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マクー大陸で家造り
付与魔法…
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ギルドと役所で、大勢の人に囲まれながら、用事を済ませ、ガガさんのお店に行った。
「なんだ?追加注文……げっ!」
僕の顔を見て怪訝そうに言葉をかけて来たガガさんが、ユピロー様の顔を見て驚いて固まってしまった。
「ふっ、ふっ、ふっ、ワシの曾孫の装備が出来とるそうだのう?」
ユ、ユピロー様が、いつもの感じとは違う笑顔で、ガガさんに近づく。
「曾孫?え?……」
またぁ……本当に、良いのかなぁ?
「そうじゃ、リョウは、ワシの孫の養い子だからのう。曾孫じゃ。そのリョウの装備に、昔のように怪しげな実験はしとらんだろうな?」
カクカクしたぎこちない仕草でガガさんは、首を上下に動かし、慌てて奥に引っ込んで僕の装備だと思われる物を抱えて出てきた。
「ちょ、丁度、昨夜出来上がったところです!し、試着してみて下さい!不具合があれば直ぐに調整しますから!」
そう言って装備をつきだして来た。
「ふむ、リョウや試着してみて、何かあれば直ぐに言うのだぞ」
え、えーと…
「分かりましたけど、その前に、怪しげな実験の内容聞いてもいいですか?」
「い、いや、それは…!」
言いたくなさそうなガガさんを手で制したユピローさまが、眉間にシワを寄せ。
「こやつらが、モンディール等を真似て、耐性魔法を付与したがるのだが、八十八パーセントの確率で、失敗しておったのだ。失敗した時点で使えなくなるものに関しては問題ないのだが、たまに、成功したように見えるものがあっての、それが困ったモノなのだ。例えば、装備すると火を吹き出し火傷で腕が使えなくなる手甲。足を動かすほどに重力がかかり地面にめり込む靴。周りの水分を凍らせる胸当て…」
「ちょ、ちょっと待って、本当にそんなの造っていたの?そんなの装備したら命を落とすかもしれないのに…て、結果が出てるということは…装備した人がいるの?」
「全て天界て行った事だったから、地上人に被害は出とらんが…ワシらとてダメージがないわけではないからのう。酷い目にあったわい」
「その言い方。ユピロー様、何か装備したの?」
「落雷の命中率を上げる錫杖というのを造ってくれたのだがな……放った雷が全て錫杖に集まってきてな、自分の魔術で消滅してしまいそうになったのだ。そこで、こやつらには付与魔法を禁止していたのだ。ちゃんと守っていたので感心しておったのになぁ…今回、良い素材が手に入ったせいで、悪い虫が出てきたらしい…のう?」
「め、滅相もない!です」
「はい!アレは、若気のいたり、い、今は、装備造りだけを邁進しております!」
「そうです!その通りです」
あれ?いつの間にか、ギギさんとググさんも出てきて三人並んで、ユピロー様の前で片膝付いて頭を下げている。
「ふむ、そういうことにしておくかのう。それに、付与魔法禁止は、精霊達にも伝えてあるから、お主達には使えんようになっておるからな」
「「「え?」」」
「知らんかったということは、本当に、今まで使わなかったのだな。その辺りは良い良い」
え?それって、禁止しておいて使おうとしたら、何か罰を与えようとしてたってこと?うわぁ…神様コワッ。
と、それより…
「ノワールさん、神様達って、魔術に対して無効や耐性のスキルを持っているんじゃないんですか?」
雷神であるユピローさまが、自分の放った雷で消滅するものなのか疑問に思ったからノワールさんにコソッと聞いてみた。
「神格化していても、全属性に対して耐性や無効を持っている方は少ないようです。ただし、ダメージを与えられるのは、神と同じぐらいの魔力量が必要ということなので、地上人では、歯が立たないでしょう」
「えーと、元々の神様達についてはよく知らないけど、神格化した火の精霊のモンディール様だったら、同じく神格化した水の精霊のウィン様なら消滅させることが可能ということ?」
「そうですね。火は水で消せますので、可能性はゼロではないと思いますが、神格化するような方は、弱点を克服している可能性もあるので、断定はできないですね」
「じゃぁ、やっぱり、雷神でもあるユピロー様が自分の雷で消滅っていうのはないんですよね?」
「そう思いますが…魔術による現象は、自分の持つ魔力で精霊を変化させるので、精霊が混ざった時点で『自分の』とは言えなくなります。更に、ユピロー様は、最高神でもあるので、魔力の質、量、共に、我々では想像出来ない域に達しておられますので、その事についても私にはわかりかねます」
「そうなんだ…」
そう言えば、ショゴースが出てきたとき、ショゴースを止められるのがユピロー様しかいなくて、それが出来るから、ユピロー様が最高神なのだ。とモンディール様が言っていたっけ……
「なんだ?追加注文……げっ!」
僕の顔を見て怪訝そうに言葉をかけて来たガガさんが、ユピロー様の顔を見て驚いて固まってしまった。
「ふっ、ふっ、ふっ、ワシの曾孫の装備が出来とるそうだのう?」
ユ、ユピロー様が、いつもの感じとは違う笑顔で、ガガさんに近づく。
「曾孫?え?……」
またぁ……本当に、良いのかなぁ?
