84 / 154
Ⅲ -1
1
しおりを挟む「ジュダ、ご挨拶は?」
「…ぉ、おはよう…ございます」
「おはよう、きちんと挨拶出来てえらいね」
朝、もじもじとテオにぴったりつくようにして挨拶をしてくれたのは昨日の夕方からいるジュダ。
「おはよう…!あとであそぼ!」
「う…ん」
デニスが無邪気に誘うとちらりとテオを見上げつつ慣れない様子で俯くジュダ。
可愛らしい。
今日から3日間、デニスにはジュダに合わせて教会へは行かず、教会に行かない日をいつも通り過ごしてもらい、ジュダが着いてこられるかどうかを試すらしい。
些か厳しすぎないだろうかと皇帝が尋ねると
「試し期間で妥協しすぎると、いざここへ来た時に辛い思いをしますから」
と言っていた。
テオもカレルさんもジュダのことを1番に思っているのだろう。自分達のせいでジュダが不幸にならないように慎重になっているのかもしれない。
「ご馳走様。…行ってくる。デニス、ジュダと仲良くするんだぞ?」
食べ終わった皇帝と軽くキスを交わして彼を見送る。
「楽しみなさい」と皇帝撫でられたジュダは少し不安そうにテオの裾を握っていたが優しく撫でられると気持ちよさそうに目を細めた。
「テオ、今日の予定分かる?」
「目を通して頂きたいという書類がいくつかあります。それと、隠者の為の施設が完成致しましたので良ければ視察をお願いしたいとのことです」
「分かった、ありがとう。」
「おちそうさま!…ジュダもあそんでいい?」
「ちゃんと時間になったら戻ってくるんだよ」
「はーい」
いこう、と楽しそうにジュダの手を引いて部屋を出ていったデニス。
ジュダは大丈夫だろうか、とテオを見ると案の定テオも心配そうだった。
「…心配なら見てきてもいいんだよ?…アッシアもいるし無茶なことはしないと思うけど…」
「無理はしないようにと言ってあるので…」
「多分中庭で遊んでいるから、東屋で仕事をしてもいいかな。そうしたら見れるでしょ」
「…ありがとうございます」
食後、東屋で仕事をするべく外に出ると、中庭で犬と2人が遊んでいた。
ジュダはデニスのひとつ上か。
デニスが転けたりしないか見ていてくれているのだろうか、やたらとデニスの周りを気にしている。
「守ってくれてるのかな」
「確かにデニス様をお守りするよう言いました。自分もエディ様を守っている、とだから一緒に。」
「なるほど…。僕はジュダにデニスと楽しく遊べたらいいなって思ってるけど」
「…役職としては、目付け役になるでしょう。自分たち一家は貴方達に仕えているので」
「じゃあ役職はお目付けで、それ以外は普通に子供として遊んでもらおうかな、一緒に勉強もして」
この宮廷に子供はあまりいない。
もちろん、使用人の子達もいるがデニスのいる所へはこないし、子供達は子ども達で村の学校に行ったりしている。
教会に子供は沢山いるけれど、身近にいて一緒に過ごす友達というのはなかなかいない。
皇子になったとはいえ、普通の子供のようにそだてたい。
0
お気に入りに追加
377
あなたにおすすめの小説

成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭

初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載

目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる