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12 ここから男性妊娠 表現有り
.. 潤也目線
しおりを挟む「…潤也さん、そろそろ…」
夜、寝る支度を済ませて透の細いお腹を何度も撫でていると苦笑した彼に窘められる。
「すまない、つい…。…母さんやお義母さんには言ったのか?」
「いえ…もう少ししてから言おうと思ってて」
「そうか。…体の調子が悪かったら無理するな、俺もなるべく早く帰れるようにするが…やはり難しくなったら母さんを使え、家政婦さんにしてもらうとか…お前が楽だと思う方法を何でもしよう」
彼に布団を掛けてやって、自分も入らせてもらいながらそう話してみる。
すっかり今では一つのベットになっているが、広いベットの意味が無いくらいに引っ付いて寝ている。
出来れば仕事なんか休んでずっといたいくらいだが、なかなかそうはいかない。
廣瀬に相談してみて何とかしてみようか。そんな事を考えながらふと隣をみると彼がウトウトしていた。
きっと眠いのだろう。
電気を消してキスをして彼が眠るまで見守ってい?とすぐに寝息が聞こえてくる。
愛しい透に、その彼との子供まで授かるなんて幸せ者だ。
眠る彼の頬を撫でながらその幸せが続くよう願った。
~
「…おはようございます。透さんの妊娠おめでとうございます」
「おはよう。…知ってたのか、ありがとう。」
「うちの楓斗に聞きましたので。…今日の予定です」
淡々と通常通り業務を進めていく廣瀬をじっと見る。
「なんですか、はやく仕事してください」
「…いや…お前も楓斗さんと子供のこととか…話さないのかと」
「話しますよ」
「…あまり欲しくはないという感じなのか」
「いえ、考えてますよ。…前の発情期ではきちんと避妊しましたが…そろそろ、とはお互い思ってます」
なるほど、と思う。
彼と楓斗さんは俺と透より歴が長い。最も、俺達自身がお見合いだからでもある。
何なら今年出会ったばかりだ。
「…でも絶対楓斗の子は世界一可愛いに決まってます。何せあの楓斗の子ですから」
「そ、そうだな」
また惚気が始まってしまった。
廣瀬が発情休暇の時は惚気を聞かずに済んだのに…。
書類に目を通しつつ、適当に相槌を打つことにした。
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