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おしどり夫婦の廣瀬さん
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しおりを挟むはや妊娠7ヶ月
最近の俺は妊婦の権限を駆使して翼に甘えていた。
甘えると言っても一緒にゴロゴロしているだけなので余り変わらない。
ゴロゴロに誘うのが翼からでなくて俺からの方が多くなっただけだ。
翼は喜んでいるからまあいいだろう。
スキンケアを済ませ、寝室で仕事をしているであろう翼の元へ
「翼ー」
「どうした?腰痛い?おいで」
ベッドでパソコンを操作していた翼が顔を上げて俺が行けるうようにパソコンを退けてくれる。
自分もベッドへ隣へ潜り込むと「よっこいせ」と懐に抱かれる。
「仕事は?」
「もう終わったよ、楓斗との時間が大事だ。…湯たんぽ持ってくる?」
「いい、抱っこしてて」
「仰せのままに~、ほんとに最近甘えたで可愛いなぁ」
「当たり前でしょ、…あのさ、この子の名前」
「そうだな…楓斗は何か案ある?」
「海って字入れたいんだよね」
「いいね…海だとなんだろう」
再度パソコンを開けた彼が名前を調べ始める。
「なんで海がいいのか聞いていい?」
「特に特別な理由はないけど…海好きなんだよね」
「確かに…新婚旅行海だったもんな。いいね、俺も海は好きだよ」
自分でも何故海が好きなのかは分からない。
海育ち、と言えば海育ちだ。
友達と海で遊んだりするのは楽しかった。モデルの観光用のポスターに載ったのが始まりだ。
そういう縁があるからかもしれないし、広くて枠のない海が自分には好きなのかもしれない。
「海來か…」
「気に入った?」
「うん」
彼が見せてきたパソコンの画面に頷く。
みらい、と口の中で繰り返す。
「とりあえず仮決定にしようか」
「そうだね」
「透のとこはゆうにしたんだって」
明日透に連絡しようかな、なんて楽しくなる。
よく一緒に病院に行ったり、その帰りにお茶したりするのが楽しみだ。
「楓斗、マッサージしてあげる」
「ありがと」
お腹が大きくなると足のマッサージが自分では出来ない。
マッサージと言って少しじゃれ合うのも楽しみのひとつなのは内緒だ。
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