26 / 51
第一章 碧玉
二十五話
しおりを挟む
「味というより、食感によって好き嫌いが別れるということでしょうか?」
食感で好き嫌い…神父様がそんなふうに言ったけど、イヤな食感ってあったかなぁ?
「そうなのかもしれないね。私の知りいでも、小さく切った具や潰した物のスープはいいが、大きな具のスープは、好きではないという者がいますからね」
「そうなの?同じ食材でも?」
「そうだよ。さっきクク様が言っていたように、芋のざらつく食感がイヤだと言っていたね」
「そうなんだ。大きくても小さくても美味しいのに」
ザラザラなんてしてたかな?気にしたことないから分からないや。
「フー様は、苦手な食べ物はないのですか?」
「えーと、生野菜が苦手です。苦いのがイヤなんです」
「ああ、分かります。実は、私も苦手なんです。塩漬けや火が通してあれば平気なんですけどね」
「そう!ワタシもです。あっ、貝の干物」
話ながら、食感で苦手なものを考えていたら、思い出した。
「貝の干物がどうかしましたか?」
「貝の干物が、味は嫌いじゃないけど、あのもにゅもにゅとした噛みごたえが苦手です」
「生野菜?貝の干物?ここにあるか?」
「フーの嫌いな物に興味があるのですね。でも、旅に出るので、持ってきてもらってないので、機会があったら試してみましょう」
「キライじゃなくて、ちょっと、ニガテなだけですよ…」
「はいはい。さて、食べ物の話はこれぐらいにして、大事な話をしようかね」
もぉー、ニガテなだけというのも大事な事なのに…
「今回、隣国が戦の準備をしていると言ったけど、その戦の旗印として、サウト様の土地を奪還すると言っているんだよ」
突然、先生が隣国の話をしだした。先生は、ワタシを見て言ってる。
神父様もクク様もワタシを見てる。
えーと、ワタシ以外は皆知ってることなのかな?
でも…
「サウト様?ダッカン?」
「先ず、サウト様は、朝焼けの女神なんだよ。だから、隣国から見て朝日が昇るこちらの国はサウト様の土地となる。と、隣国は言っているんだよ。そして、隣国でサウト様を信仰している教団が、王族を味方につけて、土地を返してもらうために戦おうとしてるんだよ」
「サウト様は、朝焼けの女神。でも、朝日は海の向こうから昇ってくるよ?それなのに、サウト様の土地だと言うの?サウト様が返して欲しいって言ったの?」
「サウト様は、そんなこと言ってないよ。隣国の者が勝手に言っているんだよ。そして、その事を知ってサウト様の父、アーレィ様がお怒りになって、クーリィ達に止めさせようとしているんだよ。そして、私のところにも使者が来たんだよ」
「えーと?隣国の事を怒って、その隣国を止めようとするのになんで父さん達が連れていかれたの?」
「それはね。クーリィが英雄で、ハウトが、夕焼けの女神だからだよ」
「父さんがエイユウ?で、母さんが…女神?えっ?女神って?女神様?」
あれ?ワタシ、何、言ってるんだろ?
食感で好き嫌い…神父様がそんなふうに言ったけど、イヤな食感ってあったかなぁ?
「そうなのかもしれないね。私の知りいでも、小さく切った具や潰した物のスープはいいが、大きな具のスープは、好きではないという者がいますからね」
「そうなの?同じ食材でも?」
「そうだよ。さっきクク様が言っていたように、芋のざらつく食感がイヤだと言っていたね」
「そうなんだ。大きくても小さくても美味しいのに」
ザラザラなんてしてたかな?気にしたことないから分からないや。
「フー様は、苦手な食べ物はないのですか?」
「えーと、生野菜が苦手です。苦いのがイヤなんです」
「ああ、分かります。実は、私も苦手なんです。塩漬けや火が通してあれば平気なんですけどね」
「そう!ワタシもです。あっ、貝の干物」
話ながら、食感で苦手なものを考えていたら、思い出した。
「貝の干物がどうかしましたか?」
「貝の干物が、味は嫌いじゃないけど、あのもにゅもにゅとした噛みごたえが苦手です」
「生野菜?貝の干物?ここにあるか?」
「フーの嫌いな物に興味があるのですね。でも、旅に出るので、持ってきてもらってないので、機会があったら試してみましょう」
「キライじゃなくて、ちょっと、ニガテなだけですよ…」
「はいはい。さて、食べ物の話はこれぐらいにして、大事な話をしようかね」
もぉー、ニガテなだけというのも大事な事なのに…
「今回、隣国が戦の準備をしていると言ったけど、その戦の旗印として、サウト様の土地を奪還すると言っているんだよ」
突然、先生が隣国の話をしだした。先生は、ワタシを見て言ってる。
神父様もクク様もワタシを見てる。
えーと、ワタシ以外は皆知ってることなのかな?
でも…
「サウト様?ダッカン?」
「先ず、サウト様は、朝焼けの女神なんだよ。だから、隣国から見て朝日が昇るこちらの国はサウト様の土地となる。と、隣国は言っているんだよ。そして、隣国でサウト様を信仰している教団が、王族を味方につけて、土地を返してもらうために戦おうとしてるんだよ」
「サウト様は、朝焼けの女神。でも、朝日は海の向こうから昇ってくるよ?それなのに、サウト様の土地だと言うの?サウト様が返して欲しいって言ったの?」
「サウト様は、そんなこと言ってないよ。隣国の者が勝手に言っているんだよ。そして、その事を知ってサウト様の父、アーレィ様がお怒りになって、クーリィ達に止めさせようとしているんだよ。そして、私のところにも使者が来たんだよ」
「えーと?隣国の事を怒って、その隣国を止めようとするのになんで父さん達が連れていかれたの?」
「それはね。クーリィが英雄で、ハウトが、夕焼けの女神だからだよ」
「父さんがエイユウ?で、母さんが…女神?えっ?女神って?女神様?」
あれ?ワタシ、何、言ってるんだろ?
0
あなたにおすすめの小説
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした
茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。
貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。
母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。
バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。
しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる