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陰キャで魔王の娘なロリ巨乳トラップマスターが罠で勇者を発情させ過ぎて、オナニーに夢中な姿を発見され襲われ連続敗北イキして裏切り幸せ堕ちする話
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いくつもの光景を中身に映した、水色に光る大小様々な水晶玉がいくつも置かれた部屋。その部屋の中心に置かれた椅子に、ダルクネスという魔族の少女はリラックスした体勢で裸になって座っていた。
頭のあちこちで髪がぴょんぴょん跳ねた寝癖付きの紫の長い髪をしている少女は、水晶に映る悲惨な罠に映る者達を観賞しながら自慰行為を楽しんでいる。
頭には4本の猛々しい大きな角。体格は小さいが、その大きな角を見ただけで、他の魔族たちは少女を高貴な者の一人だと恐れるだろう。
その恐れは当たっている。ダルクネスは魔王の娘で、その中の三女だ。
魔王の三女、ダルクネス・ユビドラ・フォーレンゲルス。通称、トラップマスターのダルクネス。
「あは♡ アタシの罠に夢中になれよ、クソ雑魚共……♡ あー、罠にかかる連中眺めながらのオナニー気持ちいい……♡」
左手は目の前にある水晶玉を何回か触ったり、次の映像を映せと命令するよう左右に軽く振る。
右手は自分の乳輪をくるくる回るようになぞったり、くりくりとじれったく乳首をいじったり、下半身に伸ばして陰唇に優しく触れたりしている。時折、自分でもコンプレックスに考えているくらいに大きな胸を大胆に揉み、甘い吐息を漏らす。
「くっ♡ はぁぁぁ……♡ 勇者ちゃーん、勇者ちゃーん♡ 今回のダンジョンの罠はどーよ? サキュバスやリリスの力を大量に貸してもらった、アタシ特製の催淫ダンジョンのお味はさ? くっ、くくくっ、ひゃうんっ♡」
体を大きな快感でビクンと震わせる。開いた左腕を振って、水晶に今回のメインターゲットである勇者『クオン』の姿を映し出す。
そう、ここはダルクネスが作り出したダンジョンの中。ダンジョンコアというアイテムを使って山中に作り出した、モンスターを生み出す前線基地の中だ。そこを勇者を中心とした者達が攻略しに来ているというわけだ。
「あ゛っは♡ 勇者ちゃん……サキュバスの香りが充満する部屋のスイッチ踏んじゃったぁ♡ ほーれ、動いた先に装備解除磁力のトラップ! くっひゃはははぁ! 逃がさないよー……♡ その先はおちんちん扱く、女性ゴーレムのハンドトラップだ♡」
青白い水晶に、女性を象ったゴーレムにペニスを扱かれる勇者の姿が映る。その顔は焦りと快感でパニックになっており、いつもダンジョンへ真っ先に突入して攻略してくる強者の印象は無い。
それを見たダルクネスは、夢中になって水晶を操作していた左手も、自分の体をまさぐる行為に集中させる。
「うっわ……♡ クオンのけっこうデカいな……。あれアタシの中に入ったら、アタシ壊れるわ♡ ズル剥けだし、カリ首ふっと、そしてなっが……♡ ひひっ、ゴーレムの手で射精しろ♡ アタシも、同時にイこうかなぁ……♡」
左の人差し指でかりかりと乳首を引っ掻きながら、柔らかくてたぷたぷな左胸をぐにゃぐにゃと揉む。右手はもう既にとろっとろに濡れたヴァギナに当てられ、弄ぶように指の突き入れを繰り返している。
「うあー……っ♡ いく、いくー……♡ クオン、くおん♡ トラップでイっちゃう勇者クオンちゃん♡ アタシと、くひひっ、イくっ……♡ いくっ、い、くぅ……イッ――!♡」
ぷしゃあ♡ と少量の潮がダルクネスの女性器から吹き出る。ダルクネスは下品に両足をピンと伸ばし、体をのけぞらせて快感に喘ぐ。心地よいオーガズムを迎えてから、しなりと全身を脱力させて背もたれに体重を預けた。
「んはっ……♡ 勇者クオンも、同時にイった――ん?」
ダルクネスははっとして目の前の水晶を勢いよく覗き込み、大きな4本の角を避けながら紫色のぼさぼさの髪をわしゃわしゃと搔きむしった。いない、勇者クオンがその場からいなくなっている。
「やっべ、オナニーに夢中になりすぎて脱出したとこ見逃した……」
しかし、トラップマスターと呼ばれ、魔王の娘であることから胆力もあるダルクネス――無いのはコミュ力と身長くらいである――は、すぐさま水晶に映る景色を変えて他の犠牲者を映す。
あれだけ酷い目に遭い、装備も没収された勇者がこれ以上突入してくることはないだろうという予想からの行動であった。ならば一人に集中するのではなく、全体を全滅させることに切り替える。
