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第四十四話 大阪・京都編 【8】

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「きましたぁ!華ちゃんフォトセッション!」

 蓮はノリノリで、広すぎる今日の宿部屋で盛り上がる。ちなみに、今は自由行動で、皆は散策しているので、ここにいるのは、華、蓮、快、爽の異様なメンバーである。薫は消息不明だが、おそらく寧々に連れられているのだろう。

「いぇぇい!……お前は呼んでない。」

 冷たい視線で蓮を睨みつける快。

「残念だけど、僕の方が先に誘ったからね!」

「は?俺はこの日のために、ありとあらゆる仕事現場から、持ち前のあざとさを用いて、可愛い衣装をゲットしてきたんだよ!」

(持ち前のあざとさって…)

 蓮は、快の言葉に呆れながらも、この終わりのない言い合いに、我ながらため息をつく。
 ちょっと待て。これって好機じゃないか?彼自身も衣装を持ってきていると言うことは、よりバリエーションが豊富な華ちゃんを、拝見することが出来る!ここはなんとしても、彼と共闘しなければ!
(戦いではないが。)

「え、えっと…快、君。ここは強力プレイで行こうよ。」

「は?強力プレイ?やるわけねぇだろ!お前となんて…」

「あ、そう。僕も結構衣装持ってきたんだけどなぁ。残念だなぁ…。僕は、今やる気が全くない華ちゃんをやる気で燃えさせる…萌させる方法を知ってるって言うのに…。それに…忘れたなんて言わないよね?
僕ので、華ちゃんがSpicaを応援してくれるって言った…その恩、忘れてないよね?」

 蓮は持ち前の腹黒さで、快を挑発する。
 快は何かを察したようだ。

「……わ、分かったよ!でも、華ねぇを独り占めすんなよ!」

 蓮はその言葉を聞いて、笑って見せた。

「ちょっと…何話してんの?その…早く…コス…」

 華がそわそわしながらそう言う。蓮はそれを察したのか、とっておきの秘策を打ち出す。

「華ちゃん…見てみたくない?《リアル、シセミカ》」

「ヴェ?????」

 ものすごい奇妙な声を出しながら、華は喜びを隠せない表情で蓮を見つめる。

「ふふ。快くんと僕で。」

「えええええっ!!!見たい!見たぁぁぁい!
はいはぁい!リクエストォ!シセラたそが快で、ミカきゅんが蓮でお願いしゃす!」

 華は目を光らせながら、可愛らしく敬礼をしてお願いする。

「うん、もちろん!華ちゃんの思うままに。ね、快くん?」

「う、うん!なんのことか分からないけど頑張るよ。」

「ね?すごいでしょ?華ちゃんがやる気になる秘策。結構な修羅の道だとは思うけど。」

 蓮が最後に言った言葉を理解できない快だった。
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