何をすれば良い?[なんでも屋の日常]

kaoru

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土地開発?

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「あら、植物達はそんなに弱くないわよ」

「そうよねぇ。ちゃんと、土地に合ったように進化し続けているじゃない」

「それに、乾燥した土より、水分が多い方が大きく育つわよ」

「そうよねぇ」

「これこれ、突然、会話に加わるでない、皆が驚くだろう。それにな、今の世の人間の食べる植物は、赤い土では、うまく育たんものが多いのだぞ。そういうことも考えてやらんとな」

「知ってますぅ。知ってるけど、言ってみたんですぅ」

「そうよ。ここの赤土は、良い粘土になるんだから、悪くいわれたくないんですぅ!」

 突然声がしたので、そちらを見ると、薪ストーブの横につまれた薪の上、小さなサイズの大黒さまとその横に同じサイズのとてもよく似た綺麗な女神が二柱がおわす。

 神々は、近いうちに行くとか何とか言いながら、平気で、一月や一年たった頃に、ふらりとやってくる。時間の感覚が違うのだから仕方がないが、何か約束した場合は、きちんと期限を決めないと、こちらが痛い目に遭ってしまう。そんな、教訓から、三日以内にと言ったのだが…

「昨日の今日とは、お早いお着きですね」

「なに、国常の処に行く前に、こやつらにおおてな、暇してたから声をかけてみたら、ここらには、来たことがないから行ってみたいと言うので、連れてきたのだ」

「えーと、暇してたって…、観光だけですか?」

「いや、そんなわけなかろう。水波能女神みずはのめのかみ埴山毘売神はにやまひのめかみだぞ。ちょうど良い、神選だろ?」

「はぁ?伊邪那美命いざなみのみことの末娘の神々?って、大黒さまより、古い神々じゃないですか!」

「うむ。恵比寿の一番下の妹達だ」

 …………。

「どうしましょう」
「神生みの、最後の姉妹神が来てくださるとは…」
「でも、ちょうど良いじゃないですか、相談してみましょ」

「えっ、ちょ、神部くん!」

 予想していた神とは違う神がきたので、社長達は戸惑ったが、神部は、ちょうど良い神が来たと、説明を始めてしまう。

「ふーん、で、その湖を広げた方がいいの?それとも広げない方がいいの?」

「社長!どっちがいいんですかね?」

「あ、いや、地形とか観て決まるんじゃないんですか?」

「え?土と水の神様ですよ。そんなの自由にできるでしょう」

「そ、そうなんでしょうか?」

「んー、その湖に主は居るの?」

「はい、白い亀がおります」

「じゃぁ、その子に聞いた方がいいわね。畑の方も、みてあげるわ、良い粘土があれば、ちょうだいね」

「あ、はい。それは、どうぞお持ちください」

「はい、神部とやら、案内して」

「はぁ?俺ですか?まだ、朝飯食べてないんで、遠慮します。社長、お願いできますか?」

「か、神部くん!指名されたのですから、神部くんが行くべきでしょう」

「えー」

「「えー」言わない!」









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