24 / 35
第2章 第1回エリアイベント編
第9話 黒鬼
しおりを挟む
「トーマ。いた。」
何処か少し空気がピリついたような気がする。
それが報告を受けての緊張感なのか、待ち受けている存在の威圧感なのかは分からなかった。
「奇襲はだめ。」
「危険か?」
「ん。あれはまずい。」
ウカがそこまで言うならそうなのだろう。少ないやり取りながらやばさが伝わってくる。確実にレベル帯にそぐわない格上、 難易度の高いクエストだ。
「…正面から行こう。基本はいつもの陣形、ただハルはいつもよりもう少し深めに距離を取って欲しい。」
「…分かりましたっ。」
「よし。行こうか。緊張せず、楽しく、な?笑」
「はいっ。」
「ん。了解。」
イレギュラーをなくすために正面から対面する。
ウカが示した方向に少し行く、森が少し開けたところに奴はいた。
一言でいえば、異質。
平均的なゴブリンと比較すると一回り大きな体躯。影のような、どこか吸い込まれそうなくらいの闇を持ち合わせた黒い肌。ギラつく鋭い牙と爪。その手に鈍く煌めく五〇センチ強の刃渡の切れ味の悪そうなナタ。こちらをしっかりとその目に捉える双子の眼。
周囲に取り巻きはおらず、孤高の存在。
ゴブリンの上位存在と言われてもなんら違和感のない、他とは違うと雄弁に語っているような風貌であった。
俺とハルは正面から進む。
当然敵には視認され、警戒を与えたかに思えた。いや、思いたかったのかもしれない。
「グギャギャ…」
「なんだ…結局偽情h「ニングン…カ…」
…!
たどたどしくはあるが確かに意思のあるような発言をした。間違いない、相手はネームドクラス。
「総員警戒!」
ウカは既に背後を取っていることだろう。まずはひと当て、どう対応されても良いように深く切り込まず居合の構えで接近する。
またウカもこちらの邪魔にならないような角度から攻撃を仕掛けようとしているのを視界に捉えることができた。
少なくともどちらかの攻撃は当たるだろう。
普通のゴブリンだったならば。
「は…?」
赤い液体が頬を伝う。
目の前の影はニヤリとこちらを見つめていた。
「ハル!引いて!」
左腕から血を流すウカが似合わない声で叫ぶ。
「え、え…?」
ハルが戸惑うのも無理はない。
「ハルは私と後方! 全力支援! 」
ウカが叫ぶと同時、俺は前に出る。
後ろに向かわせては行けない。相手は俺だ。
問題は正体不明の攻撃。
目に捉えることはできず、殆ど直感で動いていた。頬に掠っただけで済んだのは運によるものが大きいだろう。ウカだって素人じゃない、左手に浅くない一撃をもらっている以上警戒レベルを上げる必要があった。
「ハル! 敵の動きがわからない! 状況が見えるまで近づかないでくれ!」
「分かりました!気をつけてくださいね!」
ハルの気配が遠くなる。混乱してる中動けるなどなかなか出来ることではない、現状とても助かる判断力だ。
思考を目の前の異質へ向ける。俺が集中する相手は目の前のこいつだけ。………よし。
攻撃手段がわからない以上不用意な接敵は愚直、かといってハルに遠距離を頼むのもヘイトが散らばってしまう。取れる行動を考える。
後衛へとヘイトを向けないために攻撃せんとする姿勢は崩さない。抜刀状態を崩さず隙あらばお前の喉を叩き切るぞと言わんばかりの殺気を向け続ける。
カチャ…
腰に刺してある鞘が音を立てる。
!!!
直感が体を反らせと警鐘を鳴らす。
それに背いて良かった事などなかった俺は疑う事なく直感のままに体を動かした。
左の二の腕が熱を待つ。
どうやらまた不可視の攻撃を受けたようだ。
隙を見せないように思考を巡らせる。考えろ、考えろ。
自分の長所が目である事はかなり前から自覚している。視覚から得られる情報を脳内で整理し続ける。考える。考える。
わざわざナタを持っているのだ、メインの攻撃手段は近接だろう。であるにも関わらず被弾したのは俺とウカの2人。
全く別方向から攻撃しているにも関わらずほとんど同タイミングで一撃をもらっている。何があった?
