無課金がポリシーです〜パーティーに入れて貰えないのでメンバーを作りました〜

元帥老師

文字の大きさ
上 下
5 / 11

5話 鍛冶屋のジャスコ

しおりを挟む

 アルマと芝犬のタツゴローと鶏のジキン・ザ・リドルと黒猫のキャティはルルン街にやってきていた。
 アルマのレベルが20になったので、装備を新調しようと思ったからだ。 
 アルマ達は初期装備の為、豚の荒野以上のフィールドに行く事が出来ないでいた。

 
 ちょうどレアアイテムなど素材アイテムなどを売却しようと思っていたら。その老人と出会った。
 場所は露店街の場所であり、課金者がいなくなったとはいえ、新規登録者がいるため、彼等のための商売として露天は開かれ続けている。

 
 その老人は露店街にある小さな建物の中にいた。
 ちょうど老人が掃除をしているところに、こちらと目があったという事だ。

 第一声に驚いた。

「お主、無課金者だな、こっちこい」

 最初老人にしばかれるのかと思ったので、ビクビクしながら付いていった。
 ルルン街の中ではpkなどは出来ないはずなので運営のシステムを信用する事にした。


 老人はドワーフ族であり、名前をジャスコと言った。


 怖いイメージがあったがクシャクシャの皺だらけの顔をこちらに見せていひひと笑う姿は将軍のそれであった。
 ヒゲモジャの髭はなぜか親しみを感じた。


 アルマはあたりを見回すと、そこかしらに鍛治道具が存在しており、それで武具を作るのだろうと思った。


「お主、見たところ装備を買いに来たのだろう、やめとけやめとけ、値段すげーぞ」

「そうですよね、でも少しでもいい装備」

「ならわっしに任せておけ、わっしも無課金者なんだが、わしらみたいなやつは設計図させあれば、最強装備の一歩手前くらいなら作れるからのう、狩りは問題ないんじゃ、さて、老人からの小言じゃが聞くか?」


 じっと椅子にすわって老人の小言を聞こうと3匹のペット達が覗き見ている。


「ぜひ聞かせてください」

「なら、わしのところに色々と素材などを持ってきてくれれば、武具製作してやろう、ただしレアアイテムである【青い目玉】が最低でも5個は必要でな、豚の荒野にいるオークを倒せばレアアイテムの箱が出てくるんじゃが、これが大層運が良くないと出ないのでな」

「ちょっと待ってください」


 アルマはレアアイテムというものに心当たりがあった。
 しかもまだ開けていない箱が100個くらい存在していた。
 それが豚の荒野で出てくるオークが落としたレアアイテムであることは明確。

 
 アルマはとりあえず、ペット達と相談するふりをしながら、ひたすら箱を開けまくった。
 すると【青い目玉】が50個出てきた。その他は色々な素材品であった。


「ジャスコさん非常に言いにくいのですが」

「そうか、無理か、いいんじゃ、いいんじゃ」

「いえ、そういうことではなくてですね、青い目玉が50個あるのですが」

「ブホ」

 ジャスコの口から涎が噴き出た。
 非常に気持ち悪いのだが、それは無視しておいて。

「お、お前本当に課金者じゃないんだろうな?」
「装備見ればわかるでしょ」

「それもそうじゃ、その青い目玉を5個欲しいと行ったが、全てくれ」
「欲丸出しじゃないですか」

「そしたらお前のだけじゃなくて、後ろにいる3人にも武具を作ってやる」
「マジですか」

「もちろんじゃて、もうこの際材料はこちらで準備する、というか倉庫にあるはずじゃ、ウヒョオおお、青い目玉で一儲けじゃわい」
「気になるのですが、青い目玉には何が?」

「仕方のないやつじゃ教えてやろう、青い目玉でアクセサリーを作ると、攻撃速度4倍のアクセを作れる。この設計図はわっしくらいしか持っていない、なぜなら、隠しクエストをやったからだ。隠しクエストとはプレイできる人数が決められとり、わっしがその1つを攻略した。そのクエストはわし以外クリアしていない、というかクリアできない、そのクエストが存在しないからだ」
「なるほど、そのようなクエストがあるとは気づきませんでした。俺も隠しクエスト探してみるかな」

「そうじゃ、一つお主にいい情報をくれよう、隕石クエストじゃ」

 アルマはその言葉聞いて絶句していた。
 この前隕石に直撃した事が脳裏をよぎる。

「色々と不明じゃが、発動要件は隕石をくらう事らしい、この前イベントで隕石が落ちてきただろう?」
「は、はい」

「噂によると直撃したプレイヤーがいるらしいが、誰も見ていないそうじゃ」
「そ、そうですか」

「隕石イベントが発生したら自分からくらいに行くことをお勧めするのじゃ」


 いえ、こちらは逃げようとしたけど、あちらから追いかけてきましたよとは言えず。


「では希望とする武器をお聞きしたい、防具についてもな」
「はい、では、説明します」

 
 まず自分の装備は武器が剣タイプと盾タイプがあればいい事と、防具は重装備をお願いした。
 タツゴローの装備は武器が二刀流のダガータイプと、防具は軽装備をお願いした。
 ジキンの装備は武器が両手杖タイプと、防具はローブタイプをお願いした。
 キャティの装備は武器が鈍器タイプと盾タイプと、防具は重装備をお願いした。

「それにしても犬みたいなやつと鶏みたいなやつと猫みたいなやつ何かの衣装なのか? そんな種族いないはずだ」

「は、はは、そうですね、衣装みたいなやつです」

「なるほどのう、2時間後に来てくれ、早速装備を製作しようと思う」
「わかりました。それまで、ルルン街を探索してみます。ジャスコさんのいう通り、隠しクエストがあるかもしれませんから」
「その通りじゃ」

 
 ドワーフのジャスコに装備製作を頼んで、アルマとタツゴローとジキンとキャティはルルン街の探索を始めた。
 とはいえ、露店街を回ったり、あまり行った事のないところを調べるくらいだった。

 課金者の精鋭タイプがルルン街にはいない、彼等は更なる最前線へと向かっている。
 新規の課金者はまた精鋭課金者達と同じ事をしている。

 
 無課金者の差別。
 それはどうやっても消えることのないわだかまりであった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された国から追放された聖女は隣国で幸せを掴みます。

なつめ猫
ファンタジー
王太子殿下の卒業パーティで婚約破棄を告げられた公爵令嬢アマーリエは、王太子より国から出ていけと脅されてしまう。 王妃としての教育を受けてきたアマーリエは、女神により転生させられた日本人であり世界で唯一の精霊魔法と聖女の力を持つ稀有な存在であったが、国に愛想を尽かし他国へと出ていってしまうのだった。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?

つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです! 文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか! 結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。 目を覚ましたら幼い自分の姿が……。 何故か十二歳に巻き戻っていたのです。 最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。 そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか? 他サイトにも公開中。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

処理中です...