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Ⅲ -2
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しおりを挟む数日後
「っ…」
「エディ様、大丈夫ですか?」
朝からぼんやりしていたが、ついに廊下でふらついてしまい壁に手をついてしまう。
「…失礼致します」
テオに軽々横抱きにされて寝室へと運ばれ、服を緩めてもらう。
「侍医を呼んでもらいました。…最近体調が良くないのでは?」
「うん。…今日も今朝からぼーっとしてて、眠気が酷くて…お腹少し痛いかも」
「ではそう伝えます。…寒気はありますか?」
「ないかな」
テオは毒のことを考えているのだろう。
確かに最近気を使ってもらっているが、世間に公表していない以上、それほど問題視はしなくて良いのでは、と思ったりもする。
侍医が来るとテオが代わりに病状を軽く伝えてくれて、自分も少し質問に答える。
その後少し検査をした。
「おめでとうございます、ご懐妊です。」
わぁ、とテオと顔を見合わせると律儀にテオが「おめでとうございます」と頭を下げてくれる。
ほっほっほ、と侍医が荷物を片付けながら笑う、
「皇帝には私から伝え良いと思いましたが…よしましょう。エディ様から伝えたほうが良いでしょうな」
「はい。ありがとうございます」
「…ですが、まだ安心はできません。流れやすい時期ですからこれまでより一層お体に気を使ってください。何か違和感があればすぐにお教え下さい」
真剣な侍医につられて重い気持ちで頷く。
お腹にいるこの子を大切にしなければ。
「エディ、体調が悪いと聞いたが大丈夫か?」
「はい、落ち着きました」
侍医が部屋を出て数十分後、皇帝が寝室へとやってきてくれる。
仕事だからもっとかかると思ったのに。急いできてくれたのだろうか、彼の長髪が少し乱れている。
手元にあったブラシで梳かせてもらおうと目の前に座ってもらい綺麗な髪に触れる。
「陛下」
「どうした?」
「陛下との子が…お腹にいます」
「…本当か」
「はい」
元々お互いに予知はしていたけれど…改めて確証、となると少し緊張する。
するとくるりと突然こちらを振り返った皇帝がそのまま抱きしめてくる。
「よくやった…!ありがとう…。これからはより一層身の回りに気をつけねばならんな」
ちゅ、ちゅ、と何度も頬や唇にショートキスを落とし、優しくお腹を撫でる皇帝。
なんだか子供みたいで可愛らしい。
「デニスには伝えたか?」
「いえ…まだです」
「そうか。きっと聞いたら喜ぶな。…デニス、弟か妹が欲しいと言っていたからな」
「なんですか、聞いてないです…!」
そんなこと言ってたんだ、皇帝だけずるい、と少しむくれてみせると皇帝が笑ってくれる。
「お前の負荷になってしまうと思ってな…では言うのが楽しみだな。今日は無理をするな」
大きくて暖かい手のひらに撫でられると気持ちが良い。
デニスとジュダは教会に行っていて夕方まで帰ってこない。ベットの上で少し仕事をしようとテオを呼んだ。
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