得られているヒントが少ない… AVOは高難易度であれど理不尽ではない。なにかどこかにヒントはあったはずだ。もっと街で情報収集をするべきだったか、始まりの街だからと舐めていたのを咎められたというのが今回のミスだろう。
強いて思いつくならば… 音…か?
このままではジリ貧だ。不意に思いついた要素に物は試しと、先ほど情報料代わりに購入していたかんしゃく玉を黒ゴブリンに向かって投げつける。
急な飛び道具は予想していなかったのだろうか、少し驚いたような動きを見せた黒ゴブリンは「なんだただの石ころか」、と言わんばかりの顔をしたままナタでそれを切りつけた。
『パァァァァン!!!』
炸裂音が鳴り響く。正真正銘命がかかることもあるこの世界のアイテムだ、現代日本で購入できるおもちゃなど比べ物にならない音が黒ゴブリンを襲う。
「グギャアアアアアア!」
「ピィィィィィ!」
上位個体だからと音に対しても体勢がついていたわけでもなく、真正面ゼロ距離で喰らった黒ゴブリンは耳を押さえて悲鳴と共に蹲る。
と同時に何か影が落ちてきた。悲鳴をあげていたもう一つの声の主だろう。
最大の好機。
接近しつつ広報に指示を出す。
「ハル!ゴブリンをやるぞ! ウカは落ちてきた方を頼む!」
「りょ!」
「分かりました!」
ずっと気を抜かずこちらを注視してくれて居たのだろう。戸惑うそぶりも見せず接近してくれるウカと射程距離に入るハル。
相手の状態を考えるとハルの魔法が届く頃にはスタンは解けているだろう、ここは機動力を奪う。
俺はハルの射線を邪魔しないように少し横に広がるように走りつつ、黒ゴブリンの足を上段から切りつけ返しの刀で胴体に一閃、その身で後退する。
「グギャァァァァァア!?」
蹲った姿勢から立ち上がらんとしていた所を切り付けられたゴブリンは悲鳴を上げながら再度姿勢を崩す。それでもその手に持ったナタをこちらへ向けて振ってくるのだからただでは死なんという覚悟が伝わってきた。
先に足を潰していなければこの距離では足りなかっただろう。そのくらいの執念の攻撃だった。
奴の目は諦めていない。まだ終わってないぞと言わんばかりに歪んだ顔に睨まれる。
「先輩!」
どうやら時間稼ぎには事足りたようだ。
おまけと言わんばかりに切り払いを見舞って後方に引く。と同時にハルの唯一にしてモンスターに対しての最大火力、光の箒星がゴブリンに突き刺さる。
高火力の魔法が直撃した黒ゴブリンはその場に倒れ伏した。しかし討伐メッセージは発生していない、まだ息があるのだろう。
ネームドモンスターやボスモンスターなどはその他雑兵と違い一定時間その場に死体が残るのだ。討伐メッセージが出るまでは安心してはいけない。
情報は惜しいがウカの方が気になる。さっさとトドメを刺すべきだろう。
警戒しながら接近し首元に一閃しようとしたその時、
================================
☆ワールドアナウンス☆
初めて日本エリアでネームドモンスターが討伐されました。
達成者:ウカ
================================
…どうやらあちらも片付いたようだ。
何処か少し空気がピリついたような気がする。
それが報告を受けての緊張感なのか、待ち受けている存在の威圧感なのかは分からなかった。
「奇襲はだめ。」
「危険か?」
「ん。あれはまずい。」
ウカがそこまで言うならそうなのだろう。少ないやり取りながらやばさが伝わってくる。確実にレベル帯にそぐわない格上、 難易度の高いクエストだ。
「…正面から行こう。基本はいつもの陣形、ただハルはいつもよりもう少し深めに距離を取って欲しい。」
「…分かりましたっ。」
「よし。行こうか。緊張せず、楽しく、な?笑」
「はいっ。」
「ん。了解。」
イレギュラーをなくすために正面から対面する。
ウカが示した方向に少し行く、森が少し開けたところに奴はいた。
一言でいえば、異質。
平均的なゴブリンと比較すると一回り大きな体躯。影のような、どこか吸い込まれそうなくらいの闇を持ち合わせた黒い肌。ギラつく鋭い牙と爪。その手に鈍く煌めく五〇センチ強の刃渡の切れ味の悪そうなナタ。こちらをしっかりとその目に捉える双子の眼。
周囲に取り巻きはおらず、孤高の存在。
ゴブリンの上位存在と言われてもなんら違和感のない、他とは違うと雄弁に語っているような風貌であった。
俺とハルは正面から進む。
当然敵には視認され、警戒を与えたかに思えた。いや、思いたかったのかもしれない。
「グギャギャ…」
「なんだ…結局偽情h「ニングン…カ…」
…!