「ざーんねんっ、クオンくんの探検はあそこで終わってしまった。……くひゃひゃ♡ おっ、こいつもなかなかいい体してる……♡」
楽しむダルクネスだが、少々がっかりとした感情を覚えていた。
勇者クオンはこれまで幾たびも彼女の作ったダンジョンを乗り越えてきた強者だ。発情しきった顔を見せた彼を直接からかいたかったのにと、残念に思った。
椅子のレバーをいじり、ダルクネスは仰向けに寝そべる体勢になる。目の前に広がるのは、いくつもの水晶と、その中で淫魔の力を含んだトラップに次々と敗北していく冒険者達。
もうダルクネスは直接トラップを操作しないでも、今回は自分の勝ちだと確信していた。もしもの緊急時に、いくつかを手動で動作させればいいだけのことだと。
だから、ダルクネスのやることは、自らの手で快楽に夢中になることだけ。自分の巨乳を揉みしだき、濡れそぼったヴァギナをいじり、体を撫でまわしてくねらせ、快感の波に溺れていくだけ。
「んっ、はっ♡ あはっ♡ 冒険者達が脱落していくー……。そうだ堕ちろ、堕ちろー、アタシのトラップで堕ちろー……♡ あっ♡ あうっ♡ はっ、はっ、はっ――♡」
両手の親指と中指で乳輪を開くように伸ばし、人差し指で乳首をつぶしたり引っ掻いたりする。それだけでダルクネスの体はかくっかくっと震えるが、物足りないようだった。
大きな胸を這って手を降ろさせ、すべすべでぺたんとしたお腹をなぞり、おへその周りをゆっくりと通り抜け、ついにまた膣口へと両手を辿り付かせる。そして、陰唇をゆっくりなぞり、右中指を暖かい内部へ突き入れた。
「おぐぉ♡ えはっ♡ あっ、ぐ、ぁあ♡」
いくつもの水晶の中に、サキュバスの幻影に夢中になって自慰行為をする者や、性感帯を振動で虐められる者、あるいは本物のサキュバスと性行為を行う者達が映る。
幾人もの快楽に歪んだ顔にダルクネスはサディズムを覚えて、また強烈なエクスタシーに達しようとしていた。
「あっ♡ イ、け♡ アタシと一緒にぃ、イけ……っ♡ あああっ、あはっ、気もちいい、オナニー気持ちいいよぉ……♡ あっ、くあっ、あ、ああああっ♡」
水晶から響いてくる音が消えたようにダルクネスは感じた。頭がわーんと唸り、痺れた脳へびりびりとした快感の波が下半身から強く押し寄せて頭を揺らす。
そして達する。ぐちゅりと指を強くヴァギナへと突き入れ、内側から外へと抉るように指の腹をぐりぐりと押し当てて、快感をさらに高める。左手はぷっくりと膨れたクリトリスをぎゅうっと摘まみ、一度に受け入れられる気持ち良さを倍増させるようにする。
「あ゛っ――おおっ♡」
白目を剥きそうな快楽の波。絶頂に悶えて、ダルクネスはまた足をピンと伸ばして、平らになった状態の椅子の上でまるでブリッジをするように体を反らす。
だが、それでも手は止めない。さらに強い快感を得るためにヴァギナへ2本指を突き入れて、クリトリスをつまんだままぐりぐりレバーのように動かすようにしたり、誰も聞くまいと絶頂の声を我慢せずに気持ちよく出す。
「お゛っ♡ へっ、へっ、へぉお゛っ♡ あおぉお゛っ♡ うぉおあっ、イグ、イっでるあいだに、イっグぅ……♡ あえぇ゛♡ イっれる゛っ♡ クオン、くおんっ♡」
自然と口から漏れ出ていた、勇者クオンの名。幾度もダンジョンを潜り抜けてきた、好敵手の名をダルクネスは口に出していた。気になるというか、一種の成立しない淡い恋心なのかもしれない。
そして絶頂の山を通り越して段々と体を弛緩させていくダルクネスは、ぽつりと呟いた。
「足りないよぉ、クオン……。あのおっきくて太いちんぽで、ズボズボとアタシを犯してよぉ……切ないよぉ……。す、す……好きだよぉ……♡ アタシ、誰からも愛されない……お父様からも……」
誰にも届かぬ呟きのはずだった。
しかし、仰向けになっているダルクネスの顔の前に、ずいっと大きなペニスが現れた。我慢汁がドロドロにあふれて垂れ、何度も射精したであろう生臭い雄の匂い。そして、ビキビキと音が出るかのような猛烈といえるそそり立ちの具合。
「あ、えぁ?」
呆気にとられたダルクネスがそのペニスの持ち主の顔を見上げる。
クオンだった。先ほど罠からいつの間にか抜け出してて、そしていつの間にか水晶の監視に映らなくなっていた勇者だった。
「クオ、ン? なんでここに――」
まさかトラップを全部潜り抜けてきたのか。
そう考えた時には、ダルクネスの小さなぷにロリな体は椅子からひょいと持ち上げられて、お姫様抱っこされていた。
