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第4話 どこもかしこも美(機)人ばかり
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スカットセンター。それは戦闘型機人が自由に必殺技を放って、気分爽快になる場所の事である。バッティングセンターのようなものと表現すれば分かりやすいか。
それぞれ個室で、青い機人・ヴォルフォリオスと赤い機人・ドラグブレイバーは必殺技シークエンスへと入っていた。
背中の剣を取り出し、刃に火炎を発生させる。そのままドラグブレイバーはジャンプして大剣を大振りした。
「爆炎大斬! うぉらぁ!」
隣の部屋で両腕のビームガン、両脚のミドルライフル、両肩のビームパネルが六角形を描き、冷凍弾をヴォルフォリオスは掃射!
「マシンガンブリザード!」
気分スッキリ。双方は特殊防壁で出来た、フリーバトルルームから自動ドアを潜って、出て来る。
「いやぁ、超キモチイイー」
「仕事だと以外とあんまり派手に暴れられないからな。定期的にこういう場所で暴れないとな」
「ははは。言えてる、言えてる」
よっこらしょとドラグブレイバーは腰をベンチへと降ろした。
「ところでさぁ、ヴォルフォリオス」
「ん?」
「お前っちは女に興味あったりすんの?」
「何だよ急に」
「そういや、受付のねーちゃん、美人だなーって思って」
「受付?」
どれどれと、受付の方を見やる青い機人。
ロングヘアーに透き通った白い肌。整った顔立ちに、プロポーション抜群の肢体。まごうことなき、20代前半に見える女性であった。
「確かに、いわゆる美人ではあるな。だが……」
窓の外へとヴォルフォリオスは視点を移す。外には友人と思しき女性4名が歩いている姿があった。その外見年齢10代後半そこらの4人もタイプこそ違えどどれもスタイル抜群で美しかった。
「美しさを簡単に手に入る時代。美人なんてどこにでもいるんだよな」
同じく、赤の機人・ドラグブレイバーも外にいる美女4人眺めて、頷いた。
「美人ばっかだと、美人と言う概念そのものが分からなくなって来ちまうかもしんねぇやこりゃぁ」
「彼女らは皆、機人なのかそれとも……」
「外見だけじゃ、どっちか分かんねーし」
「よし。ではスキャンしてみよう。失敬……」
青のガンマン機人はスキャン機能を使い、外にいる4人の女性をスキャン。これにより、サーモグラフィー映像を着手。これによると、半分が人間で半分が機人と判明する。
「意外だな。前にいる2人は純然たる人間だぞ」
「ちょ、マジで? まー、元々美人なら機人なんかになる必要はねーってか?」
「だろうな。元々武器を持っているのなら、新たに得る必要はあるまい」
「あ、今更気付いた」
「何をだ?」
「ボインばっかだ。見事なまでに巨乳のパラダイス」
「言われてみれば……」
たゆんたゆん。ぷるんぷるん。見事なまでのワガママバストばかりである。受付のお姉さんを例外ではない。
「これってつまりは胸にコンプレックスがあるってことかぁ?」
「そうなるよな。あ、そういえば、ドラグブレイバー。知っているか。あの胸は収縮自在らしい。つまり、大きくて邪魔になる時は小さく出来るそうだ。昨日ネットでそういう話を見た」
「マジでか。パイオツはデカイと邪魔な時もありそうだもんなぁ。俺ら、男だから、人間のままでも一生分からねぇ話だけどよ」
「そうだな。……しかしながら、女という生き物は今も昔も大差はないようだ」
「どういう意味っしょ?」
「機人になれる話にしても、女は俺たち男と違ってメカメカしいものではなく、人間と瓜二つなモデルを好むのが圧倒的。便利な身体を大して求めていないんだ」
「不思議だよなー」
「そして、美しくなろうと必死になる。昔、胸を大きく魅せる服やら、細く見える服やら、美容に良い運動食事やらが何かと研究されていたそうだ」
「そんな涙ぐましい歴史があったんだなぁ~」
「ま、俺たちにはどうでもいい話だ。機人である俺たちは何でも出来て便利だ。女の支えなど必要ない」
「そもそも、生殖機能ねーから、惚れても意味ねー気がするし……」
「パートナーの女を探さなくても問題ない、イイ時代だな。本当に……」
「モテる為に努力するとか、メンドクセーだろうしなぁ」
ま、女なんてどーでもいっかと、2人の機人は軽く笑ってのけた。
それぞれ個室で、青い機人・ヴォルフォリオスと赤い機人・ドラグブレイバーは必殺技シークエンスへと入っていた。
背中の剣を取り出し、刃に火炎を発生させる。そのままドラグブレイバーはジャンプして大剣を大振りした。
「爆炎大斬! うぉらぁ!」
隣の部屋で両腕のビームガン、両脚のミドルライフル、両肩のビームパネルが六角形を描き、冷凍弾をヴォルフォリオスは掃射!