たどたどしくはあるが確かに意思のあるような発言をした。間違いない、相手はネームドクラス。
「総員警戒!」
ウカは既に背後を取っていることだろう。まずはひと当て、どう対応されても良いように深く切り込まず居合の構えで接近する。
またウカもこちらの邪魔にならないような角度から攻撃を仕掛けようとしているのを視界に捉えることができた。
少なくともどちらかの攻撃は当たるだろう。
普通のゴブリンだったならば。
「は…?」
赤い液体が頬を伝う。
目の前の影はニヤリとこちらを見つめていた。
「ハル!引いて!」
左腕から血を流すウカが似合わない声で叫ぶ。
「え、え…?」
ハルが戸惑うのも無理はない。
「ハルは私と後方! 全力支援! 」
ウカが叫ぶと同時、俺は前に出る。
後ろに向かわせては行けない。相手は俺だ。
問題は正体不明の攻撃。
目に捉えることはできず、殆ど直感で動いていた。頬に掠っただけで済んだのは運によるものが大きいだろう。ウカだって素人じゃない、左手に浅くない一撃をもらっている以上警戒レベルを上げる必要があった。
「ハル! 敵の動きがわからない! 状況が見えるまで近づかないでくれ!」
「分かりました!気をつけてくださいね!」
ハルの気配が遠くなる。混乱してる中動けるなどなかなか出来ることではない、現状とても助かる判断力だ。
思考を目の前の異質へ向ける。俺が集中する相手は目の前のこいつだけ。………よし。
攻撃手段がわからない以上不用意な接敵は愚直、かといってハルに遠距離を頼むのもヘイトが散らばってしまう。取れる行動を考える。
後衛へとヘイトを向けないために攻撃せんとする姿勢は崩さない。抜刀状態を崩さず隙あらばお前の喉を叩き切るぞと言わんばかりの殺気を向け続ける。
カチャ…
腰に刺してある鞘が音を立てる。
!!!
直感が体を反らせと警鐘を鳴らす。
それに背いて良かった事などなかった俺は疑う事なく直感のままに体を動かした。
左の二の腕が熱を待つ。
どうやらまた不可視の攻撃を受けたようだ。
隙を見せないように思考を巡らせる。考えろ、考えろ。
自分の長所が目である事はかなり前から自覚している。視覚から得られる情報を脳内で整理し続ける。考える。考える。
わざわざナタを持っているのだ、メインの攻撃手段は近接だろう。であるにも関わらず被弾したのは俺とウカの2人。
全く別方向から攻撃しているにも関わらずほとんど同タイミングで一撃をもらっている。何があった?
得られているヒントが少ない… AVOは高難易度であれど理不尽ではない。なにかどこかにヒントはあったはずだ。もっと街で情報収集をするべきだったか、始まりの街だからと舐めていたのを咎められたというのが今回のミスだろう。
強いて思いつくならば… 音…か?
