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丸まった羽毛は鳥モンスターの様だ。
【ホワイトアウル】
鋭い爪やくちばしを持ち、夜行性で闇に紛れて狩りをする。その為日中は木の上で過ごす。
身を守る為かなり分厚い羽毛に包まれている。
うん、やっぱり木に居た存在はこの種類だね。
それにしても、なんで襲われてたんだろう?
よく見ると、所々血で汚れていた!
慌ててヒールをかける。そりゃそうだよね、襲われてたんだから。
「これで大丈夫かな?」
ヒールをかけ終わって様子を見ようとしたら、羽毛の塊から顔が出てきた。
ちょっ!なにこの子!めちゃくちゃ可愛いんだけど!!
「君、大丈夫?」
なんとなく声をかけると、ビクッと反応して、慌てたように木の上に飛んで行ってしまった。
「あちゃー、驚かせちゃったかな?まぁモンスターだし仕方がないね。」
とりあえず飛んだって事は、怪我は大丈夫そうだね。
ホッとして、街に向かおうとした時、それは突然起こった。
何処からかナイフが飛んできたのだ。
一瞬早く気が付いたハティが、俺の服を引っ張って避けてくれたおかげで怪我はない。
いったい誰が!?夢やハティも気付かないなんて!
『刃物が飛んで来た方向に、人の気配を感じる。おそらく5人だと思うが、かなり反応が薄く、はっきりしない。』
ハティはナイフが飛んで来た方向をしっかり把握したみたい。
反応が薄いってのは、何らかのスキルを使っているのか!?
どうしよう!
今の戦闘で、みんなのMPも心許ない。
自分はまだ余力があるが、慣れていない上に対人戦!
こんな所で戦闘を任せっきりだったツケが回ってくるなんて!
どうしたら!?
悩んでいると、1人の男が顔を出した。
「よぅ、にーちゃん。ちとお願いがあるんだがよ。」
その男は薄汚れた服装で、ナイフを手に持ち、ニヤニヤと嫌な笑顔を浮かべている。
正直、関わりたくないタイプの人なんだけど、そう言う訳には行かないようだ。
「あんたの持ってるエンジェルムッカをこっちに寄越してくれねぇか?そしたら何もしないからよ。」
やはり狙いはキャトル!
「いきなりナイフを投げて来た人に何もしないと言われても、信用できないんですけど。」
『そんな子は居ない』なんて誤魔化すには演技が下手すぎてすぐバレるだろうし、そもそも確信をもってやっている気がする。
少しでも会話をして、作戦考えないと!
「なぁに、あれはちょっとした脅しさ。現に怪我しなかっただろ?」
確実に俺を狙って来てたよね!?
ハティの反応がよくて、キャトルを無傷で手に入れるのが面倒だと感じたのか?
「俺の身を保証してもらえるなら、街に戻って交渉しませんか?」
「そんな手間必要ないさ。ここで渡してくれればそれで終わりだ。」
やっぱり渡したら攻撃してくる気しかしない!
どうしよう!!
逃げる?でも人数居るみたいだし、森の奥に逃げ込んでも意味ないし。
戦う?不安要素が多過ぎるけど、少しでも隙がつければ街まで逃げられるかもしれない。
そう考えた時、目の前の男の後ろから、ガサッと音がして、木の上から別の男が落ちて来た。
「え?」
「なに!?まだ仲間が居たのか!この野郎!」
全く身に覚えが無いのだが、目の前の男は俺の仕業だと思ったのか、強硬手段と判断したのか、俺たちに向かって襲いかかって来た。
慌てて下がり距離をとり、夢とハティとネックが男との間に入って攻撃をしかける。
何故だか敵の援護はなく、簡単に倒すことができた。
拘束する物がなくて、とりあえず放置。まぁ気絶してるから、少しは問題ないだろう。
ネックに見張ってて貰って、周りの様子を伺う。
ハティの話では少なくとも5人は居たはずだし、誰かの乱入があったんだよね?
上の方で物音はしていたけど、いったいどうなってるというのだろうか?
気配を探っていると、木の上から降りてくる存在があった。
慌てて身構える。
降りて来たのは黒いフード付きのマントを深々と被った小柄な人だった。
この人が乱入者かな?だとしたら攻撃してたし、こいつらの仲間ではないと思うんだけど、新手の敵だったりするのかな?
「えっと、あなたは?」
恐る恐る聞いてみる。
かなり消耗していたMPが、1人とはいえ戦った事でかなりギリギリだ。
また戦うとなるときついし、多分この人かなり強い。その証拠に、ハティと夢の緊張や恐怖が強く感じられる。自分にはよく分からないけどね!
声をかけると、目の前の人が被っていたフードをとった。
女の人?
「驚かせてすまない。君達に攻撃する気はない。」
するとハティと夢の気が緩んだ。多分殺気的な物が無くなったんじゃないかな?俺でも、この人が喋った途端に雰囲気が良くなったのが分かったから。
と言うことは、助けてくれたって事で良いのかな?