「マシンガンブリザード!」
気分スッキリ。双方は特殊防壁で出来た、フリーバトルルームから自動ドアを潜って、出て来る。
「いやぁ、超キモチイイー」
「仕事だと以外とあんまり派手に暴れられないからな。定期的にこういう場所で暴れないとな」
「ははは。言えてる、言えてる」
よっこらしょとドラグブレイバーは腰をベンチへと降ろした。
「ところでさぁ、ヴォルフォリオス」
「ん?」
「お前っちは女に興味あったりすんの?」
「何だよ急に」
「そういや、受付のねーちゃん、美人だなーって思って」
「受付?」
どれどれと、受付の方を見やる青い機人。
ロングヘアーに透き通った白い肌。整った顔立ちに、プロポーション抜群の肢体。まごうことなき、20代前半に見える女性であった。
「確かに、いわゆる美人ではあるな。だが……」
窓の外へとヴォルフォリオスは視点を移す。外には友人と思しき女性4名が歩いている姿があった。その外見年齢10代後半そこらの4人もタイプこそ違えどどれもスタイル抜群で美しかった。
「美しさを簡単に手に入る時代。美人なんてどこにでもいるんだよな」
同じく、赤の機人・ドラグブレイバーも外にいる美女4人眺めて、頷いた。
「美人ばっかだと、美人と言う概念そのものが分からなくなって来ちまうかもしんねぇやこりゃぁ」
「彼女らは皆、機人なのかそれとも……」
「外見だけじゃ、どっちか分かんねーし」
「よし。ではスキャンしてみよう。失敬……」
青のガンマン機人はスキャン機能を使い、外にいる4人の女性をスキャン。これにより、サーモグラフィー映像を着手。これによると、半分が人間で半分が機人と判明する。
「意外だな。前にいる2人は純然たる人間だぞ」
「ちょ、マジで? まー、元々美人なら機人なんかになる必要はねーってか?」
「だろうな。元々武器を持っているのなら、新たに得る必要はあるまい」
「あ、今更気付いた」
「何をだ?」
「ボインばっかだ。見事なまでに巨乳のパラダイス」
「言われてみれば……」
たゆんたゆん。ぷるんぷるん。見事なまでのワガママバストばかりである。受付のお姉さんを例外ではない。
「これってつまりは胸にコンプレックスがあるってことかぁ?」
「そうなるよな。あ、そういえば、ドラグブレイバー。知っているか。あの胸は収縮自在らしい。つまり、大きくて邪魔になる時は小さく出来るそうだ。昨日ネットでそういう話を見た」
「マジでか。パイオツはデカイと邪魔な時もありそうだもんなぁ。俺ら、男だから、人間のままでも一生分からねぇ話だけどよ」
「そうだな。……しかしながら、女という生き物は今も昔も大差はないようだ」
「どういう意味っしょ?」
「機人になれる話にしても、女は俺たち男と違ってメカメカしいものではなく、人間と瓜二つなモデルを好むのが圧倒的。便利な身体を大して求めていないんだ」
「不思議だよなー」
「そして、美しくなろうと必死になる。昔、胸を大きく魅せる服やら、細く見える服やら、美容に良い運動食事やらが何かと研究されていたそうだ」
「そんな涙ぐましい歴史があったんだなぁ~」
「ま、俺たちにはどうでもいい話だ。機人である俺たちは何でも出来て便利だ。女の支えなど必要ない」
「そもそも、生殖機能ねーから、惚れても意味ねー気がするし……」
「パートナーの女を探さなくても問題ない、イイ時代だな。本当に……」
「モテる為に努力するとか、メンドクセーだろうしなぁ」
ま、女なんてどーでもいっかと、2人の機人は軽く笑ってのけた。
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