異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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牧場見学

ビスト効果?

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「教えられる範囲でいいので、リョウ君の鑑定結果を教えてもらえますか?」

 うっ、いつもは優しげな雰囲気を出してるのに、今は、ちょっと、怖い…威圧持ちかな…

 リョウがコクコクと頷きながら、詠唱しナビを発動させる。

『リョウ・タテマツ 八歳 人族

 魔力  光 有り
     闇 有り

 スキル 身体強化 
     疲労回復
     魔法創作(中級)
     熱感知 (低級)
     魔力感知(低級)

 技能  駿足
     暗記術
     遠視とうみ

 …摂取可能食材…
 
 ハバー大陸で、食用となっているものは、全てOK、ただし、調理法により一部不可。

 …毒性食材…

 一部ナス科。一部アカネ科。一部タデ科の植物。ただし、成長すれば摂取可能に!

 …ポーションレシピ…

 消化促進剤…橙 一個、
       グレープフルーツ 1/2個、
       レモン 1/2個、
       スモーリッジの葉五枚、
       キャラウェイの種子十三粒
       
       以上を、ワインビネガーに漬け 
       込む、一日一回光の魔力で包み 
          攪拌する。一週間目辺りから、
       飲み頃となる。
        食後に水で五倍に薄めて飲む
       のが効果的。
 
 …オススメの飲み方…

 各地にある精霊の湧水割り。

 好みにより、少量の蜂蜜を入れてもOK。

(尚、橙、グレープフルーツは、人族の不老長寿の秘薬の材料になるので手に入れておきたいモノ)

…取得魔術…

 鑑定魔法
 精霊魔法(風、光)
 探索魔法
 治癒魔法
 伝達魔法

…保護者…

 ディル・ハバー・ウィル・リュート

…加護…

 タルティーヌ

 ユピロー

(尚、ユピローの加護は、保護者(ディル)のビストを食べ続けた結果。養育者として認知されました。これにより、スキルレベルアップにより、気圧変動耐性取得可能、又、精霊魔法のレベルアップにより、上昇気流操作、雷、竜巻、スコール現象取得可能となりました)』

「えっ?どういうこと?」

 自分の鑑定結果を読んでいたリョウが、最後に目を見開き、俺をマジマジ見てくる。
 
 まっ、まぁ、最後も気になるが、俺としては、ポーションレシピの方に注目したい…不老長寿の秘薬って?
 何故、そんなものの、材料を知っているんだよ。ユピロー様か?

「どうしました?どんな結果でしたか、教えてください」

 結果が見えないタリクさんに、リョウと相談しながら、教えていく。

「はぁ?平均魔力量が一番少ない人族のリョウ君が、スキルと魔術を五つ取得?」

 取り敢えず、無難なところからと思ったのだが、タリクさんの驚き方をみると、ここでやめておいた方が良いのかなぁと思った。が、リョウが、ナビを指差し「これは?神様?」

 なんて、聞いてきたから、タリクさんが、また、反応してしまった。

「ま、まさか、加護持ちですか?エルフや魔族でも、年々、少なくなっているのに…どなたです。リョウ君に加護を与えたのは?」

 タリクさんは、威圧持ちだな、いやーな汗が出てくる。抵抗出来なくはないが…リョウは…

「えっと、タルティーヌ?」

「ああ、タルティーヌですか、パルカの加護なら大した事ないですね。良かった」

「…と、ユピロー」

 安堵したタリクさんを見て、リョウの力が少し抜けたが、言いにくそうに、俺を見ながら一柱の神の名を口にした。

「はぁ?いやいやいや、それは、ないでしょう。えっと、何故、その名が?」

 リョウは答えず俺を見る。

「あー、俺が作ったビストを食べていたので、養育者として認知されたようです」

 タリクさんが、俺の顔を見て固まってしまった。

「え?タ、タリクさん?」

 今度は、リョウが慌て出す。

「えーと、それは、もしかしてディルさん…いえ、リュート家は、ユピローの血を引く者ですか?あっ、だから、タルティーヌも…、あっ、それに、リッジさんの、討伐専門冒険者最高ランク取得も…」

「まぁ、そうですね」

「ユピローって?」

「この世界の神様で、知識と戦を司る最高神だ」

「え?やっぱりこの世界にも戦があるの?」

「いや、かなり平和になって、ほとんどないな。ただ、獣人国とドワーフ国内では、まだ時々あるらしいが、小規模なもので、民間人に被害が出るようなモノは無いらしい」

「なんだ、良かった」

 俺とリョウの話に待ったが掛かる。

「いやいやいや、…なんか落ち着いてるけど…神の末裔って、そんな受け止め方で良いんでしたっけ?それに、餌付けで加護持ちって、そんなこと…」

「良いのではないでしょうか?」

 俺の一言で、タリクさんが絶句し、頭を抱えてしまった。そして…

「…ちょっと、気持ちの整理をして来ます」

 そう言い残し、蒼い顔をして、ヨロヨロと部屋を出ていってしまった。
 リョウは、心配しつつも、さすが、ファンタジー世界、ついに神様が出てきたと喜んでいる。
 リョウの受け止め方にホッコリし、取り敢えず頭を撫でておく。

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