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しおりを挟む「日焼け止め塗った?」
「うん!」
「塗ったー」
「塗りました…」
「じゃあ行ってといで」
次の日、お楽しみの海水浴へやってきた。
湧に日焼け止めを塗って子供用のライフジャケットを着せながら咲夜と蓮君を送り出す透を思わずじっと見つめる。
彼にラッシュガードを着てもらって本当に良かった。
独占欲というか、まあそうなんだろうけれど…彼の体を大勢の前に晒すのはどうももやもやする。
それを昨晩伝えると「日焼けが気になるので元々ラッシュガードを着るつもりでした」と言われてほっとした。
もし渋られたらキスマークでも付けて着ざるをえなくしようとしていた自分に少し引く。
「うみ!」
「潤也さん、交代で行きましょう。…先連れてってくれませんか?」
「あぁ、わかった。気をつけろよ?」
「大丈夫ですよ、テントの中にいますから」
心配だが仕方がない。
湧としっかり手を繋いで浅めのところから少しづつ慣らしていく。
「大丈夫か?」
「だいじょうぶ!もっとぷかぷか!」
「ゆっくりな」
ぷかぷかしたいと強請る湧を連れて、ちょうど湧の足がつかないところくらいまで行ってみると案外怖がらず少しづつ深い所へ行く。
「パパぁ」
キャッキャと笑いながらぱしゃぱしゃと水をかけてきた湧に「いたずらっ子め!」と目に入らないように軽くかけ返す。
「しょっぱいぃ」
「っはは、海だからな。海はしょっぱいんだぞ」
「なんで?」
「なんでだろうな。…後で調べてみるか」
地球ができた時の話はさすがにはやすぎるだろう。
一緒に調べて見るのもいいかもしれない。
「おじさん!湧!」
「にいちゃ!れんくん!」
しばらくすると浮き輪を装着した蓮君とその浮き輪を紐で引っ張る咲夜がやってきた。
蓮の心地よさそうなこと。
「どこまで泳いでったんだ?」
「あっちのギリギリまで!さすがに蓮引っ張りながらきつかった」
「咲夜タクシー良かったよ」
「バタ足とかしてくれ」
仲がいいな。
2人を見ていると少し羨ましくなる。何度も言うようだが、透と学生時代を過ごしたかった…。
コスプレしてヤリたいとか言ったら怒るだろうか。
なんて煩悩を浮かべつつ水分補給のためにみんなで一旦戻ろうと言うことになった。
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