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冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 64
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「で、この床のぷよぷよしたものは?」
「リョウに教えてもらった新たな魔獣、スライムじゃよ」
「これが?」
「うむ、まだ、魂は与えておらん、なんでも、初心者から、上級者まで対応出来るほど種類も多いらしくての、転異者や話を聞いた魔族の者達からも、創ってほしいと言われていたのだ」
「これが、そんなにスゴい魔獣なのか?」
新たに、リョウに向かって聞いてみる。
すると、気を取り直したリョウが、手に持っていた紙を見せてきた。
「そうだよ。こんな感じのスライムは、戦い慣れてない最初に出て来るモンスターで、倒すと薬草とか落としてくれるから、余計に初心者向けなんだ」
「これに目がつくのか?」
リョウが描いたらしい絵を見て更に驚く、雫型のぷよぷよしたものに大きなパッチリとした目が描かれてる。
「うん、これはゲームのデザインそのままのを描いたからね。設定にやよっては、目がなかったりするよ」
「へぇー、これの種類が多くいる?色が違うだけか?」
「違うよ。精霊みたいに属性毎に色々出来るモノや、他のモンスターと融合したようなのがいて、戦闘力が高いものや、特殊なスキルを持っていて、とんでもないモノに進化しちゃうのがいたりするんだよ」
「とんでもないモノ?」
「そう竜王とか、神みたいな存在にも勝っちゃうような…」
「うぎゃ?」
「作り話で、いろんな風に設定されているんだよ」
「ギャーゥ」
「本当だよぉ」
途中でスライムに乗り何やら楽しんでる烈震の横やりが入った。
しかし、そんなに、種類が多く書かれるということは、このぷよぷよとしたスライムという魔獣は、リョウの世界では人気があるらしい。
「これが、そんなにスゴい魔獣になるのか…」
足元にある透き通った青色の一つを持ち上げてみた大きさは三十センチ程だが、持ち上げるとでろーんと伸びるので慌てて掬い上げるようにして抱き抱えた。
「これぐらいのも良いけど、もっと固くて普段は伸びなくて、ポヨンって弾む感じのも欲しいなぁ」
俺の様子を見てリョウが紙に何か書き加えている。
「まぁ、そういった動作関連は魂を与えた時に設定すればよいぞ」
「そうなんだ。じゃぁ、もっとでろーんと溶けた様な感じのも作れるって事?」
「う、うむ、まぁ、お主のイメージがしっかりしておれば、創れないこともないと思うが…」
「じゃぁ、海にいるクラゲみたいな感じで、宙に浮かんだりしてるモノは?」
「なぬ?宙に浮く…重力操作か、ガランの奴に頼むか…」
「後はねー」
次々と、提案してくるリョウに対して、じいちゃんが、目を白黒させながら対応している。
「ふふふ、ユピロー様のこんな姿が見れるなんて、リョウくん凄いわね」
いつの間にか部屋の隅にスライム達を集め椅子のようにして寛ぎながら、じいちゃんの慌てぶりを面白そうに観ているシスがいた…
よくよく考えてみれば、神としての格や年齢はじいちゃんが上でも、地上では、シスが義母で、じいちゃんが入婿という感じで…
ああ、もうややこしい、神なんて親族に持つもんじゃないな…
「ディル?何か失礼な事考えてない?」
ん?考えは読まれなくなったと言っていたよな?
「顔に出てるわよ。まだまだ、子供ね」
うう、そんな良い笑顔で…凹むなぁ…
「な、なんか、長くかかりそうだから、俺は、夕飯の準備してくるよ」
『手伝います!』
シスから逃げる為に提案すると、ココが飛び付いてきた。
『ワレも、食べ物の方が良いッス』
地竜の剣の良く通る声を聞き、スライムで遊んでいたユキとクラリーちゃんもこちらに来て、手伝ってくれるという。
どうやらスライムが、気に入った烈震とミンテは残り、リョウの話を興味深く聞いている。
バレンは、朝から頑張ってくれたので、シスに預け、俺達は夕飯の準備の為に外へ…って、まだ、皆が覗いていた。
「ディルさん、理解出来ました?ここが、観光地になるとかなんとか、訳が分からないのですが…」
「まぁ、少しは…夕飯の準備しながらで良いですか?それと、部屋がこんな状態なので、外で食べても良いですか?」
「では、皆で用意して、食事中に詳しく聞いても良いですか?」
「ああ、それならじいちゃん達に、更に、詳しく説明してもらえますね。そうしましょう」
急遽、集落全体の食事会となった。
「リョウに教えてもらった新たな魔獣、スライムじゃよ」
「これが?」
「うむ、まだ、魂は与えておらん、なんでも、初心者から、上級者まで対応出来るほど種類も多いらしくての、転異者や話を聞いた魔族の者達からも、創ってほしいと言われていたのだ」
「これが、そんなにスゴい魔獣なのか?」
新たに、リョウに向かって聞いてみる。
すると、気を取り直したリョウが、手に持っていた紙を見せてきた。
「そうだよ。こんな感じのスライムは、戦い慣れてない最初に出て来るモンスターで、倒すと薬草とか落としてくれるから、余計に初心者向けなんだ」
「これに目がつくのか?」
リョウが描いたらしい絵を見て更に驚く、雫型のぷよぷよしたものに大きなパッチリとした目が描かれてる。
「うん、これはゲームのデザインそのままのを描いたからね。設定にやよっては、目がなかったりするよ」
「へぇー、これの種類が多くいる?色が違うだけか?」
「違うよ。精霊みたいに属性毎に色々出来るモノや、他のモンスターと融合したようなのがいて、戦闘力が高いものや、特殊なスキルを持っていて、とんでもないモノに進化しちゃうのがいたりするんだよ」
「とんでもないモノ?」
「そう竜王とか、神みたいな存在にも勝っちゃうような…」
「うぎゃ?」
「作り話で、いろんな風に設定されているんだよ」
「ギャーゥ」
「本当だよぉ」
途中でスライムに乗り何やら楽しんでる烈震の横やりが入った。
しかし、そんなに、種類が多く書かれるということは、このぷよぷよとしたスライムという魔獣は、リョウの世界では人気があるらしい。
「これが、そんなにスゴい魔獣になるのか…」
足元にある透き通った青色の一つを持ち上げてみた大きさは三十センチ程だが、持ち上げるとでろーんと伸びるので慌てて掬い上げるようにして抱き抱えた。
「これぐらいのも良いけど、もっと固くて普段は伸びなくて、ポヨンって弾む感じのも欲しいなぁ」
俺の様子を見てリョウが紙に何か書き加えている。
「まぁ、そういった動作関連は魂を与えた時に設定すればよいぞ」
「そうなんだ。じゃぁ、もっとでろーんと溶けた様な感じのも作れるって事?」
「う、うむ、まぁ、お主のイメージがしっかりしておれば、創れないこともないと思うが…」
「じゃぁ、海にいるクラゲみたいな感じで、宙に浮かんだりしてるモノは?」
「なぬ?宙に浮く…重力操作か、ガランの奴に頼むか…」
「後はねー」
次々と、提案してくるリョウに対して、じいちゃんが、目を白黒させながら対応している。
「ふふふ、ユピロー様のこんな姿が見れるなんて、リョウくん凄いわね」
いつの間にか部屋の隅にスライム達を集め椅子のようにして寛ぎながら、じいちゃんの慌てぶりを面白そうに観ているシスがいた…
よくよく考えてみれば、神としての格や年齢はじいちゃんが上でも、地上では、シスが義母で、じいちゃんが入婿という感じで…
ああ、もうややこしい、神なんて親族に持つもんじゃないな…
「ディル?何か失礼な事考えてない?」
ん?考えは読まれなくなったと言っていたよな?
「顔に出てるわよ。まだまだ、子供ね」
うう、そんな良い笑顔で…凹むなぁ…
「な、なんか、長くかかりそうだから、俺は、夕飯の準備してくるよ」
『手伝います!』
シスから逃げる為に提案すると、ココが飛び付いてきた。
『ワレも、食べ物の方が良いッス』
地竜の剣の良く通る声を聞き、スライムで遊んでいたユキとクラリーちゃんもこちらに来て、手伝ってくれるという。
どうやらスライムが、気に入った烈震とミンテは残り、リョウの話を興味深く聞いている。
バレンは、朝から頑張ってくれたので、シスに預け、俺達は夕飯の準備の為に外へ…って、まだ、皆が覗いていた。
「ディルさん、理解出来ました?ここが、観光地になるとかなんとか、訳が分からないのですが…」
「まぁ、少しは…夕飯の準備しながらで良いですか?それと、部屋がこんな状態なので、外で食べても良いですか?」
「では、皆で用意して、食事中に詳しく聞いても良いですか?」
「ああ、それならじいちゃん達に、更に、詳しく説明してもらえますね。そうしましょう」
急遽、集落全体の食事会となった。
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