こっち見てよ旦那様

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...潤也目線

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夜。深夜1時頃だろうか

湧の大きな鳴き声で再び目が覚める。

「…起きちゃいましたね。…さっきミルクあげたばっかなのでオムツかも」

隣でモゾモゾと眠たそうに透が起き上がる。
俺が帰宅したのは11時過ぎ。在宅ワークというものの、副社長という立場上、何日かに1回は出社しなくてはならない。
早く帰ろうと思っていたのだが、トラブルやらなんやらが重なりこんな時間になってしまった。
透に無理をさせたくはないのに…。

帰宅すると泣いていたであろう湧を抱っこした透がソファへ座っていた。

「ほんとは立ってあやしたいんですけど…なかなか長時間は辛くて。」

例のゆりかごで寝てくれることは稀だ。
ちょっとしたグズりなんかは収まるが、泣いてしまうと抱っこでないと駄目だ。
明日は在宅ワークだし、透の体も心配だ。

「俺があやす、透は寝てて大丈夫」

そっと透を横たえ頭を撫でる。
「ありがとうございます」と笑い秒で寝てしまった彼の寝顔を眺めたいのも本音だが先に我が子の寝顔を拝まなくては。

隣にあるベビーベッドから湧を抱きあげリビングへ連れていく。
少しでも透を静かなところで寝かせたい。

オムツを変えてもなお泣き続ける湧を抱っこしてあやす。
育休を取れてよかった、と心から思う。毎日透に任せ切りなんて信じられない。

しばらく揺れているとようやく泣き止んだ。
が、寝室に戻って再度寝かせようとするとまた泣き始める。

まあ…仕方ないか、ともう一度抱いてリビングへ戻った。直ぐに泣き止んだものの、また戻せば起きてしまう。
ソファに座って抱いているといつの間にか寝てしまったらしい。

「潤也さん、潤也さん。」

透の声掛けで目が覚める。
ハッとして湧に目を戻すと湧は目を覚ましてこちらを可愛らしく見上げていた。
その顔を見るとどうしても疲れが吹っ飛んでしまう。

「すまん…寝てたな」

「いえ、代わります。…任せちゃってごめんなさい」

「いや、普段お前にしてもらってるから家にいる時くらいやりたい。」

「ありがとうございます。…ほら、ここで寝てたら風邪引きますよ。僕も寝室行きますから」

湧を彼に預け、一緒に寝室へ戻る。
時計を見ると3時半。
ベットに座る彼の傍に寝転びウトウトする。彼の匂いと小さな鼻歌。
気がつくと俺はぐっすり眠っていた。

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