いつから見られてたんだとガクガク震えながら、ダルクネスはクオンの顔を恐る恐る見る。その顔は憤怒した獅子のごとき表情で真っ赤であり、息は台風かと思うくらい荒々しく、歯はぎりぎりと食いしばられていた。
「クオ――」
ダルクネスはその名を呼ぼうとする。しかし、ぼふっと側にあったダルクネス専用引きこもりボス部屋ベッドへ投げられた。
流れていく状況に困惑していくダルクネス。ベッドに投げられた衝撃で、交尾をねだるような両手両足を開いた体勢。ぶるぶると衝撃で揺れる大きな乳房、びしょびしょに濡れた小さな割れ目。
それを見てより固く太くなるクオンの凄まじく大きなペニス。クオンのこれ以上我慢できないというような苦しむ声。
ただそのいきり立った大きな股間を眺めることしかできなかったダルクネスの両手が、片手でがちりとクロスの形で抑え込まれる。クオンがそのまま乱暴にダルクネスの上に寝そべるように伸し掛かる。
「ま、まって、そんなもの入れられたら、壊れ――」
「ダルクネスっ、我慢、できない――!」
そんなモノ入らない。絶対アタシ駄目になる。敵同士なのに。ついにクオンと。いつからオナニー見られてた? 大きすぎる。太すぎる。裂ける。人間と魔族ってどうなるの。
ダルクネスの頭の中でいろんな思いがぐるぐると回る。そして、クオンが小さな割れ目に大きすぎるペニスを当てがって、無理矢理にぶち込もうとした瞬間。
「えはっ――♡」
喜びで、ダルクネスは笑った。いろんな思いが矛盾したが、女として見られている、愛されるという喜びが外に出た。
「ダルクネスっ!!」
「んぎぃ!? うがっ!? あ゛っ、あ゛おぉぉぉお゛っ♡」
ダルクネスの狭い膣内へ、太く硬いクオンのペニスが乱暴に突き入れられた。処女膜が勢いよく破れ、破瓜を示す血が結合部から垂れる。
しかし、ダルクネスの体の負担を考えている余裕はクオンに存在しなかった。そのまま腰をばちゅんばちゅんと叩き付け、ダルクネスの小さくも卑猥な体に無理矢理に性交の快感を叩き込んでいく。
「んお゛っ♡ あうっ゛♡ あお゛っ♡ あお゛っ♡ くお、ん゛っ♡ ぢゅよいっ♡ ぢんぽ、づよすぎっ♡」
ばちばちとダルクネスの視界が光る。神経がイカレたみたいに、押さえつけられているはずの体があまりにも強すぎる快感の電気信号で跳ねる。痛みを感じたはずの腰は、もう自ら快感を求めてクオンの腰の運動に合わせるように上下している。
びゅくるびゅくると、クオンは挿入を行ったにしては早すぎる射精を行った。数々の性感の罠に遭い、ダルクネスとの性交で我慢がきかないのだ。
濁流のような白濁がダルクネスの子宮へ注ぎ込まれる。自分の体を満たしていく外部からの暖かさに、ダルクネスは身を何度もくねらせて大いに悶えた。
暖かい熱が自分の下腹部を犯していく。両手を上で押さえられ、下半身に剛直を突き入れられ、無理矢理犯されるマゾヒズム。
「んぉ゛~♡ おぉ゛っ♡ お゛~♡ はへっ、はへっ、はへぇっ……♡」
これでいったん休憩かとダルクネスは落ち着こうとする。しかし、クオンのペニスは萎えることなく、さらに再び腰を叩き付ける動きが始まる。ぎちぎちと狭い膣壁を無理矢理割って、太い肉棒がさらなる快感を求めて出入りする。
子宮の形が変わりそうなほどの衝撃と、膣が勢いよく広がったり閉じたりする強引な運動。自分ではコントロールできない快楽の波、感じたことのない強すぎる喜悦。
たまらず叫ぶような喘ぎ声を出すダルクネス。どちらが上か教え込むようなセックスに、ダルクネスは完全に敗北していた。
「んああぉお゛~っ♡ おへぇ゛っ♡ んへっ♡ あっ、おおぉお゛っ♡ あお゛ぉっ♡ んぎっ♡ おぉ゛っ♡」
言葉にならない訳の分からないよがった声を出し続けるダルクネス。同時に、腰を振っているクオンも壊れたようにダルクネスの名を呼び続けていた。
ぐちゃぐちゃになった意識の中でそれをわずかに聞き取ったダルクネスは、悦びで自身の膣を本能的にきゅっと締める。クオンはより強くなって襲い掛かる刺激的な快感に雄叫びのごとき喜悦の声を上げた。
もうお互いに夢中になっていたダルクネスとクオンは、互いの立場など忘れ合って自然と唇をむさぼり合う。クオンは背筋を丸めて、ダルクネスは顔を上に向けて背伸びをするように。苦しくてもキスを続ける、片方が離れると片方が寂しいとねだる。
「んぶぅ♡ んぶっ♡ あむちゅ♡ ちゅっ、ぢゅるるっ♡ ぶはっ♡ はむっ、じゅるるっるぅ♡」
くぐもったクオンの声が唇の触れ合った合間から漏れ出て、また射精運動が始まる。ダルクネスの小さな子宮と膣では受け止め切れないほどの精液が吐精され、結合部からぶびゅっと白濁が垂れた。
