こっち見てよ旦那様

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おしどり夫婦の廣瀬さん

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「っ…は、ぁ…濃…溜まってた?」

「当たり前だろ?…しばらくしてなかった」

手早く抜こうと兜合わせをして、お互い果てて2人して荒い息を吐きながらベッドへ倒れ込む。

手に着いた翼の精液を舐めて、舌を突き出して見せると「やめなさい」と取られそうになるので飲み込んだ。

「たまにはこういうのもいいね…俺、結構兜合わせ好き」

「確かに、ゆっくり楓斗のこと見れるのは嬉しい」

換気換気、と窓をほんの少し開けて戻ってきた翼の腕を枕にもう一度寝転ぶ。

「そういえばさ…少し遠出の仕事があって、来月家空けるかも」

「野外撮影?」

「そう。…テレビ出るよ」

「え、すごいじゃないか!録画する」

急にはしゃぎ出した翼を抑え、説明する。とあるバラエティのゲストとして出るだけだからそれほど騒がないでほしい。

テレビは初めてだから少し緊張する。
そりゃあ、ファッションショーの一部がテレビで流れたりはあったけれどそれとこれは全然違う。

「ちょっと緊張してる」

「大丈夫。…楓斗ならできるよ」

ぎゅうぎゅうと抱きしめられ、頬擦りまでされてしまった。
昔から、翼には賢者タイムというものがないのだろうか。
むしろ俺の方が賢者タイムがある。

正直、ヤった後はくっついているだけていい。他のイチャイチャはしばらくしたくないというのが意見だったが…翼とはこんな感じだ。
翼とだったら悪く思わないしいいと思う。人は変わるものだ。…というより、慣れた、が正しい。

「海來と仲良くね」

「仲良いよ。…楓斗には敵わないけど」

「多分湧君にも負けてるよ」

「湧君にも勝てないな…」

俺は3番目か、と少し悲しそうな翼を慰めるべくキスしてやると元気になった。

「ありゃもう恋だよ、海來ってば湧君に恋しちゃってんの。しかも大分重いタイプ」

「っはは、俺似かな」

「それはそう。もー、笑い事じゃないっての。…でもほんとに翼に似たら末恐ろしいね」

「俺は楓斗に似ても末恐ろしいと思うけどな…こんな可愛らしい小悪魔が家に2人もいたら困る」

「なーに言ってんの」

小悪魔発揮するのは湧君にだけだよ、とデコピンしてやると「されてみたかった」とぼやく翼。
どこまで親バカなのか。

まあ、自分も一種の親バカだとは思うが。

先日の海來の撮影でもらったデータを開け、改めて見る。
可愛いい…。

あざと…!子猫みたい。

「それ、この前の撮影のやつ?」

「そ。可愛いだろ~」

「可愛い。…この表情とか、楓斗そっくり。子猫みたいにあざとくてさ」

同じこと思ってる。

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