン』みたいなファンタジー系のアクションRPGは嫌いじゃない。だからって、異世界に行きたいなんて一度も思ったことなんかない。今すぐ帰してくれ!」
「あー。そりゃ無理ですねー」
「はぁ!? どうしてだよ!?」
「くふー。もうお抱え魔導士連中の魔法陣が発動しちまってるからですよー。……てりゃ!」
――ぺちん!
6分の1サイズのキックを喰らった俺はよろめき、突如立ち昇った光の柱に吸い込まれた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「うわ……うわぁあああああああああああああああっ!! またかよぉおおおおおっ!!」
さっきのよりはだいぶマシな浮遊感が全身を包んだ。
そして、すぐ景色が変わる。
だが、隣にいたはずのフリムルの姿はどこにもなかった。
ようするに『ハメられた』のだ。
「って、畜生! あんのアル中妖精め!」
「――!?」
まばたきする間に切り替わった視界は、さっきまでの草原とはうってかわってうす暗く、じめじめした嫌なカンジだった。そこに、姿を現すや否や喉も裂けんばかりに呪詛の言葉を吐き散らかした俺のご登場ってワケだ。十数人ばかりずらりと居並んだ黒っぽいローブ姿の集団も、さすがに言葉もなく仰天している様子である。彼らがフリムルの言いかけていた『王国お抱えの魔導士連中』ということなのだろう。
じろり、と尖った目つきのまま睨みつけると、輪の中心からおずおずと声がかけられた。
「な、何か問題がございましたでしょうか?」
「ああ、あったよ! あったけど……どうせ、あんたたちに言ったって無駄なんだろ?」
「事と次第によりましては」
「じゃあ言うけど――」
フードを深々と被ったままの年老いた声に向けて、いくぶんトーンを下げて言ってみる。
「俺は勇者なんかやりたくない! 元の世界に返して欲しいんだ! お願いします!」
「それは……無理にございます。《異界渡り》の秘術は妖精族にしかできませぬゆえ」
「だと思ったよ。糞っ!」
石造りの塔の恐ろしく高い天井にまで、再び俺の叫びが響き渡ってうわんうわんと反響した。ここってもしかして、どこかの城の中なのだろうか。
「……左様で」
俺の心が読めたのか、さっきの年老いた魔導士が一歩踏み出し、深々と会釈をした。
「ここはヴェルターニャ最大にして最強、人間族最後の砦であるウェストン城の最奥にあります《召喚の間》にございます。このわたくしめは王国魔導士長を務めるべリストンと申す者」
礼儀には礼儀だ。仕方なく名乗り返そうと右手を差し出したものの、どうやら『握手』という慣習はこの世界にはないらしい。怪訝そうに穴の空くほど見つめられた手をこっそり戻し、俺はべリストンさんの導く方へ歩き出した。
「……名乗らなくてもこっちの名前はわかってるんだよね、べリストンさん?」
「左様で。エイ・アスマ様」
「エイ、で良いって。様とかつけられると落ち着かないからさ。……で? これから王様に会わせるって言う気なんだよね、きっと?」
「左様で。エイ様」
頑固な爺様だ。
どうせこれも聴こえてるんだろうけど。
進む一本道の通路はうす暗く、壁にいくつもかけられたかがり火だけが頼りだ。じりじりと獣脂の焼ける臭いが立ち込めている。うしろからは誰もついて来ておらず、魔導士長のべリストンさんだけがエスコート役のようだ。逃げ出そうと思えばカンタンそうに思えたものの、どのみち元の世界に戻る術がなければ逃げたところで意味はない。向こうもそれはわかっている。
フードの下から片目だけを覗かせ、ベリストンさんは意味ありげに口元を引き上げた。
「……なにかと勘がよろしいのはよいことでしょう。この先、この世界で生き抜くためにも」
「いいかげん勝手に人の心を読むのはやめてくれって。プライバシーの侵害って知ってる?」
「では、そのように」
ようやくこの辛気臭い通路も終わりのようだ。進む先にひときわ明るい四角い光が見えてきた。近づくにつれ、暗闇に慣れた目が徐々にそのまぶしさに順応しはじめると、赤い絨毯が敷き詰められた広々とした大広間の一番奥の一段高い場所に、豪奢な玉座があるのがわかった。
「王よ、我が王。妖精めが召喚せし、勇者とならんお方をお連れしましたぞ」
「おお。ご苦労であった、ベ――ベリ――魔導士長」
玉座に陣取るいかにも成金趣味の風体をした人物がもごもごと語尾を濁すと、隣のベリストンさんのフードの下からひそやかな溜息が漏れ出た。二人の関係性は友好的――とは言いがたいようだ。
そんなことは意にも介さず、玉座に構える恰幅の良い人物が横柄に右手を、くいくいっ、と動かして俺を呼びつけた。なので俺は仕方なくそれに従うことにする。
「貴様が新たな勇者候補ということだな? 名はなんという? 申せ」
「遊馬……瑛」
のっけから上からの物言いが無性に癪に障ったが、ぼそぼそと名前だけはかろうじてこたえてやった。それを聞いていたのかいないのか、じろじろとした遠慮のカケラもない視線が俺のカラダを這いまわったかと思うと、本人を目の前にしてぶつぶつとこぼし出すではないか。
「むう……若くないか? も少し、こう……何というか……。おい、どうなんだ、魔導士長?」
「おそれながら我が王――」
俺のうしろに控えていたベリストンさんは、半ばあきらめたような声音でゆっくりと応じた。
「この世界へ連れてこれるかどうかは、その者の生まれながらに持つ特性にもよりますゆえ、あまり贅沢は言えますまい。また、すべてはあの自堕落で気まぐれな妖精次第にございます」
「え、ええい! そんなことはわかっているとも! お前に言われるまでもないわ!」
人に物を尋ねておいて、その態度はさすがにないんじゃないか?
