ライバーな俺が大好きな声優アイドルと一緒に異世界へ召喚されてしまったので新しい世界で生きる方法を作りました。(改題しました

ryuu

文字の大きさ
45 / 45
第3章 同盟

ジルの動向

しおりを挟む
  赤髪のジルとして傭兵の中でアタシが名を知られるようになったのはそう時間はかからなかった。
 元のアタシはある王国の貴族でそれなりの爵位や権力を持っていた。
 だけど、当時の戦争でアタシのいた国は亡び、爵位も権威も失った。
 当時のアタシは身売りされそうになったのを使用人の手で逃してもらい、武力に長けたアタシが目指した先は傭兵だったのだ。
 傭兵として活動したアタシはとにかく金や自分の素性から離そうと最初に選んだのは幸運なことにアタシの一族を滅亡に追い込んだ王国だった。
 そのあとのアタシはその国を裏側で操って滅亡に追い込んで結果として有名な赤髪のジルとして誕生した。
 その後の重ねる仕事はすべて順風満帆にこなせていたはずだった。
 大きな仕事が舞い込んで幸運がまた来たと思った。

「へへっ、勇者なんてアタシにとっては赤子も同然だ」

 その時のアタシは部下を集めてそんな調子の良いことを言ってたが現実は甘くない。
 勇者の力量や素質を見誤ったアタシの前に立っていたアイツ。
 こともあろうにアタシは敵を前にしたら情け無用な性格だが、アイツは真逆でそれどころか情けをかけた。
 同時にまるで二度目の挑戦も受けて立つという気合も見せた。
 それにアタシは魅了されたのだ。
 単純な女だって自分でもわかってんだ。
 でも、あの男のためならなんだってしようと心に決めたのだ。
 だからこそ、今はその命令を着実にこなす。
 路地裏の陰に身を潜めなら斜め前方で川沿いの小舟に乗った男に何かを手渡す女の姿。
 男は船を動かして下っていった。その先は広大な海が広がっている。その先の大地へと向かうのであろう。

(おそかったか?)

 苦悩しながら足先を少し動かすと衣擦れの音が出てしまう。

「ソコにいるんは誰や!」

 顔をゆがませながらアタシは堂々とその身を影から出した。
 女と対面する。
 アタシに負けず劣らずの美貌。
 東の国のもんか、黒髪と『顔の模様まんだら』とか呼ばれるのを化粧した女だった。
 戦闘能力はそこそこ高そうに見える。

(1対1では分が悪いなぁ。まぁ、最初から戦う気はないが)

 アタシは慎重に言葉を選ぶ。

「すまねぇなぁ。立ち聞きするつもりはなかったんだ」
「あんさん、さっき店におった傭兵やね」
「っ!? ははっ、驚いたぜ。どうしてアタシが冒険者じゃなく傭兵ってわかったんだ? さっきのいた場所はギルドだってぇのによぉ」
「身のこなしや言葉遣いでよぉーわかるわぁ」

 即座に素性を見抜いた観察眼にこの女のスキル性の高さが出ている。

「あんさん、さっきの話を聞いてしもうたら傭兵であってもただでは帰さへんで」
「いや、待ってくれよ。アタシ実は赤髪のジルっていうんだ」
「赤髪のジル? ……まちぃ、その名前は確か聞き覚えあるで。この国につかまった傭兵で魔王の手下の……」
「そう、アタシはアンタの仲間ってわけさ」
「仲間? 捕まって裏切者になっただけやないんか?」
「違う違う! アタシにも理由があるんだ」

 相手を信じ込ませるにはまず本当の情報を見せる必要もあるといっていた勇者の言葉を信用し、自らの首周りに浮いている隷属魔法の刻印を見せた。

「なんや、やっぱ裏切り者やないか」
「違う! アタシはこの魔法に隷属して見せてるがそんなのは懲り懲りなんだ! だから、少しでも一矢を報いるために勇者の情報とこの国の情報を提供するために来たんだ!」
「なんやて?」
「話を聞く気になったか?」
「にわかには信じがたいなぁ。そもそもその情報ってなんや?」
「勇者の持つ知識と他国の勇者について」
「なんやて?」

 ここからアタシの腕の見せ所だった。
 勇者のためにアタシは彼女をだます策略を始めた。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

処理中です...