神雧 - KAMIATSUME -
神の名を記せば、世界は固定される。記さなければ、神は消える。
霧原町で育った少年・こよいは、鈴と帳面を携え、夜ごと濃くなる霧の中で「噂」と「揺れる地名」を拾い集めていた。地図の線はほどけ、駅名は旧字や偽名へ変わり、忘れられた祠から神々の気配が失われていく。
こよいに託された役目は、行き場をなくした神を集め、然るべき場所へ届ける「集め手」。だが、名を帳面に記すことは世界を救う一方、その土地の在り方を永遠に固定してしまう。
記録者しおり、研究者八重、霧列車の車掌朔也。境界で出会う者たちと旅を重ねる中、こよいは「残すこと」と「忘れること」の狭間で選択を迫られる。
これは、失われる神々の名を拾い、日本の輪郭を旅する和風幻想譚。
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