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おしどり夫婦の廣瀬さん
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しおりを挟む「ちょっと体温高いなー」
朝、どうも調子がおかしくて体温計を手に取ると案の定、体温が高かった。
微熱までもいかないので風邪ではない。となると…発情期か。
海來が生まれてもう一年以上経つしそろそろかと思っていたが。この体調だと3日、いや5日くらいで来るだろうな、なんて思いながらスケジュールをチェックする。
どう調整するかうんうん唸っているとネクタイを締めながら翼がやってくる。
「 熱あった?…他にしんどいとかある?」
「そんな大袈裟じゃないよ。…ちょっと体重たくて体温高いくらい」
「今日は外仕事?」
「ううん、打ち合わせだけ。その後に透と打ち合わせしようと思ったけど…オンラインにしようかな。けど海來もいるし…一旦電話するよ」
「絶対無理したら駄目だからなー。なんなら俺が海來連れてくから、会社の託児所に預けられるか聞くよ」
「ううん、いいよ。なんかあったら連絡する、ほら早くしないと遅刻する!」
「ほんとに、すぐ連絡るんだよ。迎えに行くから。…行ってきます」
「ん、行ってらっしゃい」
どこまでも心配性な翼を送り出しパックをするとそのまま海來を起こしに行ってご飯を食べさせる。
今日も寝起きよし、お目目ぱっちり。
「海來~、どっち食べるー?」
「くま!!」
「くまさんね」
子供用のスティックパンをお皿に出して、ヨーグルトとフルーツジュースを一緒に出す。
平日の朝はこんな感じだ。なかなか凝ってられない。
海來がご飯を食べるのを見ながらダイニングでぱぱっとヘアメイクを終わらせてしまう。
大丈夫、時短でも可愛い、最高。そう言い聞かせて片付ける。
とはいっても普段はナチュラルだからそう大差はないが。
「くりゃしゃー」
「おかわりか、ちょっと待ってね」
高々とふた付きコップを掲げる海來にお応えしてジュースのおかわりをお入れする。
軽く家の掃除を済ませ、朝食を終えた海來の身支度を整えやっと透に連絡する。
「もしもし?おはよ~」
『おはよう。どうしたの?』
「もうすぐ発情期来るっぽくてさ、ちょっと体重いんだよね。…今から打ち合わせ行くんだけどその後の透との打ち合わせ、俺の家でいいかな?…なんかあったら怖い」
『全然いいよー。…よかったら僕の家でもいいよ、そのまま海來君も遊べるし、夜までいてもいいから翼さんと一緒に帰りなよ』
「まじで…?ありがとー、めっちゃ助かる。」
『全然大丈夫だよ、無理しないでね。迎えにも行くから、打ち合わせ終わったら連絡してね』
やっぱ透最高…大好き。
見た目は押しが弱そうな感じなのに、実際すごくしっかりしてて頼りがいがある。
…まあ一人でブランド立ち上げちゃうんだからそりゃしっかり者か。
なんて思いながらお出かけの用意を済ませて呼んでいたタクシーに乗り込んだ。
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