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解けて。より甘く、そして艶っぽく
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しおりを挟む「それで今日、美輝に来てもらったのは。
指輪の出来上がりがギリギリになってしまうということだったから。
出来上がったらすぐに持ってきてもらうということになったんだ」
そうだったんだ。
それで美輝さん、わざわざ指輪を届けに来てくれたんだ。
「しかし本当にギリギリだったな」
「そんなこと言うなよ。
隼理がどうしても今日までにって言うから必死に間に合わせたんだからな」
「わりぃ、美輝、お前には本当に感謝してるよ」
「まぁ、お客様の無理な注文も、できる限り応えるのがプロだからさ」
「おっ、さっすが頼りになるのは良き親友。
ほんとサンキューな」
「まったく調子がいいなぁ、隼理は」
隼理くんと美輝さんを見ていると。
本当に仲が良い親友だなと思った。
「あっ、そうだ、
美輝、もう一つ持ってきてくれたよな」
「ああ、もちろん」
隼理くんは私がもらった指輪が入っていたケースと同じくらいのサイズのケースを美輝さんから受け取り、その蓋を開けた。
「これは俺の」
隼理くんはそう言ってケースの中に入っている物を取り出した。
「夕鶴とお揃い」
隼理くんがケースから取り出した物は。
私がはめている指輪よりも大きなサイズの指輪。
「内側を見て」
隼理くんはそう言うと私の手の上に指輪を置いた。
隼理くん用の指輪。
やっぱり男の人だ。
私の指輪よりも大きくずっしりとした感じ。
隼理くん用の指輪を手にして改めてそう感じた。
そのあと私は隼理くんに言われた通りに指輪の内側を見た。
「これ……」
指輪の内側には。
私と隼理くんのイニシャルの刻印が。
「夕鶴の指輪にも同じものがあるよ」
隼理くんにそう聞いて自分がはめている指輪を外し、その内側を見た。
私の指輪にも隼理くんの指輪と同じ、私と隼理くんのイニシャルの刻印が。
隼理くんとお揃いの指輪。
隼理くんとお揃いの物を持つことができるなんて。
とても嬉しくて幸せ。
「隼理くんとお揃いの指輪、すごく嬉しい。
本当にありがとう、隼理くん」
「夕鶴にそう言ってもらえて、すごく嬉しい。
俺も夕鶴とお揃いの指輪、すごく嬉しいと思ってる、ありがとう」
隼理くんはいつものようにやさしい笑顔でそう言った。
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