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しおりを挟む「透~!誕生日おめでとうー!」
「楓斗くん?!ありがとう!」
朝は昨晩の事を思い出して幸せに目覚めた。お祝いのメッセージを返したり、いつもと変わらず湧と過ごしたりした。
大人になるともう一つ年をとってもあまり実感が無い。
今日は自分の誕生日だが、もう少しすれば湧の誕生日だ。大きくなったら覚えていないかもしれないが大切に祝ってやりたい。
「…湧の誕生日、何を贈りましょう」
「今日はお前の誕生日だが…。そうだな、おもちゃ…もいいが長い間使えるものかいいだろうな」
1歳でも食べられるケーキなんかも作ってみたい。なんて思いながらお昼寝をする湧を優しく撫でた。
夕方、出かけるから準備をしてくれと言われるがままに用意をしていると家のチャイムがなる。フォーマルめな格好で頼むと言われたが…なんだろう。
郵便か、とドアを開けると元気いっぱい飛びついてきたのは楓斗君。
「サプラーイズ!…ってことで!俺と翼が留守番してくるから行ってらっしゃい!」
「突然すみません。潤也さんの頼みでしたので、海來もいますから安心してお出かけなさってください」
後ろから海來くんと荷物を背負って顔を出した翼さん。どういうこと?と振り向くとスーツ姿の潤也さんが湧を抱いてやってきた。
「頼みます」と湧とメモを楓斗君に渡し、手を差し出される。
「サプライズ、のつもりだ。…行こうか」
だからこの格好の指定なんだ。…というより、立派しに手を差し出してくる潤也さん、格好良くしているのに照れてる。
全く…
「はい、お願いします」
本当に可愛い。
翼さんと楓斗君に手を振り、潤也さんと手を繋いで迎え来ていた車に乗り込む。
「…ちょっとキザなことをしてみたかった。気に入ってくれると嬉しい」
様子を伺うようにはは、と笑った彼の肩にもたれかかる。
「気に入らないわけがないじゃないですか。…これからどこに行くかは分からないですけど一緒なので嬉しいです」
でも検討はついている。
食事に行くのだろう。時間的にもそう。
…と思っていた。
確かに食事だった。が、レストランが思っていたより数倍豪華なものだったので驚いただけだ。
フォーマルな服装では来たが、ここはスーツとかタキシードで来るところだ。
大丈夫か…と緊張している自分のは反対に、慣れた様子で店員に声をかけエスコートしてくれる彼にリードされるがままだった。
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