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しおりを挟む「今日お義母さんが来てくれましたよ」
「そうか。…何かようだったのか?」
「いえ、お祝いを頂きました」
潤也さんにお義母さんから頂いたカタログを渡す。
「この中で欲しいものを買ってくれると言ってくれて…有難く頂こうかと」
お義母さんから渡されたのは高級ベビー用品のカタログだ。自分達がもう用意しているものと被るといけないから好きなものを選べとの事だった。
とても気を使ってくれていて何から何まで優しい人だ。
「そうだな…これなんか良さそうだな」
彼が指さしたのは電動のゆりかご。
高さも調節出来て、手動にも切り替えられる。確かに手が離せない時はこれが役立つかもしれない。
…だがお値段がなかなかに可愛くない。
「いいですね…でもちょっと高価だから心配です」
「大丈夫だ。それに、俺が元々買おうと思っていたから心配するな。母さん達だってこれくらいはしたいはずだ。父さんも喜んでたぞ」
「ほんとですか…?。じゃあこれにしましょうか」
いい意味で、この親あっての彼だと思う。
彼と一緒に両親学級に参加をしたりしているのだが、最初はおぼつかなかった彼の手取りもなかなか様になっている。
「憧れてたんだ」と嬉しそうに人形に哺乳瓶を与える練習をする彼は可愛い。
子供が産まれたら育休をとると言っていたが、その3週間後程に彼の秘書である廣瀬さんも育休を取ったら会社は大丈夫なのだろうか。
交代で…とかそんな感じで回すのだろうか。少し心配だ。
お互いの旦那がいない時は2人で一緒にいようと楓斗君と話していたから多少は1人でも大丈夫だろう。
そこで大事なことを思い出す。
「…子供の名前、何にしましょうか」
「そうだな…いくつか考えてはいたんだがお前は何がいいと思う」
名前をまだ決めていなかった。
お互いに由来した名前もいいなと思ったが、やはりその子はその子なのだから自分達由来出なくても大丈夫なのではないかと思う。
「渚…とか男でも女でもどちらでも大丈夫な名前にしたい。この子が好きに生きられるようにと思いを込めてでもあるが…どうだろう」
「いいですね、僕もそう思います」
傍に置いていたメモ帳に渚、と自分が考えていた名前も書き加えていく。
「…これいいな」
彼がメモに書かれた名前を指さす。
「ゆう」だ。優しく、悠々とした子になって欲しいと思って考えてみたのだが気に入ってくれたのだろうか。
「ゆう、ですね。漢字はまだ決めてないんです」
「ゆうなら色んな漢字があるな…」
その夜はたくさんのことを話した。
結果、仮で「ゆう」とすることにして漢字は後々決めることにした。
「ゆう…パパだよ」
お腹を撫でながら語りかける彼をそっと見守る。
お腹が大きくなり、この子がお腹を蹴る度に自分は親になるんだなと思う。
「…子供が産まれたら奥さんのこと女と見れなくなるーていうのがあるらしいんですけど。…僕の場合どうなるんでしょうね」
「そうだな…俺らは性別上男同士だしおんなとして見れない…というのは分からない。だがお前がどんな風になろうと愛しているのは変わらない」
自分から言い出したことだが顔が熱くなる。
おちびごめんよ、心臓うるさくないか…。
全くこの人には敵わないな、と笑い彼に抱きつきキスをした
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