風ノ旅人

東 村長

文字の大きさ
上 下
76 / 111
歌の国『オルカストラ』編

歌の国・編『前半ストーリー』の説明

しおりを挟む
 ソラいる時代から『一千年前』にアイネは誕生しました。 
 彼女は生まれた時から『異能』という特別な力を持っていました。
 その謎に満ちていた『異能の力』を憂いていたアエルは、生まれたての彼女の腕に、一族が命を懸けてでも守護するべき、オルカストラの国宝——害を退けるという宝具『聖歌の腕輪』を嵌めて、異能の力を抑え込むことに成功した。

 今回繰り広げられた『過去の人間が今を生きている』というストーリーには、彼女の異能が強く関わっています。というのも、本来——史実的には、アイリ村の住民全員は魔族侵攻によって『死亡』してしまっているのです。では何故、ソラが生きる現代に『過去の住人達』が居たのか……それはズバリ、アイネが持つ『異能』の力によるものでした。
 
 彼女の異能(名称無)は、本物と寸分違わぬ『偽物』を作り出し、それで『超現実な演劇』を行うというものです。
 ロンとロウは『アロンズ』によって殺されており、アエルとアイネは『ガエン』によって殺されています。ですが、アイネが身に付けていた宝具は、二手に分かれることになった『マキネ』に託しており、彼女が魔犬に頚椎を噛み砕かれて死ぬ前に、アイリの花園を越えた先にある『森林の土の中』に隠すことに成功したため、魔族軍に盗られることはありませんでしたが、結果として、アイネの異能を抑え込んでいたものがなくなり、彼女の力は死後に人生初の発動をすることになってしまいました。しかし、同時刻に行われていた『???』により、その異能の力は一時的に封じ込められてしまい、異能で作り出された新たな肉体を経て『擬似的な蘇生』を果たしたアイリ村の住人達は、滅ぼされたアイリの地に『封印』されてしまったのです……。

 アイネの異能は彼女が想像した『演劇』を世界に具現化します。
 彼女は魔族に滅ぼされる『一週間前』をモデルにした舞台を創り出し、アイリの地にその舞台を設置しました。しかし、首を刎ねられたアイネが意識を失う前に願っていた『ロンと幸せになりたい』という悲願をもとに作成された舞台は、彼女が思い描いていた『空想画』のようにはできていませんでした。彼女の異能は万能ではなかったということです。彼女の異能では村に侵攻してきた魔族軍を倒す『勇者』作り出すという、正真正銘の『ファンタジー』を想像することはできず、結果として『魔族軍に滅ぼされるまでの一週間の悲劇』を繰り返すことになってしまったのでした。
 彼女の異能で用意された新たな肉体に『魂を束縛された』全員が一週間後にくる悲劇を知ってさえいれば、容易に悲劇を避けることができたのでしょう。
 しかし、アイネの異能が用意した道具——アイリ村の住人達の複製体は、アイリの悲劇が来る『一週間前』のものとして作られたのです。そんな彼等彼女等に『一週間後の記憶』が存在するわけもなく、四年に一度くる『???』の封印が解ける数ヶ月間を『千年』ほど繰り返し続けてしまったのでした。

 その後は——ソラ君の話に繋がっています。彼の命を懸けた尽力のおかげで、ロンとアイネは魔族軍から逃げ果せることができて、来るはずのなかった『八日目』を迎えました。それで、二人が迎えてしまったバッドエンドは救済されたのです。
 
 ストーリーの説明、難しすぎますね。 
 ちなみに「身体能力が乖離している」ってソラ君の思いは当たっていました。
 アロンズとガエンは『???』の影響で半分のステータスになっていたのです。
 本来の彼、彼女であれば、ソラ君なんか瞬殺でしたよ。
 魔人の二人が持つ『異能』も使えませんでしたしね。
 
 千年前の同時刻に何が行われていたのかは、歌の国編の『後編』で分かります。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...