無課金がポリシーです〜パーティーに入れて貰えないのでメンバーを作りました〜

元帥老師

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2話 パーティに入れません

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 アルマはなんとか課金者の群れの中で一生懸命に湧き出るモンスター達を倒していた。
 ちょっとでも油断すれば課金者が狼の如くやってきてモンスターを吹き飛ばしてしまう。
 途中にアルマは爆笑しながらモンスターを倒してレベルが10まで上昇した。
 そこから全然上がらなくなったのはMMOゆえに厳しい現実のようなものであった。

 初期にやってきた神殿を抜け出ると、近くに大きな街があった。
 1000人くらいは収容できる大きさであった。
 建物は中世ヨーロッパをイメージしたようで、レンガ細工が多かった。


 真ん中に大きな塔があり、そこにホログラムのような画像があった。
 それをようく観察すると。


【ルルン街へようこそ】と表記されている。

 
 初期ポイントにNPCがおりその人物に話を聞いた所、レベル10くらいでルルン街へいくことを勧められた。
 もちろん猛者達である課金者は即座にルルン街へ向かっていくわけだ。

 
 その事もありレベル10でルルン街へやってきた。

 
 今日の朝6時からゲームスタートされている為、大勢のプレイヤーがいた。
 数えることなど不可能だというくらいだ。
 露天がいっぱい開かれており、屋台のようなものに品々を並べている。
 それを購入すると自動的にプレイヤーの懐にお金が入るようだ。
 逆に買い取り専門の露天屋台があり、それはものを屋台に置くと表記されたお金を貰えるという仕組みらしい。


 さらにトレード露天というものがあり、これは屋台に置いてあるものと、表記されているアイテムを交換する事が出来る。
 鍛冶屋と雑貨屋はNPCの人々がいるが建物自体を借り経営しているプレイヤーもいる。
 アルマはとりあえず、お金もほとんどないのでパーティーを組んで、レベリングをしようとした。

 
【冒険者の酒場】では大勢のプレイヤー達が集まり、情報交換したり、パーティメンバーを募ったりする。
 
 
 その中にアルマの姿があった。
 アルマは周りに色々と話しかけるも、無視、または拒絶された。
 アルマはなぜ自分だけパーティに入れてもらえないのか、1人のプレイヤーに尋ねたのだ。


「そもそもお前初期装備じゃ無理だろ、最低限でも課金しろよな」


 つまりアルマは課金装備じゃないから、そして初期装備だからパーティに入れて貰えなかったのだ。
 結局は足手まといと思われていたのだろう。

 
 アルマは歯軋りをしながら、冒険者の酒場から出ていた。
 アルマの心の中には悔しさしかなかった。
 冒険者の酒場にいる人々はアルマだけが初期装備である事に気づき、ゲラゲラと笑っていた。

 
 アルマは悔しさを燃料にして爆発させてやると決意した。
 その日からソロ狩りを始めた。
 そして自分の職業がソロ狩りに向いていないことを痛感したのだ。


=====1週間後=====

 昼夜逆転した生活リズムを治すのはとても大変な事だ。
 ウェイバリアンオンラインゲームにハマってるが、0時には寝るようにしている。
 畑仕事もだいぶ慣れてきた。
 人間関係はいまだに慣れない。よくわからない人もいるからだ。
 職員さんとの関係は良好と言えるだろう。

 
 問題はウェイバリアンオンラインゲームであった。  
 現在レベルは15になったばかり、課金組は既にレベル40に到達している。

 
 アルマは絶望を感じ始めるが、自分のペースで行こうと思っている。
 しかし周りがそうはさせなかった。
 強くなっていくプレイヤーがいるということは、色々な事が起きるという事だ。


 ある日レベル15レベル帯の狩場でひたすらモンスターを長剣で切り倒していった。
 もちろん盾を装備することも忘れず。

 
 スキルを発動させると頭の中に型がイメージされ、その通りに動かす事が出来るとされる。
 

「おい、お前はお花畑のものだな」
「え、いえ、ちょ」

 
 こっちに反論さえさせずに、1人の高レベルプレイヤーは課金装備を使ってアルマを一撃必殺でぶち殺した。
 体が崩壊していく中、痛みがない事が幸せな事だと痛感していた。


 復活場所はルルンの街の所だ。
 しかも今更ながらに気づいたのだが、ルルンの街は結構高い山の所にあり、周りが崖となっている。
 そこから脱出する為には無課金には厳しい、超高額なテレポートを使うしか方法がない。
 その他だと、今のアルマには出来ない事で会った。


 神殿から出ると、アルマはため息をついた。
 そうして狩場に向かっていると。

「おい、花畑だな」
「ちょ、人の話をきえええええ」


 またもや体が崩壊していき、ルルンの街からスタートする訳であった。


「なぜだ。俺の頭がお花畑だからかあああ、断じて違うぞおおお」

 
 次に狩場に行くと、突然イベントが発生した。


【緊急イベントです:隕石が落ちてきます】


「それイベントじゃなくて災害だよおおお」

 
 真上から巨大な隕石が落下してくる。
 しかも真っ直ぐにこちらに向かってくる。

「ちょ、えええええええ」

 必死になってアルマは走り出した。
 ようやく確保できた狩場より、イベントに巻き込まれて死ぬのだけは嫌だった。

「嘘おおおおおお」


 その日、隕石は大気圏により小さくなり、野球ボールの隕石が1人の青年に直撃した事は伝説とならなかった。

 
 神殿で復活した時にアルマは体を投げ出しており、硬い石床の地面に寝そべっている。


「隕石食らったけど何かなるのかあああああ」

 
 それ以前に隕石イベント必要ないだろうし、完全なるアルマへの悪意を感じられた。
 
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