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番外編 ポッキーの日
潤也 × 透
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時間軸はバラバラです。
夕食を終え、ソファで持ち帰った仕事をしながらちらりと片付けをする透を見る。
今日はポッキーの日…俺は帰りにポッキーを買ってきた。
買った時は透とやるんだ、なんて浮かれていたがいざとなると言い出せなくなってしまった。
「お仕事、終わらないんですか?」
「え…あ、あぁ。そうだな…あと少し」
手を拭きながら隣に座ってパソコンを覗き込んできた透。
慌ててキーボードを叩きながら書類を書く。実は急ぎの仕事じゃない。
「潤也さん」
「ん?…なんだ?」
「デザート食べますか?」
「デ、デザート…食べたい、うん」
「持ってきますね」
とんでもなく不自然じゃないか。
もう一度キッチンに戻った透を待ちながらパソコンを片付ける。
パソコンのケースにはポッキーの箱がある。…透の好きなイチゴ味が。
「今日派ポッキーの日って、たくさん張り紙がしてあったので買っちゃいました」
じゃーん、と照れ気味に透が取り出したのは俺が好きなナッツの入ったポッキー。
「…ポッキーゲーム…だめ、ですか?」
控えめにこちらを見てくる透の可愛さと驚きに「ダメジャナイデス」と返すと透が噴き出す。
「潤也さん、真っ赤ですね」
「えっ…いや。…俺も買っていたから、同じだな」
今が出すときだ、とカバンからいちごのポッキーをり出して見せると彼が嬉しそうに笑う。
「ほんとですね。…じゃあ…」
彼がナッツのポッキーの封を切り、1本を綺麗な唇に咥える。
ふるふると不安定なポッキーの端をそっと俺も口に含み少しづつ噛み砕いていく。
どんどん透が近づいてくる。
柔らかい唇と触れ合い、そのまま咀嚼しながらゆっくり唇を重ねる。
「ん…っ…」
離れようとした彼の後頭部を手のひらで抑え、深く口つける。
ここまで来れば照れないのに、不思議だななんて思いながらしばらくキスを続けて離すと透が涙目でこちらを見上げてくる。
…少し怒ったか。
「食べてる途中だったから…離れたかったのに」
「す、すまん…つい…お前が可愛くて」
嫌われたくない、と土下座でもする覚悟で慌てていると彼が抱きついてくる。
…良かった。
「…僕、イチゴ味のも食べたいです」
「じゃあもう一度だな」
む、とこちらを見上げる透に頬が緩みながらその後何本もポッキーを食べた。
甘くて美味いポッキーだった。
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