このままではジリ貧だ。不意に思いついた要素に物は試しと、先ほど情報料代わりに購入していたかんしゃく玉を黒ゴブリンに向かって投げつける。
急な飛び道具は予想していなかったのだろうか、少し驚いたような動きを見せた黒ゴブリンは「なんだただの石ころか」、と言わんばかりの顔をしたままナタでそれを切りつけた。
『パァァァァン!!!』
炸裂音が鳴り響く。正真正銘命がかかることもあるこの世界のアイテムだ、現代日本で購入できるおもちゃなど比べ物にならない音が黒ゴブリンを襲う。
「グギャアアアアアア!」
「ピィィィィィ!」
上位個体だからと音に対しても体勢がついていたわけでもなく、真正面ゼロ距離で喰らった黒ゴブリンは耳を押さえて悲鳴と共に蹲る。
と同時に何か影が落ちてきた。悲鳴をあげていたもう一つの声の主だろう。
最大の好機。
接近しつつ広報に指示を出す。
「ハル!ゴブリンをやるぞ! ウカは落ちてきた方を頼む!」
「りょ!」
「分かりました!」
ずっと気を抜かずこちらを注視してくれて居たのだろう。戸惑うそぶりも見せず接近してくれるウカと射程距離に入るハル。
相手の状態を考えるとハルの魔法が届く頃にはスタンは解けているだろう、ここは機動力を奪う。
俺はハルの射線を邪魔しないように少し横に広がるように走りつつ、黒ゴブリンの足を上段から切りつけ返しの刀で胴体に一閃、その身で後退する。
「グギャァァァァァア!?」
蹲った姿勢から立ち上がらんとしていた所を切り付けられたゴブリンは悲鳴を上げながら再度姿勢を崩す。それでもその手に持ったナタをこちらへ向けて振ってくるのだからただでは死なんという覚悟が伝わってきた。
先に足を潰していなければこの距離では足りなかっただろう。そのくらいの執念の攻撃だった。
奴の目は諦めていない。まだ終わってないぞと言わんばかりに歪んだ顔に睨まれる。
「先輩!」
どうやら時間稼ぎには事足りたようだ。
おまけと言わんばかりに切り払いを見舞って後方に引く。と同時にハルの唯一にしてモンスターに対しての最大火力、光の箒星がゴブリンに突き刺さる。
高火力の魔法が直撃した黒ゴブリンはその場に倒れ伏した。しかし討伐メッセージは発生していない、まだ息があるのだろう。
ネームドモンスターやボスモンスターなどはその他雑兵と違い一定時間その場に死体が残るのだ。討伐メッセージが出るまでは安心してはいけない。
情報は惜しいがウカの方が気になる。さっさとトドメを刺すべきだろう。
警戒しながら接近し首元に一閃しようとしたその時、
================================
☆ワールドアナウンス☆
初めて日本エリアでネームドモンスターが討伐されました。
達成者:ウカ
================================
…どうやらあちらも片付いたようだ。
97
お気に入りに追加
312
あなたにおすすめの小説
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
最難関ダンジョンで裏切られ切り捨てられたが、スキル【神眼】によってすべてを視ることが出来るようになった冒険者はざまぁする
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【第15回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作】
僕のスキル【神眼】は隠しアイテムや隠し通路、隠しトラップを見破る力がある。
そんな元奴隷の僕をレオナルドたちは冒険者仲間に迎え入れてくれた。
でもダンジョン内でピンチになった時、彼らは僕を追放した。
死に追いやられた僕は世界樹の精に出会い、【神眼】のスキルを極限まで高めてもらう。
そして三年の修行を経て、僕は世界最強へと至るのだった。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
勇者パーティーを追い出された大魔法導士、辺境の地でスローライフを満喫します ~特Aランクの最強魔法使い~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
クロード・ディスタンスは最強の魔法使い。しかしある日勇者パーティーを追放されてしまう。
勇者パーティーの一員として魔王退治をしてくると大口叩いて故郷を出てきた手前帰ることも出来ない俺は自分のことを誰も知らない辺境の地でひっそりと生きていくことを決めたのだった。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる