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冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 58
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皆で、食事となったのだが、雪ん子達が面白い、元は同じだと思うのだが、どういう原理か、エルフぽい子は野菜を好み、獣人ぽい子は肉に群がり、人族ぽい子は、バランスが良いし、ドワーフぽい子は、パンにいろいろ挟み食べながら調理器具に興味を示して、何かわちゃわちゃしている。
魔族ぽい子は、数人でかたまり、もくもく食べながら、時々、ひそひそ話してる。
き、気になるなぁ…
女王様やアガトー様は、食べてはいるけれど、どちらかというと、雪ん子達を見て楽しんでる感じがする。でも、女王様は、ユキがすすめた蒸し野菜が気に入ったらしく、ユキと一緒におかわりして食べていた。
鍋や大皿が空いていき、それぞれのお皿も空いてきたところで、デザートの準備をする。
女王様が作り出した氷の器に液を入れ、泡立て器や風魔法を使いかき混ぜる。俺も、ベリーのアイスバター無しのを精霊達にお願いして混ぜていると、独特な粘りが出てきた。
どうやら完成らしい。
先ず、女王様に味見をしてもらうと、一番多くバターを入れたバニラを気にいったようだった。アガトー様は、俺が作ったバター無しベリーアイス、あっさりが良いとか。しかも、精霊達のお陰で、疲労回復が付いていた。
クラリーちゃんは、残念ながらバニラアイスを食べれなかったけど、ベリーアイスを堪能していた。
「転異者の街にも、アイスクリームを扱う店があり。美味しいと聞いてましたが、これは良いですね」
「確かに、ただ凍らせるシャリシャリ感も良いけど、この柔らかい感じも、良いですね」
「しかも、女王も作れるんですから、城での楽しみが増えたな」
アガトー様が、そう言って女王を見れば、コクりと頷き、微かに笑みを見せたように感じた。
食後、子供達に、雪ん子達と遊ぶように促すと、リョウ達は喜び、女王を交え何やら相談しだした。
俺は、精霊や雪の乙女達と片付けをすることにしたのだが、そこに、ドワーフぽい子と、人族ぽい子が数名ついてきて手伝ってくれた。
片付けが終わり玉座の間に戻ると、大きな鏡を皆で覗いてなにやらしている。
少し離れたところで様子を見ているアガトー様に近づくと、嬉しそうに微笑みながら、口を開く。
「リョウくんが提案してくれましてね。城の下の階を迷路の様にしているんですよ」
「迷路ですか?」
「何でも、リョウくんが居たところのゲームで、そういう所に入り、魔物と戦ったり、宝探しをするとかで、雪ん子達の遊び場にすることにしたんです」
「ああ、ダンジョン感覚ですね」
「そうです。しかも、こちらのモノとは違い、かなり良い収入になるとか」
「そうみたいですね。便利なモノは、倒した時点で素材が取れて、解体の必要もないとか、但し、ランダムだから欲しい素材が手にはいるかは難しいらしいですが」
「おや?それって…」
俺の言葉を聞き、アガトー様が何か言いかけたが、直ぐに考え込んでしまった。
「どうしました?」
「あっ、失礼しました。ちょっと、思い出した事があって、似たような話をこの大陸の者から聞いたことがありました」
「ここにも、転異者の情報が、入ってきてたんですね。そういえば、リョウに話を聞いたとき、魔族の研究者が興味を持って、そういうダンジョンを作るんじゃないかって話してたんですよ」
「はは、流石、ユピロー様の血筋ということですかねぇ」
「え?」
「あっ……まだ、内緒の事でした…どうか、御内密に…」
「「……」」
う、うん、リョウが喜ぶものが増えたということだな。
それから、迷路の中で右往左往しながら、女王達が用意した宝箱探しをする雪ん子達の動きを皆で楽しみ。一区切りついたところで、帰ることにする。
「私が送りますね」
そのついでに、ゲトー大陸に行き川を落ち着かせましょうと…アガトー様が呟く。
うう、そうだった…
自分がとんでもないことを仕出かしたのだった…
「申し訳ないです。ちょっと、被害状況が見たいので、バレンに乗って帰ります。でも、じいちゃんが、リョウ達に何か頼みたい事があるみたいなので、俺とバレン以外は、お願いできますか?」
「それは、構いませんが…私が言って、説得力があるか分かりませんが、あまり気にしない方が良いですよ。地上人に迷惑がかかりますが、長い目で観ると、時々、災害を起こすことも、この地上の為なのですから」
「え?そうなんですか?」
「まぁ、私達の感覚的な事なので、説明しにくいのですが、放っておくと、動植物関係なく、共喰いといいますか、同属同士、足の引っ張りあいをしだすんですよね。何故なのか、分かりませんが、そうなると、災害よりも酷い状態になり、数十年、いや、数百年単位で生き物が地上から消えた事もあったんですよ」
「そうなんですか?でも、神話では…」
「そんなこと書いてもつまらないですからね。とばしてありますよ。ハッハッハッ」
と、良い笑顔で、ぶっちゃけてくれた…
まぁ、そうですね。と、無理やり自分を納得させたが…何か、教訓みたいなものはあった方が…争い事が好きな統治者が酷い目に遭う話はいくつかあるけど…地上から動植物が消える原因も大事でしょう。
帰ったら、じいちゃんに話してみるか。
魔族ぽい子は、数人でかたまり、もくもく食べながら、時々、ひそひそ話してる。
き、気になるなぁ…
女王様やアガトー様は、食べてはいるけれど、どちらかというと、雪ん子達を見て楽しんでる感じがする。でも、女王様は、ユキがすすめた蒸し野菜が気に入ったらしく、ユキと一緒におかわりして食べていた。
鍋や大皿が空いていき、それぞれのお皿も空いてきたところで、デザートの準備をする。
女王様が作り出した氷の器に液を入れ、泡立て器や風魔法を使いかき混ぜる。俺も、ベリーのアイスバター無しのを精霊達にお願いして混ぜていると、独特な粘りが出てきた。
どうやら完成らしい。
先ず、女王様に味見をしてもらうと、一番多くバターを入れたバニラを気にいったようだった。アガトー様は、俺が作ったバター無しベリーアイス、あっさりが良いとか。しかも、精霊達のお陰で、疲労回復が付いていた。
クラリーちゃんは、残念ながらバニラアイスを食べれなかったけど、ベリーアイスを堪能していた。
「転異者の街にも、アイスクリームを扱う店があり。美味しいと聞いてましたが、これは良いですね」
「確かに、ただ凍らせるシャリシャリ感も良いけど、この柔らかい感じも、良いですね」
「しかも、女王も作れるんですから、城での楽しみが増えたな」
アガトー様が、そう言って女王を見れば、コクりと頷き、微かに笑みを見せたように感じた。
食後、子供達に、雪ん子達と遊ぶように促すと、リョウ達は喜び、女王を交え何やら相談しだした。
俺は、精霊や雪の乙女達と片付けをすることにしたのだが、そこに、ドワーフぽい子と、人族ぽい子が数名ついてきて手伝ってくれた。
片付けが終わり玉座の間に戻ると、大きな鏡を皆で覗いてなにやらしている。
少し離れたところで様子を見ているアガトー様に近づくと、嬉しそうに微笑みながら、口を開く。
「リョウくんが提案してくれましてね。城の下の階を迷路の様にしているんですよ」
「迷路ですか?」
「何でも、リョウくんが居たところのゲームで、そういう所に入り、魔物と戦ったり、宝探しをするとかで、雪ん子達の遊び場にすることにしたんです」
「ああ、ダンジョン感覚ですね」
「そうです。しかも、こちらのモノとは違い、かなり良い収入になるとか」
「そうみたいですね。便利なモノは、倒した時点で素材が取れて、解体の必要もないとか、但し、ランダムだから欲しい素材が手にはいるかは難しいらしいですが」
「おや?それって…」
俺の言葉を聞き、アガトー様が何か言いかけたが、直ぐに考え込んでしまった。
「どうしました?」
「あっ、失礼しました。ちょっと、思い出した事があって、似たような話をこの大陸の者から聞いたことがありました」
「ここにも、転異者の情報が、入ってきてたんですね。そういえば、リョウに話を聞いたとき、魔族の研究者が興味を持って、そういうダンジョンを作るんじゃないかって話してたんですよ」
「はは、流石、ユピロー様の血筋ということですかねぇ」
「え?」
「あっ……まだ、内緒の事でした…どうか、御内密に…」
「「……」」
う、うん、リョウが喜ぶものが増えたということだな。
それから、迷路の中で右往左往しながら、女王達が用意した宝箱探しをする雪ん子達の動きを皆で楽しみ。一区切りついたところで、帰ることにする。
「私が送りますね」
そのついでに、ゲトー大陸に行き川を落ち着かせましょうと…アガトー様が呟く。
うう、そうだった…
自分がとんでもないことを仕出かしたのだった…
「申し訳ないです。ちょっと、被害状況が見たいので、バレンに乗って帰ります。でも、じいちゃんが、リョウ達に何か頼みたい事があるみたいなので、俺とバレン以外は、お願いできますか?」
「それは、構いませんが…私が言って、説得力があるか分かりませんが、あまり気にしない方が良いですよ。地上人に迷惑がかかりますが、長い目で観ると、時々、災害を起こすことも、この地上の為なのですから」
「え?そうなんですか?」
「まぁ、私達の感覚的な事なので、説明しにくいのですが、放っておくと、動植物関係なく、共喰いといいますか、同属同士、足の引っ張りあいをしだすんですよね。何故なのか、分かりませんが、そうなると、災害よりも酷い状態になり、数十年、いや、数百年単位で生き物が地上から消えた事もあったんですよ」
「そうなんですか?でも、神話では…」
「そんなこと書いてもつまらないですからね。とばしてありますよ。ハッハッハッ」
と、良い笑顔で、ぶっちゃけてくれた…
まぁ、そうですね。と、無理やり自分を納得させたが…何か、教訓みたいなものはあった方が…争い事が好きな統治者が酷い目に遭う話はいくつかあるけど…地上から動植物が消える原因も大事でしょう。
帰ったら、じいちゃんに話してみるか。
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