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第2章 最初の開拓
城からの出迎え
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城から外へ出た俺らは即座に王国民たちに取り囲まれる事態に陥った。
「おお、勇者様だ!」
「勇者様!」
「私たちの救世主よ!」
彼らの表情は昨日とは変わって明るい顔をしていた。
幾分かはマシな表情をしている彼ら民たちに安心をした。
それでも、一瞬で表情は次第に沈んでいく。
「ああ、どうしたらいいのでしょうか」
「この国は終了ですよね」
「場所を移す必要あるのかな」
などと愚痴をつぶやいた。
あまりの浮き沈みの激しさに圧倒された。
ここの民の精神的におかしなことは理解していたつもりだった。
いざ目の前にその光景を押し付けられるかのように見せつけられると怖気づく。
そんな時に隣で大きく息を吸うような行動を種村さんが起こしていた。
彼女はにこやかな営業スマイルのような笑顔を浮かべる。
「皆さん、しっかりしてください。この国はあなたたちを育ててきた愛すべき国じゃなかったんですか! みんなで力を合わせて壊れた建物を修復しましょう!」
その笑顔を向けて囁いた言葉にこの国民の気持ちをどれだけ揺れ動かすことができるのだろうかと不安さを感じながら反応を見守った。
反応は絶望的だった。
俺は涙目を浮かべてるのにやはりここの人たちにはアイドルの笑顔という良さを知らないで生きている存在だから反応が鈍いと思えた。
それだけではないのだろう。
あまりにも絶望な状況でずっとこの世界はあり続けていた。
その絶望な光景が身近に降りかかって精神も瀕死状態なんだ。
「あ、あの種村さん例の歌でどうにかなるんじゃないですか? 昨日みたいに反応が良かったですから」
「え?」
「だって、昨日歌った時にここの人たちみんなまるで聞いたこともなかったかのような反応を示した上にあの時の笑顔ったら感動的でしたよ」
「はぁー、あまり気乗りしないんだけど」
「そ、そこを何とかお願いします」
「わかった。でも、あなたに一つだけ伝えておきたいことがあるの」
「なんでしょうか?」
「過剰な踊りはやめて。なるべく抑えめに盛り上げて頂戴」
「っ…………」
「なんで、そんな絶望的な表情をするのよ。別に踊るなってだけでしょう!」
「ライバーにとってあこがれのアイドルの歌を聞いて踊るなってのは命を捨てるのと同義なんですよ!」
「知らないわよそんなオタク理論!」
「アイドル声優がそんな悲しいことを言わないでくださいよ!」
「涙ながらに訴えられても困るわ」
必死に口論するというよりもコントに近い俺たちの会話を人々は見ていた中でそんな人垣に一つの微かな笑い声が聞こえてきた。
俺と種村さんはその笑い声の先に反応を示すように見たらひとりの少女が笑みを浮かべていた。
「勇者様たちを見てたらよくわからないけどなんかここがあったかい。それに頬がわかんないけど……うふふ」
一人の少女は面白いという感情を理解せずとも自分なりにうまく人へ伝えたくて必死で言葉を並べ立ていた。
そんな少女を見て俺らは心に温かい気持ちを少女からいただくようにもらっていた。
「やっぱり、変えないといけないわね」
「わかっていますけど、目的ってここの国の人たちと仲良くなるでしたよね? 一応目的は出だしから達成しています?」
「いいえ、まだじゃない? とりあえずココだと歌うにしても邪魔だし崩落跡地に行きましょう。すみません、皆さまちょっと通させてください」
話をどんどん進ませて彼女はその行動も突き動かしていく。
崩落跡地とは昨日にあの闇ギルドなるものがあった場所である。
「あそこってあまり昨日のことがあるから行きたくねぇんだけどなぁ」
「文句言わないであなたもついてきなさいよ、勇者様」
「わかってますけど、種村さんも一応勇者ってことになってますよね?」
「私は勇者じゃない。アイドル声優よ」
頑固として勇者であることを彼女は認めようとせず崩落跡地へ向けた足を一切止めることはなく勇んで向かっていった。
「おお、勇者様だ!」
「勇者様!」
「私たちの救世主よ!」
彼らの表情は昨日とは変わって明るい顔をしていた。
幾分かはマシな表情をしている彼ら民たちに安心をした。
それでも、一瞬で表情は次第に沈んでいく。
「ああ、どうしたらいいのでしょうか」
「この国は終了ですよね」
「場所を移す必要あるのかな」
などと愚痴をつぶやいた。
あまりの浮き沈みの激しさに圧倒された。
ここの民の精神的におかしなことは理解していたつもりだった。
いざ目の前にその光景を押し付けられるかのように見せつけられると怖気づく。
そんな時に隣で大きく息を吸うような行動を種村さんが起こしていた。
彼女はにこやかな営業スマイルのような笑顔を浮かべる。
「皆さん、しっかりしてください。この国はあなたたちを育ててきた愛すべき国じゃなかったんですか! みんなで力を合わせて壊れた建物を修復しましょう!」
その笑顔を向けて囁いた言葉にこの国民の気持ちをどれだけ揺れ動かすことができるのだろうかと不安さを感じながら反応を見守った。
反応は絶望的だった。
俺は涙目を浮かべてるのにやはりここの人たちにはアイドルの笑顔という良さを知らないで生きている存在だから反応が鈍いと思えた。
それだけではないのだろう。
あまりにも絶望な状況でずっとこの世界はあり続けていた。
その絶望な光景が身近に降りかかって精神も瀕死状態なんだ。
「あ、あの種村さん例の歌でどうにかなるんじゃないですか? 昨日みたいに反応が良かったですから」
「え?」
「だって、昨日歌った時にここの人たちみんなまるで聞いたこともなかったかのような反応を示した上にあの時の笑顔ったら感動的でしたよ」
「はぁー、あまり気乗りしないんだけど」
「そ、そこを何とかお願いします」
「わかった。でも、あなたに一つだけ伝えておきたいことがあるの」
「なんでしょうか?」
「過剰な踊りはやめて。なるべく抑えめに盛り上げて頂戴」
「っ…………」
「なんで、そんな絶望的な表情をするのよ。別に踊るなってだけでしょう!」
「ライバーにとってあこがれのアイドルの歌を聞いて踊るなってのは命を捨てるのと同義なんですよ!」
「知らないわよそんなオタク理論!」
「アイドル声優がそんな悲しいことを言わないでくださいよ!」
「涙ながらに訴えられても困るわ」
必死に口論するというよりもコントに近い俺たちの会話を人々は見ていた中でそんな人垣に一つの微かな笑い声が聞こえてきた。
俺と種村さんはその笑い声の先に反応を示すように見たらひとりの少女が笑みを浮かべていた。
「勇者様たちを見てたらよくわからないけどなんかここがあったかい。それに頬がわかんないけど……うふふ」
一人の少女は面白いという感情を理解せずとも自分なりにうまく人へ伝えたくて必死で言葉を並べ立ていた。
そんな少女を見て俺らは心に温かい気持ちを少女からいただくようにもらっていた。
「やっぱり、変えないといけないわね」
「わかっていますけど、目的ってここの国の人たちと仲良くなるでしたよね? 一応目的は出だしから達成しています?」
「いいえ、まだじゃない? とりあえずココだと歌うにしても邪魔だし崩落跡地に行きましょう。すみません、皆さまちょっと通させてください」
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