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しおりを挟む「涼しいな」
ベビーモニターで湧を見守りつつ、潤也さんと2人でプールに足をつけて涼んでいる。
まだ昼間だけれど度数の弱いサワーを2人で乾杯しながらゆっくりする時間は幸せだ。
弱いお酒で物足りないけれど、快適な環境で昼から飲むお酒が美味しい!
庭は外から見れないような作りで、敷地が広いからご近所さんからも少し離れている。
そのため気兼ねなくのんびり出来るのだ。
「俺らも少し遊ぶか」
「え?…あ、ちょっと!潤也さん!」
缶を置いて立ち上がった彼がおもむろに水をかけてくる。
…まあ、たまには
「仕返しですから」
自分も缶を置くと近くにあった水鉄砲を手に反撃する。
しばらく水の掛け合いに夢中になっているとお互いびしょ濡れになってしまう。
「びたびただな…、っ!!?」
はは、と笑った彼が足を滑らせ派手に尻もちをつく。
きょとん、とした彼が揺れるプールの中にいるのを妙にツボってしまい笑い転げていると彼が手を取ってくる。
立ち上がらせようとしたのか、と手を握るとそのまま自分もプールに尻もちをつかされてしまった。
「あー…全身濡れちゃったじゃないですか」
「涼しいだろ?」
「涼しいですけど…」
お互いにいろいろ透けてて恥ずかしいやら眼福やら。
向き合ってちらりと彼を見る。
ピッタリとした服が彼の体を綺麗に縁だっていて、彼の顔や髪から滴る姿。
まさに水も滴るいい男といったところだろうか。
「…綺麗だな」
ふと呟いた彼がゆっくりと口付けてくる。
「…こっちのセリフです」
唇が離れて至近距離にある彼を見て改めてそう思い、彼の首に手を回して抱きつく。
体や服は濡れているのに、触れ合っている部分が暖かい。
外から見えない仕様でほんとによかった。
ふふ、と抱き合い何度かキスをしているうちに彼の手が背中や腰を撫でる。
「じ、潤也さん…」
「…ん?」
言われることは分かっているのにおねだりするような「ん?」は反則だ。
「外だから…」
「聞こえないから大丈夫…噛んでていいから」
ちゅ、ちゅ、と胸へ彼の口付けが下がっていく。
外だから背徳感がすごい。
ぢゅ、と吸われると思わず声が出そうで彼の肩に口を押し当てる。
絶対彼はわざとやってる。
立ち上がって後ろのテーブルで体を支えると膝を着いたままの彼が更に舌を這わせてくる。
つつ、とみぞおちから下腹へ彼の暖かい舌の動きにゾクゾクしながら油断した時に出そうな声を抑える。
「後ろ…向けるか」
「も、…もうこれ以上は…っ」
声の我慢が危うい。
ギラギラとした彼の目に思わず頷きそうになっているとベビーモニターから湧の鳴き声が聞こえてくる。
「「あ…」」
「えっと…行ってきます」
「いや、濡れてるだろ?…風邪ひいたらいけないから、俺が行く。お前は着替えておいで」
湧に接しているからか、彼の言葉遣いが少し丸い。
…と、そんなことはよくて。
「お願いします…」
ちょっと寒いし、と軽く体を拭いて子ども部屋へ向かった彼を背に片付けを進め、着替えようとリビングに入った時。
『…こぇ…なぁに?』
思わず噴き出してしまった。
少し落ち着いたのか、ヒックヒックとしゃくりあげながら彼のズボンの膨らみを指摘する湧。
なんだか悪いことをしてしまった…。
でも彼には悪いが面白くもあった。
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