「あへぇ゛ーっ♡ はへっ、はへぇ゛ーっ……♡ くおんっ、くおんー♡」
両手を掴まれたダルクネスは、両手を解放してとせがむように体をよじる。
言葉が無くても思いは伝わった。クオンは拘束していたダルクネスの両手を離し、恋人のように両手を繋ぎ合う。そしてまた、ダルクネスの小さな体へ乱暴に腰を叩き付ける。ぱんっ、ぱんっ、ぱちゅっと水気交じりの肌がぶつかる音が響き、より激しくなっていく。
クオンの視界に、腰を打ち付ける度にばるんばるんに揺れる巨乳が映る。その様子を楽しみながら、お互いに名前を呼び合って腰を打ち付け合う。もう二人を止められるものは誰もいなかった、ここにたどり着ける者は他にいなかった。
いつまでも響く嬌声。続く射精。人間と魔族、敵同士の禁断の情交。
ダルクネスとクオンが疲れ果ててほぼ同時に気を失うまで、愛楽の行為は終わらないのだった。
そして、ベッドの上で目覚めた二人は、抱き合いながら反省会を行う。
「あー、その……やっちまった……わるかったよ……」
「べ、べつにクオンのせいじゃないし……アタシが調子乗って、淫魔の力を借りた、せいだし……」
顔を赤らめながら、ごにょごにょとした声で自分が悪かったと謝る二人。
「その、アタシは、そのぉ……気持ち良かった、し……」
目をそらしてダルクネスは呟く。その言葉にクオンの頬がかっと熱くなる。
「で、で……これからどうする? アタシはこんな失敗したら、お父様……魔王様からスパイ扱い決定だ。お前も、人間たちの間でそうなるかもしれない」
不安げな目でダルクネスはクオンを見た。魔王の三女といえど、ダルクネスの扱いは悪い。魔力も体力も少なく、罠という姑息な手段しか使えない彼女は、魔族として落ちこぼれ扱いだったのだ。
だから、ダルクネスがいなくなろうと悲しむ魔族は少ないだろう。もしかすると、父親である魔王も悲しまないのかもしれない。
だが、クオンはそっとダルクネスに唇を重ね、しっかりと宣言した。
「俺の所に来いよ、ダルクネス。今までしてきたことはチャラにはならない。でも、こうなった以上、俺は責任を取る。絶対に俺が君を守るよ。どうにか人々も説得してみせる」
「ハハッ……なんだそのセリフ、くっさ……♡」
真っすぐな瞳と真っすぐな言葉。散々わからせられた上に、立場も失いかけているダルクネスにこれは効いた。
そして、ダルクネスは自分からクオンに口づけを交わした。
「なぁクオン……もう一回、しよ……♡」
そして数か月後。暗雲に包まれ、雷鳴鳴り響く魔王の根城の一角にて。
「なぜだ! なぜそこにいる! ダルクネス!」
ローブに身を包んだ魔王は、いつの間にか自らの根城に設置されていた大量の罠にかかり疲労していた。膝には毒の杭を打ち込まれ、呪文封じの魔法陣にかかり、身体の動きを遅くする呪いのアイテムまで強制的に装備され、床に這いつくばっていた。
ほとんどがダルクネスの罠による負傷だ。ダルクネスはまだ繋がっていた部下へ、城に罠を張り巡らせるように命令していたのだ。
魔王前に立つのは、1組の男女。勇者クオンと、自分の娘であるはずの三女ダルクネスだった。
聖剣を構えた人々の希望である勇者の隣で、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて佇むロリ巨乳の魔族。魔王にとってあり得ない組み合わせであった。
「ははっ、悪いなお父様。今までアタシを散々に扱ったアンタが悪い。アタシはアタシを愛してくれたクオンにつく。あー……わりぃ、コミュ障なもんでこの先の言葉が思い浮かばないや」
「まっ、待て! 今ここで勇者を討て! そうすれば、お前の扱いも――」
「そいつはできないな。……なぁ、クオン。んっ」
動けない魔王を尻目にダルクネスは隣に立つクオンの方を向き、顔を上向きにしてそっと目を閉じる。クオンは苦笑した後、彼女の頬に手を添えて口づけをした。
「と、いうわけでだ。死をもって祝福してくれお父様。アタシは勇者の恋人として、魔王様の娘として、人間と魔族がこれから手を取り合えるように頑張るよ」
ダルクネスは右手を掲げ、指パッチンする姿勢を取る。
「さぁ、今までアタシを殴りつけたり一人ぼっちにしてきた報いを受ける準備はできたか……? クオンや人々を苦しめたごめんなさいは? 平和を望む魔族まで戦いに駆り立てたごめんなさいは?」
「まっ、待て!」
ダルクネスが指を鳴らす。魔王の体へあちこちから飛んできたいくつもの凶器が突き刺さる。いくつかの槍や剣が、臓器や心臓を貫いた。
完全に息絶えた魔王。その死を見届けた二人は、幸せそうに身を寄せ合った。
