異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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冒険の始まり

ハバー大陸一周の旅 72

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 話が落ち着いたので、それぞれの職場に戻ろうかという話を出したところで、メリロットが、何やら思い出した。

「あれ、そういえば、さっきユキちゃんが、気になること言ってなかった?」

「気になること?」

「何ですか?」

「女王様が、パンケーキを作って欲しいとかなんとか…ディル、あなた、雪の女王様に会ったことあるの?」

「あ、そういえば、出国手続きとかせずに、エンプ大陸の雪の女王の城に行ってきちゃった」

「ええ?何よそれ?どういう事!説明して!」

 う、ギルドの二人まで、立ち上がりかけてた腰を椅子に戻し話を聞く体制に戻ってしまった。
 災害が起きてからの事をざっと話て女王の城だけじゃなく、空から、五大陸を観てきた事も話をすると…

「「はぁ…」」

 皆、揃ってため息を…いや、メリロットは、途中で踏ん張った。おお!

 変なところに感心していると、そのメリロットが、睨んできた。

「本当だったら、規則違反で罰金が課せられるところだけど、ユピロー様に、アガトー様、シス様が行った事だから…」

「神々の行いは…問題にはできん。烈震様方の事と一緒で…」

「そうなりますね。次に行くときは、役所か、ギルドにちゃんと連絡してからにしてね」

「分かった。気を付けるよ」

 その後、空を移動出来る手段がある場合も、届け出が必要なのだと言われ、岩山の外に出て、人の居ないところでバレンを皆に紹介し、届けを出しにギルドへ向かう。
 特殊な依頼で必要なときに、指名依頼が出来るように、把握しておきたいのだという。なので、強制ではないが、指名されたらなるべく受けて欲しいとお願いされた。

 せっかくギルドに来たついでに、トガレーでの依頼達成報酬を貰う。その時に、リョウの冒険者の等級が、技能試験の等級と並んだので、試験を受ける必要があると言われた。
 リョウは喜んで直ぐに受けたそうだったが、災害の後処理で、皆、出払っているため、日を改める事にし、ギルドを出た。

『ミンテ、今どこにいる?』

 クラリーちゃんと一緒にいるミンテに念話で問うと直ぐに…

『モン族の鍛練場にいますよ。タリクとカトリーナもいて、皆でご飯食べてます』

 という返事が帰ってきた。

「クラリーちゃんは、タリクさん達と合流して昼食中らしい。俺達も、市場で何か食べてから合流しようか」

「うん、賛成!マトンの串焼き食べよう。ワンさんのが食べたい」

 リョウの意見に皆が賛成したので、市場に入る。朝、来たときにいた人達は、役所の人に災害とダンジョンの説明をざっと聞き帰っていったそうだ。因みに、ギルドの俺達の担当になったハリーさんは、マスター命令でダンジョンの情報を集めていたそうだ。
 そして、ダンジョン創りしてるリョウに会ったんだから、運が良いようだ。と、しておく…

 市場は、三分の一ぐらいの店しか開いていなかった。ワンさんも休みかと、少し焦ったが、ちゃんと営業していて一安心。
 マトンはもちろん、今日は、川魚の塩焼きや焼きテオのショーユ味に、野菜の串焼きも数種類買ってから、市場の一画にある休憩場のテーブルで食べる。

「このショーユも転異者が広めたモノだけど、こうして焼いたときの香りがいいな」

「だよねー、焼きもろこしも良いけど、魚介類のバター醤油焼きとか、焼おにぎりとか、炒め物なんかも醤油味好きだったなぁ」

「バターとも相性いいのか…」

 バターは、ミンテに持たせてあった…う、今は試せないな…

「ショーユも購入しておきたいな、市場内で買えるか見てみるか」

「やったぁ、お米とかはないのかな?思い出したら、焼おにぎり食べたくなった」

「オコメ…聞いたことがある。スーン大陸と、転異者の島で栽培しているとか」

「お、やったぁ。おにぎりとか、チャーハンなんかも食べられる」

 リョウが、すごく嬉しそうだ。

「オコメはそんなに美味しいですか?」

 ユキも興味を示してる。

「うん、甘味があって美味しいよ。それに、こういった料理とかとも相性がよくて、パンの変わりになるものなんだ。おにぎりとかは、携帯向きだから、お弁当によく使われるしね」

「食べてみたいです」

「うん、ダンジョン創りしたら、大陸渡って食べに行こうね」

「いつですか?」

「えーと、それは、ちょっとわからないかな…頑張って創るから待ってて」

「分かったです」

 へぇ、オニギリというのは、携帯も出来るのか、職人達にも需要がありそうだな…パンの変わりにもなるというし、バレンで行ってもいいかもしれない…時間が出来たら、提案してみるか…


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