運命とは強く儚くて

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Ⅱ- 11

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「おかえり、ラマールはどうだった?たくさん勉強した?」

「たくさんした!おかあさま、おとうと」

「偉いね。…もうすぐ来ると思うよ」

久しぶりのデニスを抱きしめる。
会いたかった。

1週間見なかっただけなのにしっかりして見える。報告の手紙やデニスからの絵手紙で事情は何となく知っていたが本人から1から聞きたくなってしまう。

「おなかぺったんこ」とお腹を撫でてくるデニスを撫でて「お腹から出てきたから」と言うと嬉しそうに笑った。

もうそろそろ授乳の時間だからルカを連れて来てくれるだろう。
自分がゆっくり寝れるようにルカは別室に寝かせてくれる配慮が嬉しい。

授乳もやはり出が悪く、量が少ないので半分以上は哺乳瓶であげている。



しばらく3人で談笑を楽しんでいると侍女がまだ眠っているルカを連れてきてくれる。

「静かにね」

ルカを抱くとデニスが恐る恐る覗き込んでくる。

「ルカっていうんだよ」

「ルカ…!」

「兄になったんだぞ」

お兄さん、と嬉しそうに繰り返しルカに呼びかけるデニス。
可愛らしい、天使が二人も。

すると小声でも騒がしかったのか、ルカが泣き出してさしまう。

「おしめは濡れてないのでお腹空いたんですね」

侍女が哺乳瓶を持ってきてくれる間、皇帝が小さなルカをあやす姿はなんだか不思議な気持ちになる。

デニスも思えば、あれくらい小さかった。
よく姉さんに変わっておしめを変えたりあやしたりしていたなぁ、と思い出す。


侍女から哺乳瓶を受け取り、乳首をそっと泣く口元にあてがってやると少し渋った後に、懸命に吸い始めるルカ。
その頬っぺをつんつんするのが少し楽しい。

「デニスも持ってみる?」

「うん…!」

ベットに上がってもらい、哺乳瓶をデニスに支えてもらう。
真剣にルカをじっと見て「かわいいね」と呟くデニス。あなたも十分可愛い。

少しすると哺乳瓶から口を離し、キョロキョロと周りを見渡すルカ。
この時間はご機嫌タイムだ。

「デニス、ルカの手に指当ててみな」

「…にぎった!」

ルカが指を握ると嬉しそうにするデニス、をなんだか潤みそうな目で見守る皇帝。

静かだと思ったら…。

「うちの子たちは可愛いですね」

「そうだな…まあ、当たり前だな。お前と俺の子なのだから」

自信満々に胸を張る皇帝。

「明日から少しづつ歩こうと思ってて、散歩に付き合ってくれますか」

「もちろん」

「ぼくもいく」

ルカも、と横から手を挙げたデニスを抱きしめた。
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