なお、平和になった世で、ダルクネスは時折いたずらで催淫ダンジョンを作り、クオンが激しいお仕置きに来るのを待ち構えるようになることもあったという。
もちろん、ダルクネスは組み伏せられて大きな喘ぎ声をあげるのだった。
頭のあちこちで髪がぴょんぴょん跳ねた寝癖付きの紫の長い髪をしている少女は、水晶に映る悲惨な罠に映る者達を観賞しながら自慰行為を楽しんでいる。
頭には4本の猛々しい大きな角。体格は小さいが、その大きな角を見ただけで、他の魔族たちは少女を高貴な者の一人だと恐れるだろう。
その恐れは当たっている。ダルクネスは魔王の娘で、その中の三女だ。
魔王の三女、ダルクネス・ユビドラ・フォーレンゲルス。通称、トラップマスターのダルクネス。
「あは♡ アタシの罠に夢中になれよ、クソ雑魚共……♡ あー、罠にかかる連中眺めながらのオナニー気持ちいい……♡」
左手は目の前にある水晶玉を何回か触ったり、次の映像を映せと命令するよう左右に軽く振る。
右手は自分の乳輪をくるくる回るようになぞったり、くりくりとじれったく乳首をいじったり、下半身に伸ばして陰唇に優しく触れたりしている。時折、自分でもコンプレックスに考えているくらいに大きな胸を大胆に揉み、甘い吐息を漏らす。
「くっ♡ はぁぁぁ……♡ 勇者ちゃーん、勇者ちゃーん♡ 今回のダンジョンの罠はどーよ? サキュバスやリリスの力を大量に貸してもらった、アタシ特製の催淫ダンジョンのお味はさ? くっ、くくくっ、ひゃうんっ♡」
体を大きな快感でビクンと震わせる。開いた左腕を振って、水晶に今回のメインターゲットである勇者『クオン』の姿を映し出す。
そう、ここはダルクネスが作り出したダンジョンの中。ダンジョンコアというアイテムを使って山中に作り出した、モンスターを生み出す前線基地の中だ。そこを勇者を中心とした者達が攻略しに来ているというわけだ。
「あ゛っは♡ 勇者ちゃん……サキュバスの香りが充満する部屋のスイッチ踏んじゃったぁ♡ ほーれ、動いた先に装備解除磁力のトラップ! くっひゃはははぁ! 逃がさないよー……♡ その先はおちんちん扱く、女性ゴーレムのハンドトラップだ♡」
青白い水晶に、女性を象ったゴーレムにペニスを扱かれる勇者の姿が映る。その顔は焦りと快感でパニックになっており、いつもダンジョンへ真っ先に突入して攻略してくる強者の印象は無い。
それを見たダルクネスは、夢中になって水晶を操作していた左手も、自分の体をまさぐる行為に集中させる。
「うっわ……♡ クオンのけっこうデカいな……。あれアタシの中に入ったら、アタシ壊れるわ♡ ズル剥けだし、カリ首ふっと、そしてなっが……♡ ひひっ、ゴーレムの手で射精しろ♡ アタシも、同時にイこうかなぁ……♡」
左の人差し指でかりかりと乳首を引っ掻きながら、柔らかくてたぷたぷな左胸をぐにゃぐにゃと揉む。右手はもう既にとろっとろに濡れたヴァギナに当てられ、弄ぶように指の突き入れを繰り返している。
「うあー……っ♡ いく、いくー……♡ クオン、くおん♡ トラップでイっちゃう勇者クオンちゃん♡ アタシと、くひひっ、イくっ……♡ いくっ、い、くぅ……イッ――!♡」
ぷしゃあ♡ と少量の潮がダルクネスの女性器から吹き出る。ダルクネスは下品に両足をピンと伸ばし、体をのけぞらせて快感に喘ぐ。心地よいオーガズムを迎えてから、しなりと全身を脱力させて背もたれに体重を預けた。
「んはっ……♡ 勇者クオンも、同時にイった――ん?」
ダルクネスははっとして目の前の水晶を勢いよく覗き込み、大きな4本の角を避けながら紫色のぼさぼさの髪をわしゃわしゃと搔きむしった。いない、勇者クオンがその場からいなくなっている。
「やっべ、オナニーに夢中になりすぎて脱出したとこ見逃した……」
しかし、トラップマスターと呼ばれ、魔王の娘であることから胆力もあるダルクネス――無いのはコミュ力と身長くらいである――は、すぐさま水晶に映る景色を変えて他の犠牲者を映す。
あれだけ酷い目に遭い、装備も没収された勇者がこれ以上突入してくることはないだろうという予想からの行動であった。ならば一人に集中するのではなく、全体を全滅させることに切り替える。
「ざーんねんっ、クオンくんの探検はあそこで終わってしまった。……くひゃひゃ♡ おっ、こいつもなかなかいい体してる……♡」
楽しむダルクネスだが、少々がっかりとした感情を覚えていた。
勇者クオンはこれまで幾たびも彼女の作ったダンジョンを乗り越えてきた強者だ。発情しきった顔を見せた彼を直接からかいたかったのにと、残念に思った。
