こっち見てよ旦那様

おしどり夫婦の廣瀬さん

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「透達楽しそ～」

「海だったっけ」

「そー。甥っ子と」

透のプライベートのインスタの投稿を見ると、綺麗な海やホテルの部屋が乗っていた。
自分はと言うと、パッキングに追われていた。

明日から某夢の国に3人で2泊3日で行くことになっている。明日の朝はランド、2日目はシー、3日目はゆっくり帰ろうのコースだ。

なんやかんや行くのは久しぶりだし海來は初めてなので楽しみだが…パッキングは相変わらず苦手だ。

詰めようと思っていたものが部屋に散らばっている。海來が昼寝をしている間に翼とパッキングをしているのだが、翼は自分の分を終えて手伝ってもらっている。

「楓斗の荷物はこれだけ？」

「うん。入るかなぁ…もうパッキング苦手」

「入れとくよ。だから持ってきたいものあれば言ってよ」

「ありがとー、さすが翼～」

翼はテトリスとかが得意なタイプだと思う。
それくらいパッキングが上手い。

「これくらいなんてことないよ。…あっちいった時の周り順とか俺分からないから…それは頼む」

「まっかせといて」

それに関しては得意だ。
どの順で回ったりどこで何が買えるかは既に把握済。



「楓斗」

「何ー？」

「特に深く考えてる訳じゃないけど2人目って欲しい？」

「うーん…うん？」

突然だな、と思いながらも「2人目かぁ」と考える。
確かに透とそんなような話をしたが、翼から直に聞かれると現実味があるというか。

「正直、俺はまた活動止めるのは気が進まない…。でも翼がどうしても欲しいって言うなら叶えてあげたいって俺は思う」

2人となるとどうしても活動を制限しないと満足に育児が出来ない。
若くて動けるうちにたくさん活動したい…と考えると2人目はあまり考えれない。

「楓斗との子は何人いても可愛いよ。…けど俺も仕事に余裕があるってわけじゃないし、今でも楓斗に沢山頼ってるから2人目が欲しいって安易には言えないな」

「俺は3人でも幸せ」と笑う翼を無性に抱きしめたくなり、彼がパッキング中というのもお構い無しに後ろから乗っかるように抱きつき頬にキスをする。

「だいすき」

「え～？俺も愛してる」

デレデレとした顔になった彼。
さっきまでかっこいいこと言ってたのに…。

全くもう、と顔中キスしようとする勢いの彼の口を手のひらで抑え「ばぁか」と笑った。