ちらりと肩越しに振り返ると、ちょうど目が合ったベリストンさんは軽く首を振りつつ肩をすくめる仕草をする。なんとなくそれだけで、目の前の王様の人物像がほぼほぼ理解できた気がしてしまった。
やれやれ……。
今しがた書き上がったばかりの手描きの地図に、手にしたシャープペンをとんとんと叩きつけながら、俺はフリムルに一番肝心なことを尋ねてみることにする。
「お前が俺たちの世界に来ていたのってさ、偶然でも気まぐれでもないんだろ? 一体どういう目的で来てたんだ? 正直に言ってくれ」
「あっちの世界では、お酒が簡単に手に入りますからねー」
「そんな理由!?」
「――な訳ないじゃないですかー! あははは! ……ま、それもなくはないんですけどねー」
「なんか最後の方、ごにょごにょ聴こえたんだけど」
「意外と細かい男ですねー、お前様は」
フリムルはけらけらと笑い立てた。言葉づかいといい、突飛な行動といい、思ったことをストレートに口に出すところといい、やっぱり俺たち人間とは別種の感性を持った生き物だ。ひとしきり笑い終えて気が済んだらしいフリムルは、俺を指さすとこう告げた。
「まー、方法や経緯なんてのはどーでもいいんですよー。あーしが命じられたのは、魔族との最終決戦に備えて、新たな勇者となる異世界の住人を連れてくる、ってことなんですからねー」
「やっぱそうくるのか……」
「ん? 嬉しくないんですかー、お前様は?」
顔をしかめてこめかみを揉みしだいていると、下からフリムルが覗き込むようにして見上げてきた。その無邪気そうな笑顔にチカラなく首を振り返すと、フリムルは小首をかしげた。
「今までの連中は『異世界』と聞いたとたん、どいつもこいつも大喜びしてましたけどねー?」
「ああ。お前に言ったってわからないだろうけどな――」
今や『異世界召喚』とか『異世界転生』なんてのは、誰もが憧れるド定番なんだろうけど。
「そりゃ俺だって『ワビハン』みたいなファンタジー系のアクションRPGは嫌いじゃない。だからって、異世界に行きたいなんて一度も思ったことなんかない。今すぐ帰してくれ!」
「あー。そりゃ無理ですねー」
「はぁ!? どうしてだよ!?」
「くふー。もうお抱え魔導士連中の魔法陣が発動しちまってるからですよー。……てりゃ!」
――ぺちん!