椅子のレバーをいじり、ダルクネスは仰向けに寝そべる体勢になる。目の前に広がるのは、いくつもの水晶と、その中で淫魔の力を含んだトラップに次々と敗北していく冒険者達。
もうダルクネスは直接トラップを操作しないでも、今回は自分の勝ちだと確信していた。もしもの緊急時に、いくつかを手動で動作させればいいだけのことだと。
だから、ダルクネスのやることは、自らの手で快楽に夢中になることだけ。自分の巨乳を揉みしだき、濡れそぼったヴァギナをいじり、体を撫でまわしてくねらせ、快感の波に溺れていくだけ。
「んっ、はっ♡ あはっ♡ 冒険者達が脱落していくー……。そうだ堕ちろ、堕ちろー、アタシのトラップで堕ちろー……♡ あっ♡ あうっ♡ はっ、はっ、はっ――♡」
両手の親指と中指で乳輪を開くように伸ばし、人差し指で乳首をつぶしたり引っ掻いたりする。それだけでダルクネスの体はかくっかくっと震えるが、物足りないようだった。
大きな胸を這って手を降ろさせ、すべすべでぺたんとしたお腹をなぞり、おへその周りをゆっくりと通り抜け、ついにまた膣口へと両手を辿り付かせる。そして、陰唇をゆっくりなぞり、右中指を暖かい内部へ突き入れた。
「おぐぉ♡ えはっ♡ あっ、ぐ、ぁあ♡」
いくつもの水晶の中に、サキュバスの幻影に夢中になって自慰行為をする者や、性感帯を振動で虐められる者、あるいは本物のサキュバスと性行為を行う者達が映る。
幾人もの快楽に歪んだ顔にダルクネスはサディズムを覚えて、また強烈なエクスタシーに達しようとしていた。
「あっ♡ イ、け♡ アタシと一緒にぃ、イけ……っ♡ あああっ、あはっ、気もちいい、オナニー気持ちいいよぉ……♡ あっ、くあっ、あ、ああああっ♡」
水晶から響いてくる音が消えたようにダルクネスは感じた。頭がわーんと唸り、痺れた脳へびりびりとした快感の波が下半身から強く押し寄せて頭を揺らす。
そして達する。ぐちゅりと指を強くヴァギナへと突き入れ、内側から外へと抉るように指の腹をぐりぐりと押し当てて、快感をさらに高める。左手はぷっくりと膨れたクリトリスをぎゅうっと摘まみ、一度に受け入れられる気持ち良さを倍増させるようにする。
「あ゛っ――おおっ♡」
白目を剥きそうな快楽の波。絶頂に悶えて、ダルクネスはまた足をピンと伸ばして、平らになった状態の椅子の上でまるでブリッジをするように体を反らす。
だが、それでも手は止めない。さらに強い快感を得るためにヴァギナへ2本指を突き入れて、クリトリスをつまんだままぐりぐりレバーのように動かすようにしたり、誰も聞くまいと絶頂の声を我慢せずに気持ちよく出す。
「お゛っ♡ へっ、へっ、へぉお゛っ♡ あおぉお゛っ♡ うぉおあっ、イグ、イっでるあいだに、イっグぅ……♡ あえぇ゛♡ イっれる゛っ♡ クオン、くおんっ♡」
自然と口から漏れ出ていた、勇者クオンの名。幾度もダンジョンを潜り抜けてきた、好敵手の名をダルクネスは口に出していた。気になるというか、一種の成立しない淡い恋心なのかもしれない。
そして絶頂の山を通り越して段々と体を弛緩させていくダルクネスは、ぽつりと呟いた。
「足りないよぉ、クオン……。あのおっきくて太いちんぽで、ズボズボとアタシを犯してよぉ……切ないよぉ……。す、す……好きだよぉ……♡ アタシ、誰からも愛されない……お父様からも……」
誰にも届かぬ呟きのはずだった。
しかし、仰向けになっているダルクネスの顔の前に、ずいっと大きなペニスが現れた。我慢汁がドロドロにあふれて垂れ、何度も射精したであろう生臭い雄の匂い。そして、ビキビキと音が出るかのような猛烈といえるそそり立ちの具合。
「あ、えぁ?」
呆気にとられたダルクネスがそのペニスの持ち主の顔を見上げる。
クオンだった。先ほど罠からいつの間にか抜け出してて、そしていつの間にか水晶の監視に映らなくなっていた勇者だった。
「クオ、ン? なんでここに――」
まさかトラップを全部潜り抜けてきたのか。
そう考えた時には、ダルクネスの小さなぷにロリな体は椅子からひょいと持ち上げられて、お姫様抱っこされていた。
いつから見られてたんだとガクガク震えながら、ダルクネスはクオンの顔を恐る恐る見る。その顔は憤怒した獅子のごとき表情で真っ赤であり、息は台風かと思うくらい荒々しく、歯はぎりぎりと食いしばられていた。
「クオ――」
ダルクネスはその名を呼ぼうとする。しかし、ぼふっと側にあったダルクネス専用引きこもりボス部屋ベッドへ投げられた。
