運命とは強く儚くて

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デニスとジュダ

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昼休みの始まりを告げる鐘が鳴り、ジュダの教室に向かう

「ジューダ、ご飯行こう」

1つ上の学年で、自分のいる教室より騒がしくて少し荒っぽい雰囲気のこの教室にも慣れた。

呼びかけるとジュダが教室から出てくる。

「…行こう」

小さく口角をあげる分かりにくい笑顔を確認して、ジュダの手を取り食堂へ。

ジュダと僕は一応、王子と従者。
けれどジュダは大事な友達、お父様やお母様、ルカと同じくらい大切。

食堂で昼食を受け取り、いつもの東屋に向かうと当たり前のようにジュダが僕の昼食を一口ずつ食べる。
本当は嫌なんだけど、食べられるからじゃない。


毒味っていって、毒がないか確かめてるらしい。
でももし毒が入っていたらジュダが毒を食べてしまうことになる。そんなのは嫌なのに、ジュダはどうしてもやめてくれなかった。

「はい、食べて…」

ほっとして食べ始める。
ジュダは武術専攻では1番の成績だ。上級生にも勝ってしまうくらいで僕はいつも嬉しい。

ジュダはこんなに凄いんだよってみんなに言いたくなる。

けどあまり目立つことはしたくない。
お父様に「王子という立場で他の子の気持ちを考えなさい、それと同時に王子という立場を忘れて楽しみなさい」と言われた。
よく分からなかったけれど、お母様が王子がみんな中に入るのはみんなにとっても緊張することだって言ってくれた。

まだよく分からないけど何となく分かったから、入学してからはたくさんの人に話しかけた。
最初はみんな話してくれなかったり敬語で話してきたけど、今じゃみんな、普通の友達のように接してくれている。

イタズラをすれば先生にも怒られるし、学校は楽しい。


「ジュダはさ、僕のためにいろいろしてくれるけど、嫌にならないの?」

「?…ならない」

「ほんと?…僕の為に毒味したり、いざと言う時は守りなさいってさ、怖くならないの?」

僕だったら怖いな、とジュダを覗き込むと少し考えるようにしてジュダが口を開く。

「…死ぬのは、怖いとか怖くないとか分からない…けど、守るのは当たり前…それが俺たちの役目だから。…大丈夫」

ゆっくりそう話して、小さく微笑みながら軽く頭をぽん、ぽん、とされた。

「うん」と笑顔で頷いたが、本当はどうなんだろう、と内心思った。

仕事だから僕の傍にいてくれるのかな。

小さい頃からずっとそばに居てくれてる。
テオとかカレルさんに引き取られてからずっと、それが当たり前で仕事だからなのかな。

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