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嫉妬……?
P72
しおりを挟む「ごめんね、一輝くん」
申し訳ない。
そう思っていた。
そうしたら。
謝っていた、自然に。
一輝くんに。
「なんで結菜ちゃんが謝るの?」
「私も悪いところがあったから」
「そんなことないよ、
結菜ちゃんは全然悪くない」
本当に優しいな、一輝くんは。
「だけど私は
一輝くんのことを不安にさせてしまった」
一輝くんに不安な気持ちや悲しい気持ち。
それらの気持ちを抱えてほしくない。
一輝くんには、いつも笑顔でいてほしいから。
「ありがとう、結菜ちゃん。
僕のことを気にかけてくれて」
戻ってきてくれた。
一輝くんの笑顔。
やっぱり。
一輝くんの笑顔。
見ていたい、ずっと。
そう思っていると。
一輝くんは指で拭ってくれた。
私の頬に伝う涙を。
そのあと。
一輝くんの唇が私の唇に重なった。
今は、さっきのように激しくて荒いキスではなく。
心のこもった一輝くんのやさしさを感じるキス。
心地良い。
一輝くんのやさしいキス。
とろけるような甘いキス。
そんな一輝くんの甘いキスに溺れていた。
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