流れていく状況に困惑していくダルクネス。ベッドに投げられた衝撃で、交尾をねだるような両手両足を開いた体勢。ぶるぶると衝撃で揺れる大きな乳房、びしょびしょに濡れた小さな割れ目。
それを見てより固く太くなるクオンの凄まじく大きなペニス。クオンのこれ以上我慢できないというような苦しむ声。
ただそのいきり立った大きな股間を眺めることしかできなかったダルクネスの両手が、片手でがちりとクロスの形で抑え込まれる。クオンがそのまま乱暴にダルクネスの上に寝そべるように伸し掛かる。
「ま、まって、そんなもの入れられたら、壊れ――」
「ダルクネスっ、我慢、できない――!」
そんなモノ入らない。絶対アタシ駄目になる。敵同士なのに。ついにクオンと。いつからオナニー見られてた? 大きすぎる。太すぎる。裂ける。人間と魔族ってどうなるの。
ダルクネスの頭の中でいろんな思いがぐるぐると回る。そして、クオンが小さな割れ目に大きすぎるペニスを当てがって、無理矢理にぶち込もうとした瞬間。
「えはっ――♡」
喜びで、ダルクネスは笑った。いろんな思いが矛盾したが、女として見られている、愛されるという喜びが外に出た。
「ダルクネスっ!!」
「んぎぃ!? うがっ!? あ゛っ、あ゛おぉぉぉお゛っ♡」
ダルクネスの狭い膣内へ、太く硬いクオンのペニスが乱暴に突き入れられた。処女膜が勢いよく破れ、破瓜を示す血が結合部から垂れる。
しかし、ダルクネスの体の負担を考えている余裕はクオンに存在しなかった。そのまま腰をばちゅんばちゅんと叩き付け、ダルクネスの小さくも卑猥な体に無理矢理に性交の快感を叩き込んでいく。
「んお゛っ♡ あうっ゛♡ あお゛っ♡ あお゛っ♡ くお、ん゛っ♡ ぢゅよいっ♡ ぢんぽ、づよすぎっ♡」
ばちばちとダルクネスの視界が光る。神経がイカレたみたいに、押さえつけられているはずの体があまりにも強すぎる快感の電気信号で跳ねる。痛みを感じたはずの腰は、もう自ら快感を求めてクオンの腰の運動に合わせるように上下している。
びゅくるびゅくると、クオンは挿入を行ったにしては早すぎる射精を行った。数々の性感の罠に遭い、ダルクネスとの性交で我慢がきかないのだ。
濁流のような白濁がダルクネスの子宮へ注ぎ込まれる。自分の体を満たしていく外部からの暖かさに、ダルクネスは身を何度もくねらせて大いに悶えた。
暖かい熱が自分の下腹部を犯していく。両手を上で押さえられ、下半身に剛直を突き入れられ、無理矢理犯されるマゾヒズム。
「んぉ゛~♡ おぉ゛っ♡ お゛~♡ はへっ、はへっ、はへぇっ……♡」
これでいったん休憩かとダルクネスは落ち着こうとする。しかし、クオンのペニスは萎えることなく、さらに再び腰を叩き付ける動きが始まる。ぎちぎちと狭い膣壁を無理矢理割って、太い肉棒がさらなる快感を求めて出入りする。
子宮の形が変わりそうなほどの衝撃と、膣が勢いよく広がったり閉じたりする強引な運動。自分ではコントロールできない快楽の波、感じたことのない強すぎる喜悦。
たまらず叫ぶような喘ぎ声を出すダルクネス。どちらが上か教え込むようなセックスに、ダルクネスは完全に敗北していた。
「んああぉお゛~っ♡ おへぇ゛っ♡ んへっ♡ あっ、おおぉお゛っ♡ あお゛ぉっ♡ んぎっ♡ おぉ゛っ♡」
言葉にならない訳の分からないよがった声を出し続けるダルクネス。同時に、腰を振っているクオンも壊れたようにダルクネスの名を呼び続けていた。
ぐちゃぐちゃになった意識の中でそれをわずかに聞き取ったダルクネスは、悦びで自身の膣を本能的にきゅっと締める。クオンはより強くなって襲い掛かる刺激的な快感に雄叫びのごとき喜悦の声を上げた。
もうお互いに夢中になっていたダルクネスとクオンは、互いの立場など忘れ合って自然と唇をむさぼり合う。クオンは背筋を丸めて、ダルクネスは顔を上に向けて背伸びをするように。苦しくてもキスを続ける、片方が離れると片方が寂しいとねだる。
「んぶぅ♡ んぶっ♡ あむちゅ♡ ちゅっ、ぢゅるるっ♡ ぶはっ♡ はむっ、じゅるるっるぅ♡」
くぐもったクオンの声が唇の触れ合った合間から漏れ出て、また射精運動が始まる。ダルクネスの小さな子宮と膣では受け止め切れないほどの精液が吐精され、結合部からぶびゅっと白濁が垂れた。
「あへぇ゛ーっ♡ はへっ、はへぇ゛ーっ……♡ くおんっ、くおんー♡」
両手を掴まれたダルクネスは、両手を解放してとせがむように体をよじる。
言葉が無くても思いは伝わった。クオンは拘束していたダルクネスの両手を離し、恋人のように両手を繋ぎ合う。そしてまた、ダルクネスの小さな体へ乱暴に腰を叩き付ける。ぱんっ、ぱんっ、ぱちゅっと水気交じりの肌がぶつかる音が響き、より激しくなっていく。