「私はアルノーラ、奴らを追って来たの。」
【ホワイトアウル】
鋭い爪やくちばしを持ち、夜行性で闇に紛れて狩りをする。その為日中は木の上で過ごす。
身を守る為かなり分厚い羽毛に包まれている。
うん、やっぱり木に居た存在はこの種類だね。
それにしても、なんで襲われてたんだろう?
よく見ると、所々血で汚れていた!
慌ててヒールをかける。そりゃそうだよね、襲われてたんだから。
「これで大丈夫かな?」
ヒールをかけ終わって様子を見ようとしたら、羽毛の塊から顔が出てきた。
ちょっ!なにこの子!めちゃくちゃ可愛いんだけど!!
「君、大丈夫?」
なんとなく声をかけると、ビクッと反応して、慌てたように木の上に飛んで行ってしまった。
「あちゃー、驚かせちゃったかな?まぁモンスターだし仕方がないね。」
とりあえず飛んだって事は、怪我は大丈夫そうだね。
ホッとして、街に向かおうとした時、それは突然起こった。
何処からかナイフが飛んできたのだ。
一瞬早く気が付いたハティが、俺の服を引っ張って避けてくれたおかげで怪我はない。
いったい誰が!?夢やハティも気付かないなんて!
『刃物が飛んで来た方向に、人の気配を感じる。おそらく5人だと思うが、かなり反応が薄く、はっきりしない。』
ハティはナイフが飛んで来た方向をしっかり把握したみたい。
反応が薄いってのは、何らかのスキルを使っているのか!?
どうしよう!
今の戦闘で、みんなのMPも心許ない。
自分はまだ余力があるが、慣れていない上に対人戦!
こんな所で戦闘を任せっきりだったツケが回ってくるなんて!
どうしたら!?
悩んでいると、1人の男が顔を出した。
「よぅ、にーちゃん。ちとお願いがあるんだがよ。」
その男は薄汚れた服装で、ナイフを手に持ち、ニヤニヤと嫌な笑顔を浮かべている。
正直、関わりたくないタイプの人なんだけど、そう言う訳には行かないようだ。
「あんたの持ってるエンジェルムッカをこっちに寄越してくれねぇか?そしたら何もしないからよ。」
やはり狙いはキャトル!
「いきなりナイフを投げて来た人に何もしないと言われても、信用できないんですけど。」
『そんな子は居ない』なんて誤魔化すには演技が下手すぎてすぐバレるだろうし、そもそも確信をもってやっている気がする。
少しでも会話をして、作戦考えないと!
「なぁに、あれはちょっとした脅しさ。現に怪我しなかっただろ?」
確実に俺を狙って来てたよね!?
ハティの反応がよくて、キャトルを無傷で手に入れるのが面倒だと感じたのか?
「俺の身を保証してもらえるなら、街に戻って交渉しませんか?」
「そんな手間必要ないさ。ここで渡してくれればそれで終わりだ。」
やっぱり渡したら攻撃してくる気しかしない!
どうしよう!!
逃げる?でも人数居るみたいだし、森の奥に逃げ込んでも意味ないし。
戦う?不安要素が多過ぎるけど、少しでも隙がつければ街まで逃げられるかもしれない。
そう考えた時、目の前の男の後ろから、ガサッと音がして、木の上から別の男が落ちて来た。
「え?」
「なに!?まだ仲間が居たのか!この野郎!」
全く身に覚えが無いのだが、目の前の男は俺の仕業だと思ったのか、強硬手段と判断したのか、俺たちに向かって襲いかかって来た。
慌てて下がり距離をとり、夢とハティとネックが男との間に入って攻撃をしかける。
何故だか敵の援護はなく、簡単に倒すことができた。
拘束する物がなくて、とりあえず放置。まぁ気絶してるから、少しは問題ないだろう。
ネックに見張ってて貰って、周りの様子を伺う。
ハティの話では少なくとも5人は居たはずだし、誰かの乱入があったんだよね?
上の方で物音はしていたけど、いったいどうなってるというのだろうか?
気配を探っていると、木の上から降りてくる存在があった。
慌てて身構える。
降りて来たのは黒いフード付きのマントを深々と被った小柄な人だった。
この人が乱入者かな?だとしたら攻撃してたし、こいつらの仲間ではないと思うんだけど、新手の敵だったりするのかな?
「えっと、あなたは?」
恐る恐る聞いてみる。
かなり消耗していたMPが、1人とはいえ戦った事でかなりギリギリだ。
また戦うとなるときついし、多分この人かなり強い。その証拠に、ハティと夢の緊張や恐怖が強く感じられる。自分にはよく分からないけどね!
声をかけると、目の前の人が被っていたフードをとった。
女の人?
「驚かせてすまない。君達に攻撃する気はない。」
するとハティと夢の気が緩んだ。多分殺気的な物が無くなったんじゃないかな?俺でも、この人が喋った途端に雰囲気が良くなったのが分かったから。
と言うことは、助けてくれたって事で良いのかな?
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