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...
しおりを挟む「美味しそう…!」
「だな…こんな店があったとは」
背の高いパフェに2人して驚く。
贅沢にいちごがふんだんに使われたミルフィーユケーキ風のパフェらしい。
写真で見るよりも美味しそう。
記念に写真を撮って早速食べようとスプーンを手に持つ…と、その前に同じく食べようとしている潤也さんに「こぼさないように気を付けてくださいね」と紙ナプキンを広げて皿と彼の間に広げると彼がキョトンとした様子でこちらを見る。
「…なんというか、すっかり親というか。…なぜか…ときめいたというか」
気持ち悪いな、すまん。と耳を赤くして目をそらす彼の顔を覗き込み「僕は潤也さんの夫ですけど」と言ってみるが、実際は彼にときめいてもらえるのは一男としても嬉しい。
湧の世話をしているくせなんだろうなぁ、としみじみ思いつつも自分もナプキンを広げて1番上のいちごを頬張る。
甘酸っぱくて美味しい。
サクサクのパイ生地も、こってりしたカスタードクリームとさっぱりした生クリームの組み合わせも食べやすい。
大きいパフェだったけれど美味しくてペロリと食べてしまった。
「美味かったな」
「はい」
「透、口ついてる」
口にクリームが付いていると指摘され舌で舐めてみるも取れていないと言われるので、諦めてティッシュで拭き取ろうとすると止められて彼の指で拭われてしまった。
「…1度やってみたかった」
「もう…」
ペロリと指についたクリームを舐める彼の頭を軽く叩いて「ありがとうございます」と付け足す。
いつまでたっても油断ならないというか、いつ胸を締め付けられるか分からない。
「行こうか」
「はい」
それでもこうして当たり前のように手を繋げるようになったのは変わったところだなと思う。
その後は湧と海來君へお土産を買ったり、スーパーで買い物をしたり。
某激安のスーパーへ連れていくと潤也さんはいつも楽しそうにする。
あのごちゃごちゃした空間や安さが物珍しいらしい。
正直、安いスーパーに来なくてもいいのだが、どれだけお金に恵まれていても節約は大切だと思うし何より普通のスーパーよりもワクワクする。
「僕、夫婦でスーパーって結構好きなんですよね」
「そうなのか。お前が喜ぶならまた一緒に行かせてくれ。…荷物持ちくらいしかできないが」
「重いものもあるので助かります。咲夜君も食べ盛りだし、湧も色んなものを食べれるようになったから料理が楽しいです」
蓮君が来て食事をしていく日は本当に咲夜君と2人でパクパク食べるもんだから見ていて気持ちがいい。
コス○コとか行ってみたいなぁ、なんて思いながら今日の夕飯を考えつつ彼とのデートを楽しんだ。
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