クオンの視界に、腰を打ち付ける度にばるんばるんに揺れる巨乳が映る。その様子を楽しみながら、お互いに名前を呼び合って腰を打ち付け合う。もう二人を止められるものは誰もいなかった、ここにたどり着ける者は他にいなかった。
いつまでも響く嬌声。続く射精。人間と魔族、敵同士の禁断の情交。
ダルクネスとクオンが疲れ果ててほぼ同時に気を失うまで、愛楽の行為は終わらないのだった。
そして、ベッドの上で目覚めた二人は、抱き合いながら反省会を行う。
「あー、その……やっちまった……わるかったよ……」
「べ、べつにクオンのせいじゃないし……アタシが調子乗って、淫魔の力を借りた、せいだし……」
顔を赤らめながら、ごにょごにょとした声で自分が悪かったと謝る二人。
「その、アタシは、そのぉ……気持ち良かった、し……」
目をそらしてダルクネスは呟く。その言葉にクオンの頬がかっと熱くなる。
「で、で……これからどうする? アタシはこんな失敗したら、お父様……魔王様からスパイ扱い決定だ。お前も、人間たちの間でそうなるかもしれない」
不安げな目でダルクネスはクオンを見た。魔王の三女といえど、ダルクネスの扱いは悪い。魔力も体力も少なく、罠という姑息な手段しか使えない彼女は、魔族として落ちこぼれ扱いだったのだ。
だから、ダルクネスがいなくなろうと悲しむ魔族は少ないだろう。もしかすると、父親である魔王も悲しまないのかもしれない。
だが、クオンはそっとダルクネスに唇を重ね、しっかりと宣言した。
「俺の所に来いよ、ダルクネス。今までしてきたことはチャラにはならない。でも、こうなった以上、俺は責任を取る。絶対に俺が君を守るよ。どうにか人々も説得してみせる」
「ハハッ……なんだそのセリフ、くっさ……♡」
真っすぐな瞳と真っすぐな言葉。散々わからせられた上に、立場も失いかけているダルクネスにこれは効いた。
そして、ダルクネスは自分からクオンに口づけを交わした。
「なぁクオン……もう一回、しよ……♡」
そして数か月後。暗雲に包まれ、雷鳴鳴り響く魔王の根城の一角にて。
「なぜだ! なぜそこにいる! ダルクネス!」
ローブに身を包んだ魔王は、いつの間にか自らの根城に設置されていた大量の罠にかかり疲労していた。膝には毒の杭を打ち込まれ、呪文封じの魔法陣にかかり、身体の動きを遅くする呪いのアイテムまで強制的に装備され、床に這いつくばっていた。
ほとんどがダルクネスの罠による負傷だ。ダルクネスはまだ繋がっていた部下へ、城に罠を張り巡らせるように命令していたのだ。
魔王前に立つのは、1組の男女。勇者クオンと、自分の娘であるはずの三女ダルクネスだった。
聖剣を構えた人々の希望である勇者の隣で、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて佇むロリ巨乳の魔族。魔王にとってあり得ない組み合わせであった。
「ははっ、悪いなお父様。今までアタシを散々に扱ったアンタが悪い。アタシはアタシを愛してくれたクオンにつく。あー……わりぃ、コミュ障なもんでこの先の言葉が思い浮かばないや」
「まっ、待て! 今ここで勇者を討て! そうすれば、お前の扱いも――」
「そいつはできないな。……なぁ、クオン。んっ」
動けない魔王を尻目にダルクネスは隣に立つクオンの方を向き、顔を上向きにしてそっと目を閉じる。クオンは苦笑した後、彼女の頬に手を添えて口づけをした。
「と、いうわけでだ。死をもって祝福してくれお父様。アタシは勇者の恋人として、魔王様の娘として、人間と魔族がこれから手を取り合えるように頑張るよ」
ダルクネスは右手を掲げ、指パッチンする姿勢を取る。
「さぁ、今までアタシを殴りつけたり一人ぼっちにしてきた報いを受ける準備はできたか……? クオンや人々を苦しめたごめんなさいは? 平和を望む魔族まで戦いに駆り立てたごめんなさいは?」
「まっ、待て!」
ダルクネスが指を鳴らす。魔王の体へあちこちから飛んできたいくつもの凶器が突き刺さる。いくつかの槍や剣が、臓器や心臓を貫いた。
完全に息絶えた魔王。その死を見届けた二人は、幸せそうに身を寄せ合った。
なお、平和になった世で、ダルクネスは時折いたずらで催淫ダンジョンを作り、クオンが激しいお仕置きに来るのを待ち構えるようになることもあったという。
もちろん、ダルクネスは組み伏せられて大きな喘ぎ声をあげるのだった。
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