10 / 14
第1章
鬼頭雀の怒り
しおりを挟む「まあ? 神の舌? ウィンティア嬢が?」
「ええ、彼女の味覚は特別ですの。それに面白いアイディアも飛び出しますのよ」
と、セシリア女公爵が、ちょっとだけ、私が開発したメニューを説明。いや、開発というが、再現しただけなんだけど。
「まあっ、マレッフィトホテルの夏限定冷製パスタは、ウィンティア嬢が? 私、あれ大好きですのっ」
「エヴァエニエス侯爵夫人にそういって頂けて光栄です」
冷製パスタ用のパスタができたのが大きいだけ。
他にも色々作ったなあ。
最近、ウーヴァ公爵家シェフのジャンも、かなり作っているしね。私の料理ではジャンをよく使うからね。
「ふふっ、もう一人息子がいたら、是非うちにも来て欲しいわね」
ご冗談を、と、おほほと笑うセシリア女公爵とエヴァエニエス侯爵夫人。
次の領地で行う祭りで、子供達に出すお菓子のアイディアを頼まれてしまった。いつもはクッキーだって。うーん、なら、たい焼きとか回転饅頭や人形焼きを提案した。
後日、祭りで大好評だったと、丁寧なお礼状を頂いた。
あっという間に時が過ぎ。
私は無事に中等部を卒業した。数日後には、高等部に進学する。
この数日間で色々ある。
レオナルド・キーファーが帰ってくる。そして、ウーヴァ公爵家主宰の大規模なお茶会だ。色々発表がある。
このお茶会で、私はデビュタントし、その流れでレオナルド・キーファーとの婚約発表だ。もちろん、婚約発表はキャサリンには内緒。秘密裏に準備が進む。
デビュタント用の真っ白なドレスは、なんと人気デザイナー、マダム・ガーヤが作ってくれた。凄く素敵なドレスに仕上がっている。
「あの小さかったお嬢様がっ」
試着したら、ナタリアがハンカチで涙をぬぐう。
確かに、この二年の年月が、ウィンティアを成長させた。身長が伸びて、子供のつるぺたから女性らしい身体に。山岸まどかよらありますよっ。ちょっとだけねっ。
ナタリアのデビュタントは、ユミル学園進学後に、教会で行った。父親の代わりを勤めたのは、キリール・ザーデクの友人、ナタリア達をあの葬儀の日に、三人を保護したコロッズ男爵だ。いい人なんだろうが、ごついおっさんの半泣きには引いたけどね。
ナタリア達ももちろん呼んである。ナタリアは代理とは言えザーデク子爵だからね。もちろんヴァレリーも来る。マルティンは子供控え室ね。ナタリアの衣装は、生物学上の母親が、ドレスをリメイクした。ナタリアの深い茶色の髪に合うような、うす緑のドレスだ。
私は卒業し、ローザ伯爵家に戻らず、ウーヴァ公爵家に。本日レオナルド・キーファーが帰って来るから、色々ご飯を作らないとね。
シェフさん達とわいわい準備。
「ウィンティアお嬢様っ、レオナルド様がお帰りですっ」
「あ、はいはい」
帰って来たね。
私はエプロン姿のままお出迎え。
あ、帰って来た。うん、二年がレオナルド・キーファーを更に大人の男性に。右頬の傷も、思っていたより小さい。
私を見つけたレオナルド・キーファーは、ものすごい勢いでダッシュ。ひしっ、と抱き締めてきた。
……………………
「ちょっとちょっと落ち着いてくださいーっ」
「ええ、彼女の味覚は特別ですの。それに面白いアイディアも飛び出しますのよ」
と、セシリア女公爵が、ちょっとだけ、私が開発したメニューを説明。いや、開発というが、再現しただけなんだけど。
「まあっ、マレッフィトホテルの夏限定冷製パスタは、ウィンティア嬢が? 私、あれ大好きですのっ」
「エヴァエニエス侯爵夫人にそういって頂けて光栄です」
冷製パスタ用のパスタができたのが大きいだけ。
他にも色々作ったなあ。
最近、ウーヴァ公爵家シェフのジャンも、かなり作っているしね。私の料理ではジャンをよく使うからね。
「ふふっ、もう一人息子がいたら、是非うちにも来て欲しいわね」
ご冗談を、と、おほほと笑うセシリア女公爵とエヴァエニエス侯爵夫人。
次の領地で行う祭りで、子供達に出すお菓子のアイディアを頼まれてしまった。いつもはクッキーだって。うーん、なら、たい焼きとか回転饅頭や人形焼きを提案した。
後日、祭りで大好評だったと、丁寧なお礼状を頂いた。
あっという間に時が過ぎ。
私は無事に中等部を卒業した。数日後には、高等部に進学する。
この数日間で色々ある。
レオナルド・キーファーが帰ってくる。そして、ウーヴァ公爵家主宰の大規模なお茶会だ。色々発表がある。
このお茶会で、私はデビュタントし、その流れでレオナルド・キーファーとの婚約発表だ。もちろん、婚約発表はキャサリンには内緒。秘密裏に準備が進む。
デビュタント用の真っ白なドレスは、なんと人気デザイナー、マダム・ガーヤが作ってくれた。凄く素敵なドレスに仕上がっている。
「あの小さかったお嬢様がっ」
試着したら、ナタリアがハンカチで涙をぬぐう。
確かに、この二年の年月が、ウィンティアを成長させた。身長が伸びて、子供のつるぺたから女性らしい身体に。山岸まどかよらありますよっ。ちょっとだけねっ。
ナタリアのデビュタントは、ユミル学園進学後に、教会で行った。父親の代わりを勤めたのは、キリール・ザーデクの友人、ナタリア達をあの葬儀の日に、三人を保護したコロッズ男爵だ。いい人なんだろうが、ごついおっさんの半泣きには引いたけどね。
ナタリア達ももちろん呼んである。ナタリアは代理とは言えザーデク子爵だからね。もちろんヴァレリーも来る。マルティンは子供控え室ね。ナタリアの衣装は、生物学上の母親が、ドレスをリメイクした。ナタリアの深い茶色の髪に合うような、うす緑のドレスだ。
私は卒業し、ローザ伯爵家に戻らず、ウーヴァ公爵家に。本日レオナルド・キーファーが帰って来るから、色々ご飯を作らないとね。
シェフさん達とわいわい準備。
「ウィンティアお嬢様っ、レオナルド様がお帰りですっ」
「あ、はいはい」
帰って来たね。
私はエプロン姿のままお出迎え。
あ、帰って来た。うん、二年がレオナルド・キーファーを更に大人の男性に。右頬の傷も、思っていたより小さい。
私を見つけたレオナルド・キーファーは、ものすごい勢いでダッシュ。ひしっ、と抱き締めてきた。
……………………
「ちょっとちょっと落ち着いてくださいーっ」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。


【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる