運命とは強く儚くて

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Ⅱ -8

2 ⚠️以降男性出産表現 有り

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「逆子の心配は今のところございません。が、お腹の子が動いて変わっていくこともありますので何か変わったことがあればお教え下さい」

熟練の助産師にいつもの診察をしてもらう。月で考えればあと一月くらいか、早ければもう生まれてしまってもおかしくは無い。

「いつ産まれてもおかしくはありませんから、くれぐれもお気をつけくださいませ」

「うん、ありがとう。少し散歩するくらいならいいですか?」

「少し歩くくらいならば体にも良いでしょう」と言われたのでテオと散歩に出かける。
散歩と言っても、庭園をのんびり話しながら歩くだけだが。


「今日は一段と腰が痛くてね…寝る時にどの姿勢がいいかいつも考えるんだけどなかなか」

「部屋に戻ったら温めて解してみましょうか。楽になりますよ」

そうなのだ。
今日はいつもより腰が痛いというか、だるい。お腹も張っているからだろうか。

しばらく庭園を回った後、戻ろうと座っていたベンチから腰を上げると何やらお腹が締め付けられるような、中をつねられるような痛みがはしる。

「っ…てて…」

「大丈夫ですか?お腹が張りますか?」

「ううん…いつもと違う…痛み、かな…多分。始まったかも…」

「俺は立ち会ったことがないので詳しくはありませんが…一旦治まるまで落ち着きましょう、治まったら俺が運びますから」

もう一度ベンチに座り、テオに摩って貰いながら落ち着くのをまつ。
自分自身、経験はないが姉さんの出産に立ち会ったこもはあるから何となくと、本当に何となく本能的というか、これから生まれると感じてしまう。

十分程経ったのだろうか、少し落ち着いて息を吐くとその隙にテオが横抱きにして急いで出産用の用意されていた部屋へ寝かせてくれる。
すぐに助産師人が来てくれて説明をしてくれたり、時間の経過について教えてくれた。

また30分ほど経つとまた痛みが来たり、不定期にやってくる。

陛下は確か今、視察に行っている。夕方までに帰って来るとは言っていたが不安で早く会いたくなってしまう。

だんだんと痛みの感覚は短くなり、その度にテオが持ってきてくれた陛下のシャツを握りしめる。
ちぎれたら嫌だな、なんて考える余裕位はあるし怖さを紛らわせるためにテオと話しているとあっという間に時間は過ぎていってしまった。

「どこをさすれば楽ですか」

「もっと下…お願い」

テオひ腰を摩って貰いながらゆっくり息を吐いてお腹を撫でる。
…無事に生まれて欲しいけど…お手柔らかに…。

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