6分の1サイズのキックを喰らった俺はよろめき、突如立ち昇った光の柱に吸い込まれた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「うわ……うわぁあああああああああああああああっ!! またかよぉおおおおおっ!!」
さっきのよりはだいぶマシな浮遊感が全身を包んだ。
そして、すぐ景色が変わる。
だが、隣にいたはずのフリムルの姿はどこにもなかった。
ようするに『ハメられた』のだ。
「って、畜生! あんのアル中妖精め!」
「――!?」
まばたきする間に切り替わった視界は、さっきまでの草原とはうってかわってうす暗く、じめじめした嫌なカンジだった。そこに、姿を現すや否や喉も裂けんばかりに呪詛の言葉を吐き散らかした俺のご登場ってワケだ。十数人ばかりずらりと居並んだ黒っぽいローブ姿の集団も、さすがに言葉もなく仰天している様子である。彼らがフリムルの言いかけていた『王国お抱えの魔導士連中』ということなのだろう。
じろり、と尖った目つきのまま睨みつけると、輪の中心からおずおずと声がかけられた。
「な、何か問題がございましたでしょうか?」
「ああ、あったよ! あったけど……どうせ、あんたたちに言ったって無駄なんだろ?」
「事と次第によりましては」
「じゃあ言うけど――」
フードを深々と被ったままの年老いた声に向けて、いくぶんトーンを下げて言ってみる。
「俺は勇者なんかやりたくない! 元の世界に返して欲しいんだ! お願いします!」
「それは……無理にございます。《異界渡り》の秘術は妖精族にしかできませぬゆえ」
「だと思ったよ。糞っ!」
石造りの塔の恐ろしく高い天井にまで、再び俺の叫びが響き渡ってうわんうわんと反響した。ここってもしかして、どこかの城の中なのだろうか。
「……左様で」
俺の心が読めたのか、さっきの年老いた魔導士が一歩踏み出し、深々と会釈をした。
「ここはヴェルターニャ最大にして最強、人間族最後の砦であるウェストン城の最奥にあります《召喚の間》にございます。このわたくしめは王国魔導士長を務めるべリストンと申す者」
礼儀には礼儀だ。仕方なく名乗り返そうと右手を差し出したものの、どうやら『握手』という慣習はこの世界にはないらしい。怪訝そうに穴の空くほど見つめられた手をこっそり戻し、俺はべリストンさんの導く方へ歩き出した。
「……名乗らなくてもこっちの名前はわかってるんだよね、べリストンさん?」
「左様で。エイ・アスマ様」
「エイ、で良いって。様とかつけられると落ち着かないからさ。……で? これから王様に会わせるって言う気なんだよね、きっと?」
「左様で。エイ様」
頑固な爺様だ。
どうせこれも聴こえてるんだろうけど。
進む一本道の通路はうす暗く、壁にいくつもかけられたかがり火だけが頼りだ。じりじりと獣脂の焼ける臭いが立ち込めている。うしろからは誰もついて来ておらず、魔導士長のべリストンさんだけがエスコート役のようだ。逃げ出そうと思えばカンタンそうに思えたものの、どのみち元の世界に戻る術がなければ逃げたところで意味はない。向こうもそれはわかっている。
フードの下から片目だけを覗かせ、ベリストンさんは意味ありげに口元を引き上げた。
「……なにかと勘がよろしいのはよいことでしょう。この先、この世界で生き抜くためにも」
「いいかげん勝手に人の心を読むのはやめてくれって。プライバシーの侵害って知ってる?」
「では、そのように」
ようやくこの辛気臭い通路も終わりのようだ。進む先にひときわ明るい四角い光が見えてきた。近づくにつれ、暗闇に慣れた目が徐々にそのまぶしさに順応しはじめると、赤い絨毯が敷き詰められた広々とした大広間の一番奥の一段高い場所に、豪奢な玉座があるのがわかった。
「王よ、我が王。妖精めが召喚せし、勇者とならんお方をお連れしましたぞ」
「おお。ご苦労であった、ベ――ベリ――魔導士長」
玉座に陣取るいかにも成金趣味の風体をした人物がもごもごと語尾を濁すと、隣のベリストンさんのフードの下からひそやかな溜息が漏れ出た。二人の関係性は友好的――とは言いがたいようだ。
そんなことは意にも介さず、玉座に構える恰幅の良い人物が横柄に右手を、くいくいっ、と動かして俺を呼びつけた。なので俺は仕方なくそれに従うことにする。
「貴様が新たな勇者候補ということだな? 名はなんという? 申せ」
「遊馬……瑛」
のっけから上からの物言いが無性に癪に障ったが、ぼそぼそと名前だけはかろうじてこたえてやった。それを聞いていたのかいないのか、じろじろとした遠慮のカケラもない視線が俺のカラダを這いまわったかと思うと、本人を目の前にしてぶつぶつとこぼし出すではないか。
「むう……若くないか? も少し、こう……何というか……。おい、どうなんだ、魔導士長?」
「おそれながら我が王――」
俺のうしろに控えていたベリストンさんは、半ばあきらめたような声音でゆっくりと応じた。
「この世界へ連れてこれるかどうかは、その者の生まれながらに持つ特性にもよりますゆえ、あまり贅沢は言えますまい。また、すべてはあの自堕落で気まぐれな妖精次第にございます」
「え、ええい! そんなことはわかっているとも! お前に言われるまでもないわ!」
人に物を尋ねておいて、その態度はさすがにないんじゃないか?
ちらりと肩越しに振り返ると、ちょうど目が合ったベリストンさんは軽く首を振りつつ肩をすくめる仕草をする。なんとなくそれだけで、目の前の王様の人物像がほぼほぼ理解できた気がしてしまった。
やれやれ……。
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