「そうじゃ、リョウは、ワシの孫の養い子だからのう。曾孫じゃ。そのリョウの装備に、昔のように怪しげな実験はしとらんだろうな?」
カクカクしたぎこちない仕草でガガさんは、首を上下に動かし、慌てて奥に引っ込んで僕の装備だと思われる物を抱えて出てきた。
「ちょ、丁度、昨夜出来上がったところです!し、試着してみて下さい!不具合があれば直ぐに調整しますから!」
そう言って装備をつきだして来た。
「ふむ、リョウや試着してみて、何かあれば直ぐに言うのだぞ」
え、えーと…
「分かりましたけど、その前に、怪しげな実験の内容聞いてもいいですか?」
「い、いや、それは…!」
言いたくなさそうなガガさんを手で制したユピローさまが、眉間にシワを寄せ。
「こやつらが、モンディール等を真似て、耐性魔法を付与したがるのだが、八十八パーセントの確率で、失敗しておったのだ。失敗した時点で使えなくなるものに関しては問題ないのだが、たまに、成功したように見えるものがあっての、それが困ったモノなのだ。例えば、装備すると火を吹き出し火傷で腕が使えなくなる手甲。足を動かすほどに重力がかかり地面にめり込む靴。周りの水分を凍らせる胸当て…」
「ちょ、ちょっと待って、本当にそんなの造っていたの?そんなの装備したら命を落とすかもしれないのに…て、結果が出てるということは…装備した人がいるの?」
「全て天界て行った事だったから、地上人に被害は出とらんが…ワシらとてダメージがないわけではないからのう。酷い目にあったわい」
「その言い方。ユピロー様、何か装備したの?」
「落雷の命中率を上げる錫杖というのを造ってくれたのだがな……放った雷が全て錫杖に集まってきてな、自分の魔術で消滅してしまいそうになったのだ。そこで、こやつらには付与魔法を禁止していたのだ。ちゃんと守っていたので感心しておったのになぁ…今回、良い素材が手に入ったせいで、悪い虫が出てきたらしい…のう?」
「め、滅相もない!です」
「はい!アレは、若気のいたり、い、今は、装備造りだけを邁進しております!」
「そうです!その通りです」
あれ?いつの間にか、ギギさんとググさんも出てきて三人並んで、ユピロー様の前で片膝付いて頭を下げている。
「ふむ、そういうことにしておくかのう。それに、付与魔法禁止は、精霊達にも伝えてあるから、お主達には使えんようになっておるからな」
「「「え?」」」
「知らんかったということは、本当に、今まで使わなかったのだな。その辺りは良い良い」
え?それって、禁止しておいて使おうとしたら、何か罰を与えようとしてたってこと?うわぁ…神様コワッ。
と、それより…
「ノワールさん、神様達って、魔術に対して無効や耐性のスキルを持っているんじゃないんですか?」
雷神であるユピローさまが、自分の放った雷で消滅するものなのか疑問に思ったからノワールさんにコソッと聞いてみた。
「神格化していても、全属性に対して耐性や無効を持っている方は少ないようです。ただし、ダメージを与えられるのは、神と同じぐらいの魔力量が必要ということなので、地上人では、歯が立たないでしょう」
「えーと、元々の神様達についてはよく知らないけど、神格化した火の精霊のモンディール様だったら、同じく神格化した水の精霊のウィン様なら消滅させることが可能ということ?」
「そうですね。火は水で消せますので、可能性はゼロではないと思いますが、神格化するような方は、弱点を克服している可能性もあるので、断定はできないですね」
「じゃぁ、やっぱり、雷神でもあるユピロー様が自分の雷で消滅っていうのはないんですよね?」
「そう思いますが…魔術による現象は、自分の持つ魔力で精霊を変化させるので、精霊が混ざった時点で『自分の』とは言えなくなります。更に、ユピロー様は、最高神でもあるので、魔力の質、量、共に、我々では想像出来ない域に達しておられますので、その事についても私にはわかりかねます」
「そうなんだ…」
そう言えば、ショゴースが出てきたとき、ショゴースを止められるのがユピロー様しかいなくて、それが出来るから、ユピロー様が最高神なのだ。とモンディール様が言っていたっけ……
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