上 下
136 / 155
マクー大陸で家造り

タランティーヌ

しおりを挟む
「ユピロー様、シリュウやローサさんの様な方々はどうなんですか?」

「神器や神獣達は、地上で行った事が固定されるな。但し『地竜の剣』という名前ではない世界があったり、竜骨山を切ってすぐに粉々に砕け散ってしまった世界もある。ローサの奴も、身体をもらわず、槍のままの世界もあるぞ」

「ええ?そんなに違いが?」

「ワシらの干渉の仕方で大きく変わるからな。だからあまり干渉しないようにしていたんだがな…」

「どっぷりと居座ってるッスね」

「うっ…ま、まぁ、ダンジョンが安定するまでは気をつけんとならんしな…」

「それにしては、嬉々と魔獣や家造りしてませんでしたか?」

「うっ…ワシだって、子供や孫達と遊びたいのだ。少し位良いだろう!」

「悪いとは言ってないッスよ」

「はいはい。ユピロー様もシリュウもそれぐらいになさってくださいな」

「「!」」

「タランティーヌ様?」

 いつの間に現れた?

 ユピロー様とシリュウの掛け合いを聞きながらお茶を飲んでいたら突然僕の後ろから声が…危うくお茶を吹き出すところだった。
 食事をしなくてもいいはずなのに、食べることが大好きな女神は、少しふくよかで、笑みを絶やさない優しいお母さん感じで、親しみやすい。

「リョウくん、お久しぶり。元気そうね」

「はい、タランティーヌ様もお変わりなく!でも、どうしたのです突然現れたりして」

 ナビを介して話はしていたけど、会うのは…いつぶりだっけ?大分前だったような…

「ふふ、折角、旅行が好きそうで、食べることも好きそうな転移者を見つけたので会っておきたかったのよ」

「ああ、ヒデアキさんが気に入ったんですね」

「だって、その土地、その土地の美味しいものが食べたいような事言っていたから、そういう楽しみ方が出来る人に、各大陸ならではという物を見つけ出して欲しいのよ」

「ん?郷土料理とか作るんですか?」

「そう、これから、どんどん移動が盛んになるし、それぞれの大陸ならではの物がダンジョンだけなんて冒険者以外楽しめないじゃない。もっと一般でも楽しめるように、美味しいものがあれば良いでしょ?一、二種類じゃなく、沢山あればあるほど良いと思うのよ。しかも、転移者の知識で、こちらでは、まだ食べられていない物も探しだして来てくれそうじゃない」

「え?その辺りの管理は、タランティーヌ様がしてるんじゃないんですか?」

「元になったものだけね。進化したものは把握しきれてないものもあるの」

「それは、私も冒険者になれということですか?」

「ふふーん、昔と違って、誰でも冒険者になれるようになった事だし、ドキュメンタリー映画なんてのもいいと思わない?」

「各大陸のピーアール映像にもなりますね」

「料理店のいい宣伝にもなるわよ」

「ちょっと、面白そうですね」

「魔術が使えないあなたじゃ不安だろうから、本職の冒険者を雇ってね。ねぇ、リョウくん、どうかしら?」

「ん?んん?それって、僕達が指名依頼されるってことですか?」

「さぁ、それは、その時になってみないと分からないけど、ハバーに行った時には、されるかも?他の大陸もあなた達なら大丈夫でしょ?」

 タランティーヌ様の言葉に、シリュウやノワールさんの様子を伺うと二人とも興味がありそうな顔をしてる。

「新しい料理が食べられるんスね。いいスッねぇ」

「ええ、それに、秘境などにも行ってみたいと思っておりました」

 やったぁ!反対意見はなかった。

「面白そうですね。ヒデアキさん、その時は、是非!誘ってください!」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

目覚めたら異世界でチートで活躍出来た。

みみっく
ファンタジー
社畜で酷使されていた男が自宅で寝ていたが目覚めると異世界で可愛い幼馴染みと言う女の子と生活を送る事になった。 初めは運動少し出来るくらいだったがステータスを見つけてから人生が変わりだす。 剣と魔法もありの異世界で活躍していく。

単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね
恋愛
主人公の父は会社の諸事情で、短期間で有るはずの単身赴任生活を現在もしている。 休暇を取り僅かだが、本来の住まいに戻った時、単身赴任の父の元に『夏休み、遊びに行く!』と急に言い出す娘。 家族は何故かそれを止めずにその日がやって来てしまう。 短いけど、父と娘と過ごす2人の生活が始まる…… 恋愛小説ですが激しい要素はあまり無く、ほのぼの、まったり系が強いです……

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

元銀行員の俺が異世界で経営コンサルタントに転職しました

きゅちゃん
ファンタジー
元エリート (?)銀行員の高山左近が異世界に転生し、コンサルタントとしてがんばるお話です。武器屋の経営を改善したり、王国軍の人事制度を改定していったりして、異世界でビジネススキルを磨きつつ、まったり立身出世していく予定です。 元エリートではないものの銀行員、現小売で働く意識高い系の筆者が実体験や付け焼き刃の知識を元に書いていますので、ツッコミどころが多々あるかもしれません。 もしかしたらひょっとすると仕事で役に立つかもしれない…そんな気軽な気持ちで読んで頂ければと思います。

迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~

飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。 彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。 独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。 この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。 ※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。

禍羽根の王 〜序列0位の超級魔法士は、優雅なる潜入調査の日々を楽しむ〜

しののめ すぴこ
ファンタジー
——この世界の秩序と安寧は、魔法士が支えている—— 序列0位の最強魔法士として、皇帝陛下直属の近衛師団で暗躍する、主人公の累。 彼は特異な命のサイクルの中に生きていた。穢れや、魔を、喰らうことが出来るのだ。 そんな累は従者を連れて、放蕩するかの如く、気ままに穢れを殲滅する日々を送っていたが、ある日、魔法学校・紺碧校に潜入調査へ向かい……。 近衛師団の超級魔法士が、身分を隠して魔法学校に潜入調査。 体術はてんでダメで、ちょっぴり世間知らずの主人公が、本意じゃ無いのに周りに崇拝されたりしながら、任務を遂行するお話です。 小説になろう様でも投稿中(https://ncode.syosetu.com/n3231fh/)

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

召還社畜と魔法の豪邸

紫 十的
ファンタジー
魔法仕掛けの古い豪邸に残された6歳の少女「ノア」 そこに次々と召喚される男の人、女の人。ところが、誰もかれもがノアをそっちのけで言い争うばかり。 もしかしたら怒られるかもと、絶望するノア。 でも、最後に喚ばれた人は、他の人たちとはちょっぴり違う人でした。 魔法も知らず、力もちでもない、シャチクとかいう人。 その人は、言い争いをたったの一言で鎮めたり、いじわるな領主から沢山のお土産をもらってきたりと大活躍。 どうしてそうなるのかノアには不思議でたまりません。 でも、それは、次々起こる不思議で幸せな出来事の始まりに過ぎなかったのでした。 ※ プロローグの女の子が幸せになる話です ※ 『小説家になろう』様にも「召還社畜と魔法の豪邸 ~召喚されたおかげでデスマーチから逃れたので家主の少女とのんびり暮らす予定です~」というタイトルで投稿しています。

処理中です...